理解されにくい双極性の病状と向き合い方を解説します【早稲田メンタルクリニック 切り抜き 精神科医 益田裕介】
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- เผยแพร่เมื่อ 10 ก.พ. 2025
- 本日は「理解されない双極性障害Ⅱ型」というテーマでお話しします。
■双極性障害とは
双極性障害とはそもそも何かというと、元気な時、いわゆる「躁状態」と呼ばれるような状態。元気で多弁で色々なことができる活動的な状態と、反対の「うつ状態」、元気が出なくて落ち込んでいて食べられなかったり、眠れなかったりする状況。
躁状態の時も元気過ぎて寝られないのですが、うつ状態というのは元気がなさ過ぎて寝ることが難しかったり、寝たら今度は起きられなかったりするという病状なんですけれど、この躁とうつを繰り返すものを双極性障害と言います。
双極性障害Ⅰ型とⅡ型があって、Ⅰ型は重いもの、簡単に言うとⅠ型は凄く重い、Ⅱ型は軽いんです。
軽いから目立たない、見つかりにくいというイメージです。
躁→うつ→躁→うつと繰り返すんじゃなくて、躁があったとしたら、うつ→うつ→うつ→時々躁、というのもあるし、1年間のうちに躁うつが全くない年があったりします。
全くない1年を過ごしたかと思ったら、次の年には半年間うつがあるとか、そういうこともあったりするので、結構わかりにくいです。
病気としてもわかりにくいんですが、本人もわかりにくいんです。
診察する側もわかりにくいんです。
医師が2~3年ごとにころころ変わると全体が診られないんです。
診ていないからわからないんです。
引き継ぎがあっても「こういう人なのかな?」と思ったりすると、あまりわからなかったりします。
本人も「何か今年はこんな年だったからこうだったかな」「最近、自分も考え方が変わったからこうなのかな」と色々理由が付いてしまうんです。
なのでわかりにくかったりするんですけれども、長く診ていくとわかってきたりする病気です。
コロコロ診断が変わって、なかなか診断確定まで至らないということは結構あるのかなと思います。
■ケース紹介(創作)
Aさん、40代の男性でひきこもりです。
恐らく発症は高校生の時です。
高校生の時にテストや友達との喧嘩がきっかけで不登校となってしまう。
親から怒られたりして、でも起きられなくて元気が出ない。
何とかギリギリ卒業する。
でも大学受験を頑張ろうと思って頑張って大学に行くんだけれども、やはりまたうつになってしまう。
調子が悪くなってひきこもってしまって、結局中退してしまうという感じです。
結構あります。
中退してしまって、親から怒られたりして、でも何か頑張れないな、自分が悪いのかな、怠けているのかな、と思ったりするんです。
実際ゲームをしていたり、躁状態の時の自分を知ってるので、自分は本当は頑張れる人間なのに頑張れていないんだ、という風に思ってしまうんです。
だから自分を責めてしまうという感じです。
当初うつ病と診断されるんだけれども、途中からやはり発達障害なんじゃないかと言われたり、通院も途絶えて別の病院へ行ったら人格障害じゃないかと言われたり。
何度も通院していく中で、最終的に双極性障害なんじゃないかという風に診断がわかってくる感じです。
長く診ているとわかってくるんです。
診断名がコロコロ変わるし「あなたは別に病気じゃないですよ。うつ病じゃないですよ。だから薬なんかいらないですよ」と医師に言われたりして、何なんだ?と思ったりするというのは双極性障害のあるあるです。
もうこれで全部セットです。
■診断は難しい
前医が双極性障害と診断をしていた時に、次の医師がそれをどこまで信じるかというのは難しいポイントなんです。
医師によっては、患者さんの社会的な背景を聞かなかったり、家庭環境を聞かなかったりして共感が乏し過ぎて、ただ「双極性障害だろう」「話を聞かずに薬だけ出せばいいだろう」ということで、双極性障害とパッとつけて、「あなたは薬で治りますよ」と言って5分診療というか、お薬外来で終わらせちゃう人というのもいなくはないんです、おっしゃる通り。
いなくもないので疑わなければいけないし、かと言ってきちんと診ている人は診ている人で、今度は共感し過ぎちゃう。
その人の社会的な背景や苦しみ、悩みに共感したり、理解しすぎたせいで、その人が持っているそもそもの気分の波というものを見逃してしまって、トラウマがあったからなんじゃないか、トラウマがあるからなかなか自信を持てなくてこうなってしまったんじゃないか、人間関係が苦手なのはこういうのがあるんじゃないか、だから社会に出ていけないんじゃないかと心理的に理解が進みすぎてしまって、内因性の病気、いわゆる脳の病気を見逃してしまうということもあったりします。
双極性障害で激しくて、うつだったらうつという感じで本当に食べられない、眠れない、もう入院が必要な感じだったり、躁状態は躁状態でもすごく激しくて、活動的で、何百万もお金を使ってしまったり、道を歩いていたらヤクザともケンカしたり、反社的な人やヤンチャな人、半グレ的な人にもすぐケンカを売ってしまうような形であれば双極性障害とすぐ診断がつくんだけれども、そうじゃないとちょっとわかりにくかったりします。
ドクターによっては転職や異動が多かったりして、5年以上同じ場所で働いた経験がない人もいたりするので、そういう人たちだとちょっとわかりにくいだろうなという気がします。
街のクリニックで診ているのと、急性期病棟とかで診ていて、激しいものだけを診ている人たちだとやはり臨床観というのは自ずと変わってくるので、激しいものばかり診ていたり、本当に脳病らしい双極性障害やうつ病ばかりを診ていると、ちょっとわかりにくいのかなという気がします。
■双極性障害II型
やはり生い立ちから見ていくと、10代の後半くらいからうつがあったり、時々躁があったり、こういう風になっていくという感じです。
うつの期間も2週間か4週間と短いんです。
軽度のうつ状態が多かったりします、双極Ⅱ型の人は。
軽躁状態というのも4日から7日くらい、1週間前後だったりして目立たないんです。
1~2ヶ月のうちに1週間ぐらいは頑張れる日があるんです、と本人が言ったりして「普通そんなもんかな?」とか。
「この3日間でほとんど寝てないんですよ」と言った時に「若者だしそうかな?」とか。
「ここ最近元気で、ゲームがすごく面白くてゼルダの新作が出たから3日間ほとんど寝ずにクリアしましたよ」と言ったりした時に「うーん、それは躁状態なのかな?」とは思うし「実際、頑張ってやっちゃうかもしれないな」とか。
さすが3日間で全クリしたとか言われたらアレだけれども、そんなにわかりやすく臨床で言わないので、患者さんもそういう風に言わないので、「結構長めに集中してゲームできているんですよね、最近は」みたいな話をしていると、それが躁状態とはちょっとわかりにくかったりします。
結局、本人もよくわからないし、医師もよくわからなかったりするし、そして家族なんかよりわからないです。
こいつは甘えているんじゃないかと家族は思ってすごく責めたりするし、本人もすごく自分のことを責めたりすることがあります。
医師が途中でわかって「ああ、あなたはやはり双極だったんですね。だから生き苦しかったんですね」とわかってから説明しても、本人がギリギリ理解できても、家族はなかなか理解できないとかあります。
■精神医学を理解するのは難しい
精神医学を理解するのはすごく困難なんじゃないかなと思います。
これは人間の認知能力というか、理解能力をはるかに超えているのかもしれないです。
重力とは何かということを理解するのと似ていて、精神疾患は目に見えないからよくわからないですね。
あとは色々な要素が絡むわけです、人間の心は。
睡眠の状況、脳の病気、その時の環境、生い立ちの問題、トラウマの問題、直前で見た動画など色々な影響を受けるので、色々な影響を受けて心が成り立っているんだよ、ということを理解するのはすごく難しい。
単純な因果論や単純な白黒思考で考える人は多いので、複数の要因で何かが成り立っているというシステム論的な理解がすごく難しい人も多いと思います。
あとは心は脳であるということ、この単純な事実を認めがたいんです。
人間というのは魂があって…と、そういう風に思いたい人が多いので、人間というのは動物の一種であり、人間の心というのは自然現象の一種でしかない、そういう感じがやはり受け入れがたい人が多いという意味です。
それはすごくさっぱりし過ぎて苦しくないですか、つまらなくないですかと色々な患者さんから言われますけど、そんなことは僕はないんですけど。
僕は医者だし科学者なので、どちらかというと「いや心って脳でしょう」「悲しみって脳現象でしかないでしょう」「文化とか文明というのは群れの動物である人間が勝手に作ったものでしょう」ぐらいしか思わない。
そこを思うのはちょっと苦しいとか心理的抵抗があるということがあります。
あとは心理的抵抗です。
そもそも病気と認めたくない、自分には劣っているところがあるということを受け入れがたい、病気という障害があるということを受け入れがたい、というのはあるんじゃないかなと思います。
プラス共感ですよね。気持ちを分かっていく。
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▼自己紹介
益田裕介
防衛医大卒。陸上自衛隊、防衛医大病院、薫風会山田病院などを経て、2018年都内で開業。専門は仕事のうつ、大人の発達障害。といいつつ、「なんでも診る」ちょっと変人よりの町医者です。
趣味は少年ジャンプとお笑い。キャンプやスキーに行きたいです。2020年6月5日より断酒継続中。
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