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今回もびっくりするくらい分かりやすかった...
ほぼ毎日何回も見て勉強させていただいております。ありがとうございます。素朴な疑問で質問なのですが資産は一定で、資産=貨幣+債券で、ML分析は貨幣市場の話なので、貨幣市場の反対側では債券市場?が、貨幣市場と連動して反対の動きをしているのでしょうか。
いつもご視聴いただきありがとうございます。また、ご質問もいただきありがとうございます。お返事が遅れてしまい失礼致しました。> 資産は一定で、資産=貨幣+債券で、LM曲線は貨幣市場の話なので、貨幣市場の反対側では債券市場が、貨幣市場と連動して反対の動きをしているのでしょうか。(回答)まさに、お書かきになっているご理解で結構です。貨幣と債券の合計で表される(金融)資産について、最初に保有する資産の量を変えずに、その内訳(つまり、いくらを貨幣で保有して、いくらを債券で保有するのかということ)を変えるように行動すると仮定しているので、このような考え方が得られているのです。(以下、少し発展的な話をさせていただきます)このような仮定に基づく状況を、貨幣市場と債券市場の2つの市場においてワルラス法則が成立すると言ったりもします。ただ、マクロ経済学のもう少し難しい話になると、上記の仮定を外してしまうこともあります。IS-LM分析の話ですと、財市場、貨幣市場、債券市場が登場する訳ですが、この3つの市場においてワルラス法則が成立すると考える場合です。感覚的に説明させていただくと、2つの市場においてワルラス法則が成立する場合だと、貨幣市場の裏側は債券市場(逆に、債券市場の裏側は貨幣市場)になります。3つの市場においてワルラス法則が成立する場合だと、・財市場と貨幣市場の裏側が債券市場・財市場と債券市場の裏側が貨幣市場・貨幣市場と債券市場の裏側が財市場これらの考え方がすべて正しいことになります。この辺りの話は、例えば、 丸山徹(2013)『新講 経済原論 第三版』岩波書店この本のpp.268-274が参考になります。この辺りの論点は本質的で重要なところだと思いますので、もし深堀されたいのであれば、上記の本を参考にされるのがよいかと思います。
貨幣市場における曲線Lの変化については曲線の左右へのシフトがあり、これはGDPの変化(貨幣需要の取引動機、予備的動機、投機的動機)によることが説明されています。曲線の変化についてはもう一つその傾きも考えたいのですが、曲線Lの傾きは外生的に与えられているのでしょうか、または、それは何に影響をうけるのでしょうか?
再び良いご質問ありがとうございます。例えば、ミクロ経済学で登場する需要曲線の傾きは「需要の価格弾力性」と関係しています。また、供給曲線の傾きは「供給の価格弾力性」と関係しています。では、IS曲線やLM曲線の傾きはというと、IS曲線の傾きは「投資の利子弾力性」と関係しており、LM曲線の傾きは「貨幣需要の所得弾力性」と「貨幣需要の利子弾力性」と関係しています。(この辺りの解説も動画に入れたかったのですが、入門授業という特性上、割愛させていただきました)では、LM曲線の傾きに関して簡単に解説させていただきます。まず、LM曲線が右上がりである理屈は、Step1 国民所得Yが増加すると、取引的動機・予備的動機に基づく貨幣需要L1が増加する。Step2 L1の増加で、貨幣需要Lが増加する。Step3 貨幣市場で超過需要が生じることで利子率rが上昇する。だから、Y↑⇒r↑になるということでした。(第14講を参照)国民所得Yが増加したときに、取引的動機・予備的動機に基づく貨幣需要L1が大きく上昇すれば、「貨幣需要の所得弾力性が大きい」ということになります。(貨幣需要の所得弾力性の値は外生的に与えられることになります)貨幣需要の所得弾力性が大きければ、上記のStep1においてL1が大きく増加することになります。すると、Step3における利子率rの増加も大きくなります。したがって、貨幣需要の所得弾力性が大きいとき、LM曲線の傾きは急ということになるのです。次に、利子率rが上昇したときに、投機的動機に基づく貨幣需要L2が大きく減少すれば、「貨幣需要の利子弾力性が大きい」ということになります。言い換えると、rの変化に対してLの値が変化しやすいという特徴があるということになります。(貨幣需要の利子弾力性の値も外生的に与えられることになります)貨幣需要の利子弾力性が大きければ、上記のStep3において少しの利子率rの上昇で超過需要が解消されますので、Step3における利子率rの上昇は小さいということになります(rの変化に対してLの値が変化しやすいので、少しのrの上昇で超過需要がすぐに解消されるということです)。したがって、貨幣需要の利子弾力性が大きいのとき、LM曲線の傾きは緩やかということになるのです。
@@hajimeyou-keizaigaku 丁寧な説明ありがとうございます。今回は読むと同時に理解するというわけにいかず動画の停止ボタンを押し、あるいは、巻き戻しをしながら読むというような読み方をして考えてみました。ご説明を次のように理解しています。誤りや論理の飛躍があれば指摘してくださるとありがたいです。⓪ポイントはL1とL2を分けて考えYと利子率に対する貨幣需要の感応度を比較することにある。①需要・供給の価格弾力性の考え方にならい貨幣の所得弾力性a=(△L/L)/(△Y/Y), 貨幣の利子弾力性b=(△L/L)/(△𝑟/𝑟)と定義するとLM曲線の傾きはa/bで表せる。②L1は主としてYの増減に応じ貨幣需要量が決まるがL1の増加自体が貨幣市場に緊張をもたらし利子率の上昇を招くのでL1=g(Y, 𝑟)と書け、L1はYの増加関数、𝑟の減少関数である。L1がどういう形を取るかはYまたは𝑟に対する弾力性に依存する。③L2は債券市場と向き合い利子率が上昇すればそれは債券価格の低下を意味するから貨幣のまま持つのは機会費用が大きいので債券の需要が高まり貨幣は債券市場に向かう(貨幣を手元に置こうとする動機は減少する=すなわち貨幣需要は減少する)。この箇所は私自身の理解で動画の説明をしてみました。L2はYをパラメーターに取ることはなくL2=h(𝑟)と書けL2は利子率の減少関数である。しかしL2=h(𝑟, Y)の可能性もあるかもと迷います。④以上を踏まえると、a(取引動機、予備的動機)が優勢に働くとLM曲線の勾配は急になり、そうでない場合は緩やかになる。書いていて別の疑問が湧いたのですが貨幣需要関数LはL=(Y, 𝑟)で間違いないと思いますが、L2=h(𝑟)だとすればL1とL2を合わせた貨幣需要関数は合成関数のような形になりますか。長くなりました、お許しください。
> ⓪ポイントはL1とL2を分けて考えYと利子率に対する貨幣需要の感応度を比較することにある。この考え方は合っております。> ①需要・供給の価格弾力性の考え方にならい貨幣の所得弾力性a=(△L/L)/(△Y/Y), 貨幣の利子弾力性b=(△L/L)/(△𝑟/𝑟)と定義するとLM曲線の傾きはa/bで表せる。ここは正しくないのです。ちなみに、貨幣需要の所得弾力性a=(△L/L)/(△Y/Y)貨幣需要の利子弾力性b=-(△L/L)/(△𝑟/𝑟)になります。(貨幣需要Lと利子率rは負の関係ですので、bの式にはマイナスが付きます)また、「第2講 価格弾力性 その③」の動画のコメント欄において、私とironasamakireさんの議論を見ていただきたいのですが、弾力性の大きさと直線の傾きは一致していません。そのため、上記のaやbを用いてLM曲線の傾きを表すことは難しいのです。「貨幣の所得弾力性が大きい(小さい)とLM曲線の傾きが急(緩やか)になる傾向がある」、「貨幣の利子弾力性が大きい(小さい)とLM曲線の傾きが緩やか(急)になる傾向がある」という説明に留めざるを得ません。> ②L1は主としてYの増減に応じ貨幣需要量が決まるがL1の増加自体が貨幣市場に緊張をもたらし利子率の上昇を招くのでL1=g(Y, 𝑟)と書け、L1はYの増加関数、𝑟の減少関数である。L1がどういう形を取るかはYまたは𝑟に対する弾力性に依存する。これも誤りで、L1=L1(Y)になります。(関数の記号としてgではなくL1を用いましたが経済学の慣習に従っています)あくまで、L1はYにしか依存しません。取引的動機・予備的動機に基づく貨幣需要がL1であり、国民所得Yの増加によってL1が増加すると仮定されているからです。また、おっしゃっていただいたようにL1(Y)はYの増加関数です。> ③L2は債券市場と向き合い利子率が上昇すればそれは債券価格の低下を意味するから貨幣のまま持つのは機会費用が大きいので債券の需要が高まり貨幣は債券市場に向かう(貨幣を手元に置こうとする動機は減少する=すなわち貨幣需要は減少する)。この箇所は私自身の理解で動画の説明をしてみました。この理解は正しいです。むしろこのように説明をする場合もあります。> L2はYをパラメーターに取ることはなくL2=h(𝑟)と書けL2は利子率の減少関数である。しかしL2=h(𝑟, Y)の可能性もあるかもと迷います。L2=L2(r)となり、L2(r)はrの減少関数です。L2(r, Y)は誤りになります。> ④以上を踏まえると、a(取引動機、予備的動機)が優勢に働くとLM曲線の勾配は急になり、そうでない場合は緩やかになる。これに関しては、この結論に至った論理が不明確です。また、優勢に働くとはどういった意味でしょうか?L2よりもL1の方が値が大きいということでしょうか。仮にそうであったとしても、この結論は得られないのでないでしょうか。> 書いていて別の疑問が湧いたのですが貨幣需要関数LはL=(Y, 𝑟)で間違いないと思いますが、L2=h(𝑟)だとすればL1とL2を合わせた貨幣需要関数は合成関数のような形になりますか。貨幣需要関数はL=L(Y, r)と書くことが多いように思います。また、L=L(Y, r)=L1(Y)+L2(r)この式は正しいです。(合成関数の定義からは外れますので、この式には合成関数は含まれません)> 長くなりました、お許しください。いえいえ!お付き合いいただきありがとうございます。LM曲線の傾きに関する内容は、講義でも10分程度は使って丁寧に話す内容になりますので、そう簡単な内容ではないのです。
@@hajimeyou-keizaigaku 私の間違った言説④は「第2講 価格弾力性」その③ 需要の価格弾力性①のコメント欄の議論を読んだところ同じ誤解から導いた結論のようです。弾力性と傾きの数学的表記を比べれば誤解の余地なく明瞭に2つが同じで無いことがわかりますがグラフだけに頼ると誤解しかねませんね。この議論で理解が確認できた部分、そうでない部分が明確になり結果的に論点を正しく理解しました。ただこのテーマに関して新たに派生するように色々な疑問が湧いてきます。少し考えを整理してからまとめて質問したいと思います。先生は忙しいはずなのに丁寧に対応してくれたいへんありがたいです。
論点が明確になってきたようでよかったです。はい、引き続きご質問をお待ちしております。> 先生は忙しいはずなのに丁寧に対応してくれたいへんありがたいです。こちらこそ、お気遣いいただきありがとうございます。真剣に学ばれていらっしゃるのでご期待にお応えできれば幸いです。
投資家の撤退(国債売り)による金利上昇のメカニズムはどのように説明できますか。①国内で資金不足に陥り,資金供給が減少するので金利が上昇する。キャピタルフライトのような状況。②国債(債券)の人気がなくなり,債券需要が減少し,債券価格が低下することで金利(利回り)が上昇。③それ以外のルート
利子率について質問です。「利子率が下がると投資が増える。」「利子率を下げても、企業は利益が下がるけど借りてくれる」について、上は企業にとって借りる話で、下は企業にとって貸す話だと思います。同じ利子率の話題なのに、立場が入れ替わったりするものなんですか?すると、rのグラフ上の意味が曖昧になってこんがらがってしまいす。
Thanks!
例題で、貨幣需要関数L=-r+Y+6というのを見て疑問に思ったのですが、切片の6は何を表しているのでしょうか
-rが投機的需要を、Yが取引的需要、予備的需要を表すのなら、それらに影響を受けない独立した需要が存在すると考えるべきなのでしょうか
いつも分かりやすいご説明をありがとうございます!本当にありがたいです。1点だけ質問させてください。第13講の「問題集」回答のP18ですが、4のグラフを描く問題について、Lの関数がL=ー2r+8と記載があります。この場合、縦軸のr切片は8ではなく4ではないでしょうか?横軸Lの切片も4ではなく、8になると思いました。交点座標の問題なので本質的な質問ではないのですが、スミマセン。
問題集まで解いていただきありがとうございます!まさにご指摘の通りでした。[問題集第13講p.18例題問4]貨幣需要曲線の縦軸切片の値は「4」、横軸切片の値は「8」が正しい。ほとんど誤植はなくなったと思っておりましたので、大変助かりました。どうもありがとうございます!
ご確認ありがとうございます!丁寧な解説で問題集まで公開していただき、感謝です。m(_ _)m
LとMsは単位が違うのに、なぜ横軸に並べているのでしょうか。Lは円?、Msは個?ではないのでしょうか。
低金利なのに国債が売れるのは日銀介入の異常事態と理解して良いのでしょうか?
私はその側面は大きいと思います。日銀が国債の多くを安定的に保有していますので、急に国債が大量に売られるというリスクが国債価格(金利)には反映されていないのではないかと思います。
異常事態とは違います。日銀当座預金を持っていても利子はつきません。一方、国債は多少の金利がつきますし、オークション形式で日銀当座預金から購入されますから銀行が必ず買う仕組みなのです。異常なのは政策金利をマイナスにしても、買いオペで日銀当座預金を増やしても、民間の資金需要がないため融資が増えない事です。
@@Sセガール 民間の資金需要が増えないことはすでに1%超の金利時代でも証明されていたでしょう。それなのに、日銀が介入してさらに金利を下げたことは無意味であったことは黒田日銀総裁が退任することで明白になります。直接引き受けに近いことをやってしまっているので、世界的な利上げに対して、何ら対策をとれず、円安が止まらなくなった。利上げをすれば債券価格が暴落するリスクが反映されるのは時間の問題です。日銀が引き受けるつもりがなければ、銀行も国債を引き受けてません。以上より、明らかな異常事態です。
5:55
単純な疑問なのですがLとMSの単位は何なんでしょうか?MSは物をどれだけ買えるかなので個なのかなと思ったのですがLを考えたときに個ではないような気がしてしまいました。
ご質問いただきありがとうございます。LもMsも単位は数量の単位(例えば「個」)になります。(Msは実質貨幣供給、Lは(正確には)「実質」貨幣需要です)つまり、Lであれば「財何個分に相当する貨幣需要」と考えるのです。この点に関しては、他の方からも類似した質問がありまして、この授業ホームページ(以下URL)で第13講のみんなの質問において、「色々な教科書を見ていると…」から始まる質問が対応しています。introduction-to-economics.jp/main-content/#oよろしければ一度ご確認してみてください。
@@hajimeyou-keizaigaku ご回答ありがとうございます。LもMsも「実質」であり、同じ単位である名目の貨幣供給、貨幣需要をPで割っているのでLとMsは同じ単位であるということですね。お忙しい中ありがとうございました。動画を見て勉強頑張ります。
はい、そのような理解で合っております。また何かご質問がありましたらお気軽にご連絡ください。勉強頑張ってください!
利子率の変動を行うのは政府ですか?
ご質問いただきありがとうございます。正確には、政府が利子率を動かすわけではありません。利子率は市場で決まります。この辺りの内容は奥が深いのですが、少し立ち入ってみたいと思います。参考までにご覧ください。この授業で考えているような基本的なマクロ経済学のモデルにおいて、利子率とは、既発債である債券の利回り(金利)のことで、その利回りはその債券に対する需要と供給の関係で決まります。(ここの内容が上記の「利子率は市場で決まります」に対応しています)一方、新発債は財務省が実施する入札(オークションのイメージです)によって、国債価格や国債の利回りが決まり、銀行や証券会社などに販売されていきます。財務省としてはなるべく国債を高く買ってくれる(もしくは、なるべく低い利回りで買ってくれる)相手に国債を販売したいですので、この入札では、国債の価格を高く(国債の利回りを低く)提示した機関に国債が販売されていきます。このように、政府にはなるべく利回りを低くしたいという気持ちがあることから、この気持ちを授業スライド26の政府の心の声に反映してみたということなのです。
エーリングハーランド
今回もびっくりするくらい分かりやすかった...
ほぼ毎日何回も見て勉強させていただいております。ありがとうございます。
素朴な疑問で質問なのですが
資産は一定で、資産=貨幣+債券で、ML分析は貨幣市場の話なので、貨幣市場の反対側では債券市場?が、貨幣市場と連動して反対の動きをしているのでしょうか。
いつもご視聴いただきありがとうございます。
また、ご質問もいただきありがとうございます。
お返事が遅れてしまい失礼致しました。
> 資産は一定で、資産=貨幣+債券で、LM曲線は貨幣市場の話なので、貨幣市場の反対側では債券市場が、貨幣市場と連動して反対の動きをしているのでしょうか。
(回答)
まさに、お書かきになっているご理解で結構です。
貨幣と債券の合計で表される(金融)資産について、最初に保有する資産の量を変えずに、その内訳(つまり、いくらを貨幣で保有して、いくらを債券で保有するのかということ)を変えるように行動すると仮定しているので、このような考え方が得られているのです。(以下、少し発展的な話をさせていただきます)
このような仮定に基づく状況を、貨幣市場と債券市場の2つの市場においてワルラス法則が成立すると言ったりもします。
ただ、マクロ経済学のもう少し難しい話になると、上記の仮定を外してしまうこともあります。
IS-LM分析の話ですと、財市場、貨幣市場、債券市場が登場する訳ですが、この3つの市場においてワルラス法則が成立すると考える場合です。
感覚的に説明させていただくと、
2つの市場においてワルラス法則が成立する場合だと、貨幣市場の裏側は債券市場(逆に、債券市場の裏側は貨幣市場)になります。
3つの市場においてワルラス法則が成立する場合だと、
・財市場と貨幣市場の裏側が債券市場
・財市場と債券市場の裏側が貨幣市場
・貨幣市場と債券市場の裏側が財市場
これらの考え方がすべて正しいことになります。
この辺りの話は、例えば、
丸山徹(2013)『新講 経済原論 第三版』岩波書店
この本のpp.268-274が参考になります。
この辺りの論点は本質的で重要なところだと思いますので、もし深堀されたいのであれば、上記の本を参考にされるのがよいかと思います。
貨幣市場における曲線Lの変化については曲線の左右へのシフトがあり、これはGDPの変化(貨幣需要の取引動機、予備的動機、投機的動機)によることが説明されています。曲線の変化についてはもう一つその傾きも考えたいのですが、曲線Lの傾きは外生的に与えられているのでしょうか、または、それは何に影響をうけるのでしょうか?
再び良いご質問ありがとうございます。
例えば、ミクロ経済学で登場する需要曲線の傾きは「需要の価格弾力性」と関係しています。
また、供給曲線の傾きは「供給の価格弾力性」と関係しています。
では、IS曲線やLM曲線の傾きはというと、
IS曲線の傾きは「投資の利子弾力性」と関係しており、
LM曲線の傾きは「貨幣需要の所得弾力性」と「貨幣需要の利子弾力性」と関係しています。
(この辺りの解説も動画に入れたかったのですが、入門授業という特性上、割愛させていただきました)
では、LM曲線の傾きに関して簡単に解説させていただきます。
まず、LM曲線が右上がりである理屈は、
Step1 国民所得Yが増加すると、取引的動機・予備的動機に基づく貨幣需要L1が増加する。
Step2 L1の増加で、貨幣需要Lが増加する。
Step3 貨幣市場で超過需要が生じることで利子率rが上昇する。
だから、Y↑⇒r↑になるということでした。(第14講を参照)
国民所得Yが増加したときに、取引的動機・予備的動機に基づく貨幣需要L1が大きく上昇すれば、「貨幣需要の所得弾力性が大きい」ということになります。(貨幣需要の所得弾力性の値は外生的に与えられることになります)
貨幣需要の所得弾力性が大きければ、上記のStep1においてL1が大きく増加することになります。すると、Step3における利子率rの増加も大きくなります。
したがって、貨幣需要の所得弾力性が大きいとき、LM曲線の傾きは急ということになるのです。
次に、利子率rが上昇したときに、投機的動機に基づく貨幣需要L2が大きく減少すれば、「貨幣需要の利子弾力性が大きい」ということになります。言い換えると、rの変化に対してLの値が変化しやすいという特徴があるということになります。(貨幣需要の利子弾力性の値も外生的に与えられることになります)
貨幣需要の利子弾力性が大きければ、上記のStep3において少しの利子率rの上昇で超過需要が解消されますので、Step3における利子率rの上昇は小さいということになります(rの変化に対してLの値が変化しやすいので、少しのrの上昇で超過需要がすぐに解消されるということです)。
したがって、貨幣需要の利子弾力性が大きいのとき、LM曲線の傾きは緩やかということになるのです。
@@hajimeyou-keizaigaku 丁寧な説明ありがとうございます。今回は読むと同時に理解するというわけにいかず動画の停止ボタンを押し、あるいは、巻き戻しをしながら読むというような読み方をして考えてみました。ご説明を次のように理解しています。誤りや論理の飛躍があれば指摘してくださるとありがたいです。
⓪ポイントはL1とL2を分けて考えYと利子率に対する貨幣需要の感応度を比較することにある。
①需要・供給の価格弾力性の考え方にならい貨幣の所得弾力性a=(△L/L)/(△Y/Y), 貨幣の利子弾力性b=(△L/L)/(△𝑟/𝑟)と定義するとLM曲線の傾きはa/bで表せる。
②L1は主としてYの増減に応じ貨幣需要量が決まるがL1の増加自体が貨幣市場に緊張をもたらし利子率の上昇を招くのでL1=g(Y, 𝑟)と書け、L1はYの増加関数、𝑟の減少関数である。L1がどういう形を取るかはYまたは𝑟に対する弾力性に依存する。
③L2は債券市場と向き合い利子率が上昇すればそれは債券価格の低下を意味するから貨幣のまま持つのは機会費用が大きいので債券の需要が高まり貨幣は債券市場に向かう(貨幣を手元に置こうとする動機は減少する=すなわち貨幣需要は減少する)。この箇所は私自身の理解で動画の説明をしてみました。L2はYをパラメーターに取ることはなくL2=h(𝑟)と書けL2は利子率の減少関数である。しかしL2=h(𝑟, Y)の可能性もあるかもと迷います。
④以上を踏まえると、a(取引動機、予備的動機)が優勢に働くとLM曲線の勾配は急になり、そうでない場合は緩やかになる。
書いていて別の疑問が湧いたのですが貨幣需要関数LはL=(Y, 𝑟)で間違いないと思いますが、L2=h(𝑟)だとすればL1とL2を合わせた貨幣需要関数は合成関数のような形になりますか。長くなりました、お許しください。
> ⓪ポイントはL1とL2を分けて考えYと利子率に対する貨幣需要の感応度を比較することにある。
この考え方は合っております。
> ①需要・供給の価格弾力性の考え方にならい貨幣の所得弾力性a=(△L/L)/(△Y/Y), 貨幣の利子弾力性b=(△L/L)/(△𝑟/𝑟)と定義するとLM曲線の傾きはa/bで表せる。
ここは正しくないのです。
ちなみに、
貨幣需要の所得弾力性a=(△L/L)/(△Y/Y)
貨幣需要の利子弾力性b=-(△L/L)/(△𝑟/𝑟)
になります。(貨幣需要Lと利子率rは負の関係ですので、bの式にはマイナスが付きます)
また、「第2講 価格弾力性 その③」の動画のコメント欄において、私とironasamakireさんの議論を見ていただきたいのですが、弾力性の大きさと直線の傾きは一致していません。
そのため、上記のaやbを用いてLM曲線の傾きを表すことは難しいのです。「貨幣の所得弾力性が大きい(小さい)とLM曲線の傾きが急(緩やか)になる傾向がある」、「貨幣の利子弾力性が大きい(小さい)とLM曲線の傾きが緩やか(急)になる傾向がある」という説明に留めざるを得ません。
> ②L1は主としてYの増減に応じ貨幣需要量が決まるがL1の増加自体が貨幣市場に緊張をもたらし利子率の上昇を招くのでL1=g(Y, 𝑟)と書け、L1はYの増加関数、𝑟の減少関数である。L1がどういう形を取るかはYまたは𝑟に対する弾力性に依存する。
これも誤りで、L1=L1(Y)になります。(関数の記号としてgではなくL1を用いましたが経済学の慣習に従っています)
あくまで、L1はYにしか依存しません。
取引的動機・予備的動機に基づく貨幣需要がL1であり、国民所得Yの増加によってL1が増加すると仮定されているからです。
また、おっしゃっていただいたようにL1(Y)はYの増加関数です。
> ③L2は債券市場と向き合い利子率が上昇すればそれは債券価格の低下を意味するから貨幣のまま持つのは機会費用が大きいので債券の需要が高まり貨幣は債券市場に向かう(貨幣を手元に置こうとする動機は減少する=すなわち貨幣需要は減少する)。この箇所は私自身の理解で動画の説明をしてみました。
この理解は正しいです。むしろこのように説明をする場合もあります。
> L2はYをパラメーターに取ることはなくL2=h(𝑟)と書けL2は利子率の減少関数である。しかしL2=h(𝑟, Y)の可能性もあるかもと迷います。
L2=L2(r)となり、L2(r)はrの減少関数です。
L2(r, Y)は誤りになります。
> ④以上を踏まえると、a(取引動機、予備的動機)が優勢に働くとLM曲線の勾配は急になり、そうでない場合は緩やかになる。
これに関しては、この結論に至った論理が不明確です。
また、優勢に働くとはどういった意味でしょうか?L2よりもL1の方が値が大きいということでしょうか。仮にそうであったとしても、この結論は得られないのでないでしょうか。
> 書いていて別の疑問が湧いたのですが貨幣需要関数LはL=(Y, 𝑟)で間違いないと思いますが、L2=h(𝑟)だとすればL1とL2を合わせた貨幣需要関数は合成関数のような形になりますか。
貨幣需要関数はL=L(Y, r)と書くことが多いように思います。
また、
L=L(Y, r)=L1(Y)+L2(r)
この式は正しいです。(合成関数の定義からは外れますので、この式には合成関数は含まれません)
> 長くなりました、お許しください。
いえいえ!お付き合いいただきありがとうございます。
LM曲線の傾きに関する内容は、講義でも10分程度は使って丁寧に話す内容になりますので、そう簡単な内容ではないのです。
@@hajimeyou-keizaigaku 私の間違った言説④は「第2講 価格弾力性」その③ 需要の価格弾力性①のコメント欄の議論を読んだところ同じ誤解から導いた結論のようです。弾力性と傾きの数学的表記を比べれば誤解の余地なく明瞭に2つが同じで無いことがわかりますがグラフだけに頼ると誤解しかねませんね。この議論で理解が確認できた部分、そうでない部分が明確になり結果的に論点を正しく理解しました。ただこのテーマに関して新たに派生するように色々な疑問が湧いてきます。少し考えを整理してからまとめて質問したいと思います。先生は忙しいはずなのに丁寧に対応してくれたいへんありがたいです。
論点が明確になってきたようでよかったです。
はい、引き続きご質問をお待ちしております。
> 先生は忙しいはずなのに丁寧に対応してくれたいへんありがたいです。
こちらこそ、お気遣いいただきありがとうございます。
真剣に学ばれていらっしゃるのでご期待にお応えできれば幸いです。
投資家の撤退(国債売り)による金利上昇のメカニズムはどのように説明できますか。
①国内で資金不足に陥り,資金供給が減少するので金利が上昇する。キャピタルフライトのような状況。
②国債(債券)の人気がなくなり,債券需要が減少し,債券価格が低下することで金利(利回り)が上昇。
③それ以外のルート
利子率について質問です。
「利子率が下がると投資が増える。」
「利子率を下げても、企業は利益が下がるけど借りてくれる」
について、上は企業にとって借りる話で、下は企業にとって貸す話だと思います。
同じ利子率の話題なのに、立場が入れ替わったりするものなんですか?すると、rのグラフ上の意味が曖昧になってこんがらがってしまいす。
Thanks!
例題で、貨幣需要関数L=-r+Y+6というのを見て疑問に思ったのですが、切片の6は何を表しているのでしょうか
-rが投機的需要を、Yが取引的需要、予備的需要を表すのなら、それらに影響を受けない独立した需要が存在すると考えるべきなのでしょうか
いつも分かりやすいご説明をありがとうございます!本当にありがたいです。
1点だけ質問させてください。第13講の「問題集」回答のP18ですが、4のグラフを描く問題について、Lの関数がL=ー2r+8と記載があります。この場合、縦軸のr切片は8ではなく4ではないでしょうか?横軸Lの切片も4ではなく、8になると思いました。交点座標の問題なので本質的な質問ではないのですが、スミマセン。
問題集まで解いていただきありがとうございます!
まさにご指摘の通りでした。
[問題集第13講p.18例題問4]
貨幣需要曲線の縦軸切片の値は「4」、横軸切片の値は「8」が正しい。
ほとんど誤植はなくなったと思っておりましたので、大変助かりました。どうもありがとうございます!
ご確認ありがとうございます!
丁寧な解説で問題集まで公開していただき、感謝です。
m(_ _)m
LとMsは単位が違うのに、なぜ横軸に並べているのでしょうか。Lは円?、Msは個?ではないのでしょうか。
低金利なのに国債が売れるのは日銀介入の異常事態と理解して良いのでしょうか?
私はその側面は大きいと思います。
日銀が国債の多くを安定的に保有していますので、急に国債が大量に売られるというリスクが国債価格(金利)には反映されていないのではないかと思います。
異常事態とは違います。
日銀当座預金を持っていても利子はつきません。一方、国債は多少の金利がつきますし、オークション形式で日銀当座預金から購入されますから銀行が必ず買う仕組みなのです。
異常なのは政策金利をマイナスにしても、買いオペで日銀当座預金を増やしても、民間の資金需要がないため融資が増えない事です。
@@Sセガール 民間の資金需要が増えないことはすでに1%超の金利時代でも証明されていたでしょう。それなのに、日銀が介入してさらに金利を下げたことは無意味であったことは黒田日銀総裁が退任することで明白になります。直接引き受けに近いことをやってしまっているので、世界的な利上げに対して、何ら対策をとれず、円安が止まらなくなった。利上げをすれば債券価格が暴落するリスクが反映されるのは時間の問題です。日銀が引き受けるつもりがなければ、銀行も国債を引き受けてません。
以上より、明らかな異常事態です。
5:55
単純な疑問なのですがLとMSの単位は何なんでしょうか?
MSは物をどれだけ買えるかなので個なのかなと思ったのですがLを考えたときに個ではないような気がしてしまいました。
ご質問いただきありがとうございます。
LもMsも単位は数量の単位(例えば「個」)になります。
(Msは実質貨幣供給、Lは(正確には)「実質」貨幣需要です)
つまり、Lであれば「財何個分に相当する貨幣需要」と考えるのです。
この点に関しては、他の方からも類似した質問がありまして、この授業ホームページ(以下URL)で第13講のみんなの質問において、「色々な教科書を見ていると…」から始まる質問が対応しています。
introduction-to-economics.jp/main-content/#o
よろしければ一度ご確認してみてください。
@@hajimeyou-keizaigaku ご回答ありがとうございます。
LもMsも「実質」であり、同じ単位である名目の貨幣供給、貨幣需要をPで割っているのでLとMsは同じ単位であるということですね。
お忙しい中ありがとうございました。動画を見て勉強頑張ります。
はい、そのような理解で合っております。
また何かご質問がありましたらお気軽にご連絡ください。
勉強頑張ってください!
利子率の変動を行うのは政府ですか?
ご質問いただきありがとうございます。
正確には、政府が利子率を動かすわけではありません。利子率は市場で決まります。
この辺りの内容は奥が深いのですが、少し立ち入ってみたいと思います。参考までにご覧ください。
この授業で考えているような基本的なマクロ経済学のモデルにおいて、利子率とは、既発債である債券の利回り(金利)のことで、その利回りはその債券に対する需要と供給の関係で決まります。(ここの内容が上記の「利子率は市場で決まります」に対応しています)
一方、新発債は財務省が実施する入札(オークションのイメージです)によって、国債価格や国債の利回りが決まり、銀行や証券会社などに販売されていきます。財務省としてはなるべく国債を高く買ってくれる(もしくは、なるべく低い利回りで買ってくれる)相手に国債を販売したいですので、この入札では、国債の価格を高く(国債の利回りを低く)提示した機関に国債が販売されていきます。
このように、政府にはなるべく利回りを低くしたいという気持ちがあることから、この気持ちを授業スライド26の政府の心の声に反映してみたということなのです。
エーリングハーランド