自分はダメなやつだ、だから〇〇すべきなんだ。を解説します
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- เผยแพร่เมื่อ 16 ก.ค. 2024
- 00:00 OP
00:54 脳の中で起きていること
04:37 ダメな奴だから「何とかするべき」
05:31 周りも巻き込む
06:54 治療
08:54 体験を伴う理解
本日は、自分はダメな奴なんだ、だから〇〇すべきなんだ、〇〇した方が良い、誰々も〇〇すべき、そういう「べき思考」が強い人、自分を否定するがあまり「べき思考」をしてしまう人、周りも巻き込んで否定しやすい人の特徴を解説してみようと思います。
色々な原因が考えられるので今回のパターンが全てではありませんが、代表的な例なので皆さんにも知ってもらえたらと思います。
■脳の中で起こること
人間の脳の中でどういうことが起きるのかというと、まず何かの「出来事」があります。
ミスをした、怒られたなど、何かがあったときに脳の中の配線を通って、考え方とか行動が出てきます。
この脳の配線というのは人によって違います。
性格と呼ばれるものかもしれないし、考え方の癖と呼ばれるものかもしれません。
何でも良いのですが、何か出来事があった時に、その脳の配線を通して感情が出てくる。感情とか、考え方の癖が出てくる。
毎回毎回どんな出来事があっても、この配線を通してしまうと、「自分はダメなやつ」などと思ってしまいますし、不安になったり、自分を責めてうつっぽくなるパターンの人がいます。
どんな出来事があっても、楽しいことがあっても、褒められても、全部自分のことを否定してしまうパターンの人がいます。
この脳の配線、考え方は何で決まるかというと、遺伝子とこれまでの記憶や学習で決まります。
生まれ持った設計図(遺伝子)とこれまでの経験、環境だったり、そういうもので決まります。
主に親の教えが多いです。
親から「あんたはダメな子」と言われて育つ、いじめを受ける、親から教育的な虐待を受ける、ネグレクト、何でも良いのですが、否定的に育つとそれが刷り込まれてしまいます。
最初にこういう教えで自分のことをダメな奴なんだと思って配線が出来上がると、何があっても、出来事があると「自分はダメな奴」と考えます。
一回こういうループに入ると、どんどん強化されてしまいます。
「新雪の丘」とよく僕は動画の中で例えているのですが、雪の積もった丘に最初にソリを走らせると跡が付きます。
「あんたはダメな子」みたいな跡がつくと、ソリが2台目、3台目と通るたびに、その溝は深くなっていきます。
そうすると、もう毎回このルートを通ってしまいます。
最後の方は、同じような深く掘った溝に沿って滑るようになってしまうので、この配線が固定化されやすいということです。
脳は何か出来事があってから初めて考えるのではありません。
その前から考えています。
目を閉じても、情報が入ってなくても、頭の中で動いていますよね。
夢を見ている時も、寝ている時は何も情報が入っていないはずなのに何か考えています。
だから「自分はダメな奴」と常に考えていたりします。ぐるぐる思考でずっと考えてしまう。
考えれば考えるほど配線は濃くなるし、そうすると何かあっても歪んで見えます。
最初から先入観で「自分はダメな奴」と思って何か出来事に遭遇したり、話を聞いたりするので歪んで見えてしまう。
褒められていても「この人嫌味を言ってるんじゃないの?」「お前はダメな奴って言ってるんじゃないの?」と改ざんされてしまいます。
それでますます自分のことをダメな奴と思ってしまう。
■ダメな奴だから「何とかするべき」
自分はダメな奴だと思うからこそ、「何とかすべきなんだ」と思ってしまうのです。
ダメな奴なんだから、ちゃんとしなきゃダメなんだ、〇〇すべきなんだ、と。
柔軟性がないのです。
何をやっても褒められたりうまくいっていたら、「○○すべき」とは思わないです。
適当にやればいいじゃん、何をやってもいいでしょみたいな感じになります。サッカーのすごく上手いフォワードみたいな、ブラジル出身のフォワードみたいに「別に入ればいいんでしょ」と、きちんとしたフォームで打たなくても、ヘディングで入れてもいいし、場合によっては押し込んでも良いわけです。
体勢を崩してでも「シュートが入れば良いんでしょ?」となるのですが、成功体験が少ないし、自分はダメだと思うから、シュートも「ちゃんと打たなきゃダメだ」とべき思考になってしまうということです。
■周りも巻き込む
そして周りも巻き込んでしまいます。
自分のことを否定するあまり、「お前もちゃんとしろ」とべき思考に巻き込んでしまうことがよくあります。
なんとかすべきだと思うから、ますます手が出なくなってしまいます。
ハードルを自分で上げてしまっています。
誰からもそんなにきちんとしろと言われていないのに、自分でやってしまう。
最初は親かもしれません。
親が、ちゃんとしなさい、宿題は全部しなきゃいけない、などと課すわけです。
それがだんだん習慣になってしまう。自分の中で脳に固定されてしまい、自分で自分の首を絞めてしまう。
中学生や高校生になったときに、親がこれはまずいと思って、「いや、そんなに頑張らなくていいんだよ」と言ってももう元には戻れない。
自分で「親はこう言ってるけど、やっぱりこうすべきなんだ」と潔癖になってしまうことはあるなと思います。
すごく自分を責めてしまっています。
「べき」を満たしている時だけ、このダメな奴ということから解放される、というのがあります。
これがべき思考の正体だったりします。
■治療
臨床的にはどうやって治療するかというと、うつや病気が原因でそういう思考になっているのであれば、抗うつ薬などで治すのですが、刷り込まれている場合は薬だけでは治りません。
だからカウンセリング的な治療がすごく重要です。
日本語で最初に育つと、10代のうちにアメリカに渡ってそこから50歳ぐらいまで40年くらい英語で喋っていても、やはり母国語は日本語であるように、最初に「あんたはダメな子」が染み付いてしまうとなかなか大人になっても抜けなかったりします。
この記憶の上にくっつけてあげなければいけません。
これは結構難しいです。
「あんたはダメな子」と思うけれど、やっぱり自分はそんなことないんだと。このセットで付けることをまずやります。
でも頭で理解しても、やはりふとした瞬間に「自分はダメな奴」に戻ってしまうことがあります。
この話をして、ダメな奴ではないんだと理解して成功体験を積めると、出来事があっても成功体験がどんどん重なれば、うまい方に逃げていく、変わっていけるということもありますが、本当に成功できるかというとなかなかできません。
現実はそんなに甘くないです。
成功がなかなかつかめない人がいるわけです。
そうすると、ますます「やっぱりそうじゃないか」と強化してしまいます。
知識をつけても強化してしまって、なかなか壁を乗り越えられないということがあったりします。
ですが、壁を乗り越えることができないかというと、そういうことはなくて、壁は乗り越えられます。
そういうものを「ワークスルー」と言ったりします。
■体験を伴う理解
僕は色々な言い方で患者さんに説明しますが、どうやったらその壁は乗り越えられるかというと、例えば哲学的な発見に似ています。
当たり前のことにふと気づく瞬間、抽象的で難解なことを肌感覚で理解できる瞬間はやはり人間にはあって、そういうものに似ています。
あとはコペルニクス的な発見と言ったりします。
昔は天動説だったんですよ。
人類は天動説を信じていました。地球は動かずに太陽とか周りが動いていると思っていた。
それがコペルニクスの発見をきっかけに、地動説に切り替わりました。
太陽の周りを地球が動いているということを発見するというか、人類を理解するになります。
そういう発想の逆転も必要だったりします。
こういうものを持って知的にこの壁を乗り越えてあげるという作業が必要になります。
知的と言ったのですが、知的以上のものですね。
「体験を伴う理解」というものが必要で、頭でも理解するし、感情でも理解する。
主治医との関係でも良いし、ふとしたきっかけに何かを理解するということを起こすというのが臨床の醍醐味ですね。
だから患者さんはいろいろなことを考えるし、いろいろなことを感じています。
それは、時に主治医を憎むこともあります。
でもその憎しみさえ治療に活かさなくてはいけません。
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早稲田メンタルクリニック院長 益田裕介
【自己紹介】
益田裕介
防衛医大卒。陸上自衛隊、防衛医大病院、薫風会山田病院などを経て、2018年都内で開業。専門は仕事のうつ、大人の発達障害。といいつつ、「なんでも診る」ちょっと変人よりの町医者です。
趣味は少年ジャンプとお笑い。キャンプやスキーに行きたいです。
2020年6月5日より断酒継続中。
【参考】
厚労省みんなのメンタルヘルス www.mhlw.go.jp/kokoro/
カプラン 臨床精神医学テキスト第3 www.medsi.co.jp/products/deta...
倫理規定について note.com/mentalyoutubers/n/nb...
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