『はじめの一歩』(1969)日本語字幕 "Анхны алхам" 1969

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  • เผยแพร่เมื่อ 19 ต.ค. 2024
  • 『はじめの一歩』(1969年モンゴルキノ作品)
    監督 G.ジグジドスレン
    脚本 Ch.ゴンボ
    撮影 L.シャラブドルジ
    美術 Ch.ヒシグダライ
    音楽 L.ムルドルジ
    ミャダグ B.ツェツェグバルジド
    バザル  S.ツェレンダシ
    バルダン N.ツェグメド
    ドルジ  D.ドンドグ
    ボルド  Ch.フルレー
    プレブ  Ts.ガントゥムル
    ジュグデル Yo.シャラブドー
    ラブダン S.バルダンプレブ
    [あらすじ]
     農業技師の実習のため、地方の協同組合の草刈り場にやってきた大学生ミャダグ。突然やってきた都会育ちの彼女に、根っからの牧民である老人たちの対応は冷たい。草はらの中に見つけたひばりの卵に、自分の姿を重ね合わせ、彼女は無事雛が孵り巣から飛び立つことを祈る。
     ミャダグの苛立ちをよそに、老人たちはなかなか仕事を始めようとしない。草刈りを始める時はとっくに来ているのだ。だが、彼女にも彼らの仕事ぶりが分かってくる。バルダン老人を見習い、自分も草地の植生の分布を調べはじめる。
     老人たちの仕事は順調に見えたが、あいにくの雨。作業の遅れを取り戻すため、ミャダグの提案したアイディアを彼らは採用することにする。そこへやって来た組合の農業技師プレブは、ミャダグの考案した草集めの装置を見てケチをつける。新しい装置の使用には組合の承認がいるというのだ。老人たちは彼の官僚主義的な態度に腹を立てる。
     雨で増水した川を泳ぎ渡り、馬群を連れ戻すミャダグ。草刈り馬車から落ちても手綱を放そうとしないミャダグ。老人たちは彼女のそんな気丈さ、ひたむきさに次第に彼女を評価して行く。
     ミャダグの帰る日、ひばりの雛たちは無事巣立っていた。別れを惜しむささやかな宴で、彼女は老人たちに自分の作った草刈り場の植生分布図を渡す。
     ミャダグを乗せた馬車が草原を行く。秋はすっかり深まり、白鳥たちもまた南の国へと旅立とうとしていた。
    [解説]
     監督G.ジグジドスレンの第一作であり代表作でもある作品。脚本はドキュメンタリー映画の監督としても有名なCh.ゴンボ。彼は『モーターの音』『伴侶』でも脚本を担当しているが、この映画が脚本第一作である。また主演のツェツェグバルジドも初めての映画出演と、まさにスタッフたちにとっても『最初の一歩』の作品であった。それを老練の俳優たちがよく支えている。さらに付け加えると、この映画はモンゴル映画史の中で抒情的な作品第一号と位置づけられている。
     モンゴルでは「ナーダムを過ぎれば秋」という。7月の半ばから、冬への準備の草を刈る作業が始まるのだ。その現場でミャダグと老人たちの考え方や感情がぶつかり合う。目を引くのは、彼らがそれぞれ信念を持ちながらも、相手の意見を取り入れる点だ。老人たちは、頑迷な人間ではなく、進取の気性も持つ人間として描かれている。それに対して、プレブに代表される牧畜協同組合幹部は、ことなかれ主義で人の創意を押し殺す存在として描かれる。ミャダグと老人たちとの対立の構図は、都市の若いインテリと現場の牧民との連帯、マンネリ化した地方幹部への批判という構図に置き換えられていくのである。
     もちろん、こうした描き方が出来るようになったのは、社会主義と協同組合制度がすでに成熟期を迎えていたからであろう。同時に、制度は変わっても牧畜を支えていたのは昔ながらの牧民たちであったことも想像させる。
    (上村明)

ความคิดเห็น • 6

  • @tngri2003
    @tngri2003  ปีที่แล้ว

    バザル バルダンよ、シャツがないぞ、おかしいな。
    バルダン わしんのもない。こりゃ、不思議なこった。
      シャツはどこいったんだ?
    ミャ おはようございます。
    ドルジ おはよう。
    ミャ ドルジさん、この花、何て言う花?
    ドルジ わしは知らん。あの人から聞きなさい。
    ミャ この花、モンゴル語で何て言うの?バザルさん。
    バザル サルガズって言うんだ。
    ミャ こうしているうち雨が降ってきたらどうするの?
    ドルジ 降らんよ。降らんとうちの晴雨計が言っとるんだ。
    ミャ 誰が?
    ドルジ ほら、あそこにいる...

      心配するな。一度始めたらあいつらあっという間に片づけてしまうさ。
    ミャ 雨が降るって、どうして分かるの?バルダンさん。
    バルダン 天気が悪くなりだすと、決まってここが痛むんじゃ。
      それ以上、どうして、どういう訳かは分からん。
    ラブダン まだまだだ。もっと車輪を回転させて、よくめりこまさせるんだ。
      さあ、これでいい。それじゃ、彼女に会いに行くとするか。
      今ごろ、一人でいるなんてことないだろうな。
    ラブダン こんちわ。バザルじいさん。
    バザル 若いの、また何を忘れたんだ?
    ラブダン トラクターが故障してエンジンがかからないんだ。
    バザル ほかの口実は思いつかなかったのか。仕事中にふらふらしおって。
      勤務時間中だろうが。
    ラブダン 俺達はやることはやっているさ。
    バザル お前たちが何やっているんだ?機械がやってるくせに。
    ラブダン 手がまでも刈れるさ、俺達には若さがあるんだから。
    バザル 手がまで刈るだと?わしなら目隠しても草一本残さんぞ。
    ラブダン 10歩も歩けば、息が切れてくたばってしまうさ。
    バザル やってみるか?ミャダグ、手ぬぐい持ってこい。
    ミャ バザルさん!バザルさん!やめて。
    バルダン 草がよく生えている東の高台から刈りはじめよう。
    バザル そうしよう。
    ミャ どうして?草場の真ん中から始めないの?
    バルダン 草の養分が早くなくなるところから刈りはじめるもんじゃよ。
    ミャ 草の養分が始めになくなるところですって?
    バルダン そうじゃ。それとどんな草が生えておるか見るんじゃ。
      わしゃ学問はないが、草のことはちっとは知っとる。
    ミャ それもそうかもしれないわ。
      でも草にビタミンのある時期が終わってしまうわ、バルダンさん。
    バザル ビタミン、ビタミンって。牛たちに何の違いがある?
    ジュグデル あの2人にビタミン、ビタミンって言っても分かりっこないよ。
    バザル ミャダグ、馬の足かせ持ってこい。
    ミャ ええ。
    バルダン 草刈りの真っ最中に3日も雨が降れば仕事は上がったりじゃ。
    ドルジ バザルじいさんの魔法というのも信じられなくなったな。
    ジュグデル バザルだって?ちょっと、どこかつかえていたんじゃろ。
      誰が天気に言うことを聞かせられるというんじゃ。
    バルダン お前が200%どうのこうのと集会で偉そうに約束するからだ。
    ドルジ まったく、来たらすぐ草刈りを始めりゃよかった。
    バルダン 過ぎたことを他人になすりつけあうのは、みっともないぞ。
      すぐに晴れるさ。
    ドルジ あんたら2人とも当たることより外れることの方が多くなったわい。
    バザル これが家畜だったら、屠殺されて冬の食料にされるところだな。
    バルダン 約束するのはお前で、仕事をやらされるのはわしらだろうさ。
    ジュグデル 誉められる時は、わしをのぞいたみんなが誉められるんだ。
    ミャダグ わたしに考えがあるわ。
    バルダン ミャダグ!上だ!上だ!さがれ!
      上だ!上だ!

      走るんだ!
      ミャダグ!
    バルダン おい、大丈夫か?
    ミャダグ 大丈夫よ。
    バルダン おや、何で笑っているんだ?
    ミャダグ 大丈夫よ、バルダンさん。
    バルダン 何が大丈夫だ。
      お前たち、人生というもんが分かっとらん。
      命を大事にしろ。こんな若いのに、 死んだらおしまいじゃ。
    ドルジ ほーい、はーい。
      もっとたたけ。
      たたくんだ。
      どうして動かない。
      ほーい、はーい。
    ドルジ あのミャダグ、トラクターでもボルドーに負けないぞ。
    バザル 運転できるみたいだな。
      こんなことのために5年間も机に向かってるんだからな。
    バザル ほい、娘っこ、これは何という花だ?
    ミャダグ 知ってるわよ。教えてくれたじゃない。
    バザル ほら、これは。
    ミャダグ エーデルワイスよ。
    バザル 何だって、違う。ウール・ウブフンてんだ。
    ミャダグ そうよ。ツァガーン・オールとも言うんでしょ。
      あの「不死永遠のしるし、
      ツァガーン・オールの花に」という花でしょ。
    ボルドー これがあの花か。
    バザル 神様仏様。そのとおりだ。乾燥させればいつまでも元のままだからな。
    ミャダグ いろんな花の名前を教えてもらったわね。
    バザル いや、花のことはどうでもいいわい。トラクターを早く動かしてくれ。
    ミャダグ そうね。がんばってみるわ。
      さあ、ボルドー、2人して早く修理してしまいましょう。
      トラクターを直して、草を小さな山にしないで、
      直接積み上げたら、仕事がはかどるわ。
      なにしろ、時間がないんだから。

  • @tngri2003
    @tngri2003  ปีที่แล้ว

    プレブ ほら、これがうちの機械化生産大隊だよ。
      ここだったら近代的な作業を見られたのに。
    ミャダグ 私が見なきゃならないのは、馬力生産大隊の作業の方よ。
    プレブ あそこは、ここに比べたら中世だよ。
    プレブ さあ、降りて。あそこに見えるテントだ。みんなは今留守だろう。
      農業技師として派遣されてきましたと言うんだ。
      僕が後でよく紹介してやるよ。
    ミャダグ どうもありがとう。さようなら、プレブさん。
    プレブ さようなら。
    ミャダグ こんにちは、おじいさん。
    ジュグデル こんちわ、娘さん。
    ミャダグ 馬力生産大隊ですか?
    ジュグデル そうだとも。
    ミャダグ こんなに早く作業に出るんですか?
    ジュグデル もちろんだとも。もっと早く出る日もあるさ。
    ミャダグ えー?
    ジュグデル 何と言うんじゃい名前は?娘さん。
    ミャダグ ミャダグです。
      この生産大隊に農業技師として派遣されました。
    ジュグデル 何、農業技師だって?
    ミャダグ 草の生育の良いところだわ。今がちょうど草の刈り時ね。
    バルダン あれはどういう娘だ?
    ジュグデル 町から来たんだろう。
    ミャダグ 皆さん、こんにちは。
    老人たち こんにちわ。
    ドルジ 娘さん、長くいるのかね?
    ミャダグ 私、大学生です。この生産大隊に草刈りの実習に来ました。
    バザル ほー、実習だって。
      わしらに何か教えるつもりか?それとも教わるつもりか?
    ジュグデル きっと教えるほうじゃろ。
    ミャダグ すいません。
    ドルジ それで、何になる自習だい?
    ミャダグ 農業技師です。
    バザル 農業技師だって?人工受精するやつか?それとも草のやつか?
    ドルジ ほれ、うちのプレブみたいに。
    バザル 見たところ、暇な商売らしいな。
    ミャダグ 農業技師はすばらしい職業です。
    バルダン やってみれば、なかなかいいかも知れんな。
      誰でも出来そうな、楽でうまい仕事といったところじゃろ。
    バザル きついのが出来たわい。神様仏様。
    バルダン まったくたまらんわい。
      そうじゃ、今日は素晴らしい牡鹿に出会ったんじゃが、
      少し追いかけて逃げられてしまったわい。
      そう遠くへは行っておらんじゃろ。
    ジュグデル 郡で変わったことはあるかい?
    バザル 草刈りの仕事は進んでいるか?と。
      プレブが首都からすぐに記者が来るから、
      仕事を始めていてくれ、と。
    ミャダグ プレブという人は農業技師よね。
    バルダン そんなところじゃ。おとなしくて、人に悪さはせん男じゃ。
    ドルジ あいつ、本部にいるのか?
    バザル 知らん、書類の山に埋もれてたよ。
    男   プレブさん、人の肩をたたいて、
      君頼りにしているよ、じいさんどうか頼みますって腰が低い人さ。
    バルダン 娘さん、草刈りに来るなら、長靴ぐらい履いてきたらどうだい?
      うちのプレブを見てると、農業技師と言うのは
      あまり必要なさそうな仕事じゃな。
    男   俺達以外の人間がいる前でもそんな事が言えるかい、バルダンじいさん。
    バルダン わしぁ、いつ、どこで、誰に何を言うか、
      自分自身でちゃんと分かっておる。
    ドルジ 誰だ?
    ジュグデル ラブダンらしい。
    ラブダン やあ、皆さんこんにちわ。
    老人たち こんちわ。
    ラブダン お宝の入っているかばんは、やっぱり重いや。
    バルダン 帰りに薪をうちの前まで運んでいってくれ。
    ラブダン 帰らないよ、ゴンボんちの引越しに行くんだ。
    バルダン 組合が発展するとは、素晴らしいことじゃ。
      引越しまでトラクターでやってくれるんだからな。
    ラブダン あんたんところの薪を運ぶのもいっしょじゃないか。
      君、うちの生産大隊に来ないか?
      若者ばかりだし、機械化されている。
    ミャダグ ありがとう。でもここで大丈夫よ。
    ミャダグ ドルジさん、私にすることない?
    ドルジ そうだな、ちょっとしたらジュグデルじいさんと食事の用意をしてくれ。
      その後は読書なり書き物なり自分のことをしたらいいさ。
    ミャダグ あなた、ここの長でしょう。
    ドルジ 何だって?
    ミャダグ あの人たち、どこに行こうとしてるの?
    ドルジ あれか?
    ミャダグ そうよ。
    ドルジ あの北に向かうじいさんはバルダンと言ってな、
      山に狩りに行くところだ。
      むかしは腕のいい猟師だったが、今は目を悪くして、
      狩り好きと自慢話だけが元のままさ。
      一緒に行くのはボルドと言って、口数の少ない、いい子だよ。
      あの南に行くのはブリアート・バザルと言う。
      可愛い孫のところに行って、ついでにハンダから酒でもねだるつもりだ。
      ハンダというのはかみさんさ。
    ミャダグ ここは最優秀生産大隊と聞いてたけど、
    ドルジ それがどうした?
    ミャダグ こんな仕事ぶりなの?
    ドルジ わしら何人か気の合った年寄りだ。
      いく日か一気に仕事すれば済むのさ。
      ノルマの150%を下回ったことはない。
    ミャダグ もう草刈りを始める時だわ。

  • @tngri2003
    @tngri2003  ปีที่แล้ว

    バザル うちらの娘はまったくすごいもんだ。
    バルダン まったくまったく。人間、年の若さは関係ないもんじゃ。
    プレブ あんたらときたら、あんな子娘に引きずり回されて。
    年寄りは年寄りらしく軽はずみなことはしない方がいい。
    ドルジ お前さん、どういうつもりだ?
    何もしない人間が何かしている人間をとやかく言うことはないだろう。
    プレブ 僕はみんなに悪いことはしてないだろう。
    ドルジ いいことをしたこともないじゃないか。
    あんた、ここに来てから何年かのあいだ何をした。あの娘は何日も
    たたないうちに何をしたか。
    みんなを助けるのが仕事のくせに。
    農業技師がなぜ必要か、今になってちっとは分かったよ。
    プレブ どうしたって?ははあ、そういう事か。
    ミャダグ  私あなたに相談したいことがあるの。
    プレブ 僕に分かるかな。外回りで飛び回っているうちに
    すっかり時代遅れになってしまった。
    みんなも良く言わないらしい。
    ミャダグ あなたのことは、現場を良く知っている、いい人だと言ってるわよ。
    プレブ  まあ、それはそれとして、君僕に何を聞こうというんだい?
    ミャダグ この草刈り場を草の種類によって区分別けできると思うの。
    草それぞれ花の咲く時期は異なるわ。
    実の熟す時期を調べて、この区画は7月15日から8月1日まで
    1日から20日までは川沿いの区画というように別けられると思うの。
    プレブ まあそれはそれとして、帰ったらこんなことをやりましたって、
    先生たちに見せるんだろ。僕が添え書きしてあげよう。
    ミャダグ あなたって、なんて奇妙な人なの?
    プレブ  おや、どうして怒るんだい?
    もちろん君の案はいい案さ。
    しかし実行するのは。
    ミャダグ ここの老人たちが自分でやっていることなのよ。
    プレブ  ミャダグ、暴れ馬は自分で自分を苦しめるっていうのを知ってるだろう。
    ミャダグ でも、おとなし過ぎる馬は他人を苦しませるわよ。
    プレブ  大丈夫、実生活でいろんな事が分かるさ。
    ミャダグ 学んだ知識を実生活に応用できないで、
    おべっかっを使って、いい人ねと言われているうち、
    それだけが取り柄になってしまうわよ。
    プレブ 君、冬は寒さに凍え夏は日に焦がされている僕らを
    侮辱する権利がどこにあるんだ?
    ミャダグ あなた大学を卒業してから何をしたの?
    赤いオートバイに乗っている、ただそれだけの人間に
    なってしまったんじゃない。
    自分の専門も技術も省みないで、
    ただその日その日を送ってるんでしょ。
    プレブ おおそうかい。そういう事か。
    バザル ほら、その茶碗。
    ジュグデル たきぎを。
    バルダン 200%とは。
    お前、旧正月には来ることができるかい?
    ミャダグ そうねえ。
    バルダン 帽子を。
    これをおたべ。さあ取るんだ。
    ドルジ わしらのミャダグが優秀な成績で大学を卒業できるように、
    みんなで乾杯しよう。
    老人たち その通りだ、その通り。
    バルダン お前、都会(まち)に帰ったら、
    わしら性根の悪い年寄りたちのこと
    忘れてしまわんじゃろな。
    ミャダグ どうしてよ。神様仏様。
    ドルジ  ミャダグは、わしらから、悪い言葉をいくつか覚えて、
     帰ることになりそうだな。
    ミャダグ どうしてよ。私みんなの恩は決して忘れないわ。
    みんなもこのこと忘れないでね。
    これ、この夏の私の成果よ。
    バルダン いつこしらえたんだ。
    バザル  うまく描いたもんだ。
    ドルジ  わしら年寄りたちを指揮するようになったわい。
    バルダン どれ、わしはこれを包もう。
    ドルジ これおたべ。
    ジュグデル ほら、馬乳酒だ。
    バルダン さあ、これは帰る道中食べるんだ。
    ミャダグ ありがとう。
    ジュグデル 手紙を書いておくれ。
    バザル さあ、農業技師の娘っこ、酒の評判は悪いが、
    食べ物飲み物の最上のものだ。お前、これを
    おやじさんにやれ。
    老人たち さようなら。元気で帰るんだぞ。
    バルダン さようなら。元気でな。
    卒業したらうちの組合に働きに来てくれ。
    ミャダグ 来るわ。きっと。さようなら。
    ジュグデル この子とけんかして話すうち、すっかり仲良くなってしまった。
    バザル こんな若者たちとなら、いっしょに
    あの社会主義とやらも作ることができそうだわい。神様仏様。
    歌『白鳥のひな鳥』
    小さな羽根が生えそろい
    ひなは遠くを目指し飛び立った
    汚れなき人生のたった一度の出会いに
    最上の愛であなたに親しんだ
    幾千里の長き道程に
    生まれ故郷の情、心離れず
    真実の人生の道程に
    心に決めた思い、いや強まる
    この世が広く大きいと
    白鳥の雛はつゆ知らず
    愛するあなたに出会えると
    二十歳のわたしはつゆ思わず
    (完)

  • @tngri2003
    @tngri2003  ปีที่แล้ว

    ミャダグ 親鳥は何も知らなかったのね。道端に巣を作ってしまうなんて。
     何も知らずに、すべてが思い通りになると信じていた私の心のよう。
     でも、やってみるしかないわ。
    ミャダグ 今草刈りを始めないと間に合わないわ。
     ドルジさん、今日はみんな仕事を始めるんでしょうね。
    ドルジ  馬を全部連れてこい。今日はみんな仕事だ。
    バルダン こりゃ、どういう事だ。まだ生え揃わんうちに刈るんか?
    ドルジ  どういう事も。この子が草刈りを始めろって言っているんだよ。
    バルダン わしらは、こーんな時分から草刈りをして来たんじゃ。
     お前も知っとるじゃろ。
     いつ草場に出て、どう草刈りをするか、指図される覚えはない。 急ぐことなどない。草の伸びるのを待つんじゃ。
    バザル  わしら、200トンのノルマを引き受けたんじゃ。
     180トンだけ刈って、おまけに乾いてもなかったら、
     組合のお偉方、わしらをもうろくしたと思うわ。
    ドルジ  あの娘が...
    バザル  あの娘がどうした。
    バルダン 後でしまったと思うぞ。あの娘が責任持つのか?
    ドルジ  わしが責任持つ。
    バルダン 草が伸びきっていない。まだ早い。
    ミャダグ 早く刈るのは、科学が教えているわ。
    バルダン その科学というやつは、このバルダンじいさんや蓬の葉っぱには
     有り難すぎるってものさ。
    バザル  ほい、娘っこ。これは何と言う花だ?
    ミャダグ ガラニウム・パラテンジー
    バザル  何だって?モンゴル語で名前はないのか?
    ミャダグ モンゴル語で?ドゥンデグ・ガラブかしら。
    バザル  違う。ミャグマンサンジと言うのさ。昔ものがなかった時代、
     これをお茶の代わりに飲んでいたんだ。薬にもなる花だ。
    ドルジ  バザルじいさん、こんな子供をいじめててどうするんだ。
     自然の中には、いく万も植物があるのに、
     それにみんな名前があるって言うのかい?
    バザル  農業技師だったら知ってて当たり前だろう。神様仏様。
     学校じゃ先生たちに愛され、ここじゃわしらに可愛がられると
     思ったら大間違いだ。
    ミャダグ 私たち、みんなひよっこね。馬に踏み潰されなかったら、
     羽根が生えて飛びたてるわ。そうなったら、もうこっちのものなのに。
    男  やあ、農業技師さん、ここの植物をまだ調べ終わらないのかい?
    ミャダグ それより、あなた、馬が草刈り場に入ってしまうじゃない。
    男  大丈夫だろうよ。
    バルダン 仕事に出る前にひと勝負だ。馬が来るにはまだ間があるさ。
    ジュグデル やあ、娘さん、コック長のわしは賭けをしてるんだ。
     勝ったら、わしら2人は休んで、こいつらはメシ抜きだ。
    ミャダグ ドルジさん、今日は草刈りに出ないの?
    ドルジ  心配はいらんさ。わしらはそのうち仕事に出る。
       草の露も乾いておらん。馬が来るまで何もしないでいるより。
    ミャダグ 時間はないし、人手も少ないわ。
    バザル  あんたという強い助っ人が来ているじゃないか。
    ミャダグ 笑い事じゃないわ。
     露があっても手で刈っていれば...
    バルダン 今時、手で刈るなんざあ、牛車でウサギを追いかけるようなもんじゃ。
    ミャダグ 露があっても、手で刈っても、刈るだけのことはあるわ。
    バルダン わしらは働く時は働く。休む時は休む。
     16個の的だって倒してみせる。
     その時が来たら見ておるんじゃ。
    ミャダグ まったく、風刺漫画になりそうな人たちだわ。
    バザル  何だって?
    記者  まだ仕事を始めてないじゃないか。
     老人たちがただ座っていたって何の絵にもならないよ。
    プレブ  馬が来るまで何もしないより、らくだを見ろって...
    老人たち ありゃ、どういう人間だ?
    プレブ  彼らは仕事にも、遊びにも長けているんだ。
     腕一本で何でもこなしてしまうんだ。
    記者  何を取材したらいいんだい?
    プレブ  何って、草刈り作業をさ。
    記者  シャガー遊びしているところを撮れっていうのか?
    プレブ  そうじゃないよ。みんなににっこりさせて
     上半身の写真を撮ったらいいじゃないか。
    ミャダグ この人たち、手がまで上手に草を刈るの。
     見ます?
    プレブ  そう、そのとおりだ。
    ミャダグ 手がまで草を刈っているところを撮ってくださらない?
     私も必要なの。
    記者  新聞には何て言ってのせるんだい?
    ミャダグ 露のある草を手がまで刈っているって書いたら?
    ドルジ  本当に風刺漫画のいい餌食だぞ。
    記者  白いシャツは持ってないんでしょうね?
    ジュグデル いや。
    記者  人の影に入って立つように。
     先頭の2人、こちらに歩いて来て。
     こっち、こっち。
     さあ、用意して。撮りますよ。
     用意して。撮りますよ。
     楽しそうにして。
     用意して。撮りますよ。
     もう1枚。

  • @tngri2003
    @tngri2003  ปีที่แล้ว

    ラブダン  おい、都会(まち)から女の子が来たんだ。
      俺に歌を教えてくれて、かなりいい感じだったよ。
    若者   トラクターが壊れたって、一日中いるつもりだったんだろう?
    ラブダン  本当にはまってしまったんだ。
    若者   ボルドーはどうしてる。
    ラブダン  あいつなんて、何度も髪を梳かして、じっと見つめるくらいが関の山さ。
    若者   ときどき、びっくりするほど大きなため息をつくんだ。
    ラブダン  おや、なくなっているぞ。ははあ、ボルドーの仕業だな。
      見てろ、痛い目にあわしてやるからな。
    ラブダン  トラクターに何かあったら俺の首がとぶんだぞ。
    老人たち  やめろ。やめるんだ。
    バルダン  あいつ、トラクターを持って行っちまった。
      あれどうやって引っ張ったらいいんじゃ。
    ドルジ   何か方法はあるさ。
    ドルジ   ハッジ、フーイ、ハッジ!
    プレブ   みなさん、こんにちわ。
    バザル   こんちわ。
    プレブ   草刈り作業の進み具合はいかがですか?
    バザル   まあまあだ、
    プレブ   あまってるフォークありますか?そいつを貸して。
    ジュグデル まったく、ひと山作ってもらいたい人だ。
    プレブ おや、あんたたち小さな山を作らずに何してるんだ?
    バザル わしら新しい案を実践しているんだ。見てな。
    プレブ あんたたち、全く勝手なことをしてるもんだ。
    バザル これ以上うまい方法がどこにあるんですかい。
    プレブ 誰がこしらえたんだ?
    バザル あれか?
    ボルドー  ミャダグが設計して、僕らが作ったのさ。
    プレブ 外部の人間にいろいろ勝手にやらせて。
    ドルジ わしらがみんなで話し合って試してるんだ。
    プレブ 組合長に、少なくとも私に知らせてもいいじゃないか?
    ドルジ わしらにそんな暇はない。あんたらいつも来るわけでなし。
    ボルドー おや、何がいけないんですか?技師さん。
    プレブ あれを実地に使ってよいという委員会の文書はどこにある。
    ドルジ 今まで実現した試しがあるかい?
      ボルドーがいろいろな提案をしたのに返事も来ない。
    プレブ あんたここの長だろう。
    ドルジ だからこそ。
    バザル 馬群はどうしたんだ。仕事に出る時間だぞ。
    バルダン あの若造、馬群をどこかへやってしまった。
    バルダン へー、川も泥で真っ赤になって流れてるぞ。
    バルダン 近くには何も見えん。
    バルダン 待てよ、馬たちあそこにいるらしいぞ。
    ドルジ また丸一日つぶれるということか。
    ジュグデル 今日の仕事はおじゃんになったわい。
      どうやって川を渡らせよう。
    バルダン ああ、時間が惜しい。時間が。
    バルダン おーい、どうするつもりだ。おーい。
    ミャダグ やったことのないことはみんな難しいもの。
      手がまの草刈りを覚えようと一日中がんばった。
      でも日射病にかかって一日寝込んでしまった。
      みんな親身になって看病してくれた。
      仕事もきちんとできる人たちだ。
      しかし私のことを今ひとつ評価してくれない。
      草刈り馬車に乗ってみたいのに、
      私には無理だって乗せてくれない。
    ドルジ ミャダグ、今日乗るなら乗ってみないか?
    ミャダグ ええ、今すぐ。
    バルダン さあ、十分まわったそ。もう降りるころだ。
    ドルジ そうだ、そうしな。また日射病になられても困る。
    ミャダグ お母さん!
    バルダン おーい、お前。
    バザル 手綱を放せ。手綱を放すんだ。
    ボルドー 手綱を放すんだ。手綱だ。手綱。
    バルダン 手綱を放せといっとるんだ。おーい、手綱だ。手綱を放せ。
    ボルドー ミャダグ、ミャダグ。
      バザルじいさん。
    バザル どれ、抱き上げろ。
    バザル 身体をゆすれ。ゆするんだ。
    ドルジ どうだ?
    バルダン 大丈夫だ。
      お前、動物は動物なんだ。訳も分からずに、
      お前を殺してしまうところだった。
    ドルジ 気丈な娘だ。手綱を放せといってるのに、放さないんだから。
    バルダン 出来れば自分の力で止めようとしたんだろう。
    バザル そんな人間だからこそものを覚えるんだ。
    バルダン おや、あの娘どこ行った?
    ドルイ 例の巣に行ったんだろう。

  • @tngri2003
    @tngri2003  ปีที่แล้ว

    バルダンの妻 こんにちわ。
    老人たち こんちわ。
    妻 あんたたちどうしてこん早く仕事切り上げたの?
    ドルジ 今日はうちの娘を殺すところだったんだ。
    妻 どんな娘さ?
    妻 娘って、いっしょに草刈りしているってこと?
    バザル いや、実習をしてるんだ。
    妻 そう、果実酒作ってもらって飲んでれば...
    バルダン 果実酒じゃない、実習だ。
    おまえにゃ分からんな。大学生なんだよ。
    妻 私を叱りつけてどうするの。はい、これを開けなさいよ。
    ミャダグ こんにちわ、おばさん。
    妻 こんにちわ。元気?
    おや、まあ、あんた。
    バルダン ドルリグのところの馬が驚いて駆けだして、
    この娘をもうちょっとで死なせてしまうところだった。
    妻 あんたたちなら他人様のこんな素晴らしい子供を殺しかねないわ。
    懲りてもまた懲りずに。どうしてこの子を乗せたのよ?
    ミャダグ いいえ、おばさん、私自分で。
    妻 あんたはいいのよ。手助けしようとしたんでしょ。
    どうしようもない屑たちね。また飲み歩いてるんでしょう。
    妻 あんた何歳?
    ミャダグ 20歳です。
    妻 いい人はいるの?
    バルダン この女たちときたら、そんなどうしようもないことばかり聞きおって。
    まだ小さいのに、なんで、いい人なんか。
    妻 おや、あんたと私は17でいっしょになったんじゃない。
    バルダン そんな時代は終わったんだよ。
    妻 本当にそうだわ。あの時代は終わって新しい時代が始まったのよね。
    今は昔と違うわ。でも私たちの時代も良かったわ。
    バルダン この頃長いこと来ないでどうしてたんだ?えー。
    妻 あんた私を待ってたでしょうよ。とくにこれをね。
    すわりなさい。
    ほらお食べなさい。
    お母さんが恋しい?
    あそこでひとりで何してたの?まさか、泣いてたんじゃないでしょうね。
    ドルジ あそこに鳥の雛がいるんだ。
    妻 どういう鳥のひななの、今いるなんて?
    ミャダグ ひばりのひなみたい。
    若者  ひばりだって?
    ミャダグ 先に孵ったのは、馬に踏み潰されたか、獣に食べられたかしたらしいわ。
    妻 なんてことでしょう。動物はみんな自分の子孫を残そうとするのね。
    子供 お姉ちゃん、ひばりの雛見せて。
    妻 子供のまんまの娘だわ。なんとまあ。
    ドルジ 郡で何か変わったことは?
    妻 うちの組合にトラクターが5台来たことかしら。
    ドルジ どんなのだ?キャタピラーの?
    妻 知らないわ。運転する人がいないそうよ。
    ドルジ それじゃ、本部に行ってみるか。
    トラクターが手に入るかも知れん。
    バルダン どうしたトラクターだ?
    ドルジ ほら、草刈り施設からもらったトラクターさ。
    何はともあれ、早く行ってみよう。
    バルダン うちのボルドーは、何だって、
    そんなに花を大事にするようになったんだ?えー。
    バザル ミャダグ、ほれ、あの色の褪せない花だよ。
    若者 ドルジさんが帰ってきた。お帰り、ドルジさん。
    ドルジ ただいま。どうしてた?
    ドルジ やあ、みんな元気だったか?
    バザル おかえり。
    バルダン 仕事の首尾は?
    ドルジ まあまあだ。トラクター1台もらったが、動かす人間がいないそうだ。
    バルダン それじゃ、今年はわしらの役には立たんということらしいな。
    ドルジ まったくそのとおりだ。ほら、これを見るんだ。
    わしらをえらく誉めちぎっているぞ。
    「谷間の窪地の草を手がまで刈っている」と書いてある。
    こんなに誉められたんだから今年いっぱいがんばらねば。
    ジュグデル わしら年寄り、ミャダグにしてやられおった。
    さあ見てな、これはバザル、バルダン、ボルド、ドルジ。
    わしの名前がないじゃないか。
    バルダン 何もやったことのない仕事でもなし。草刈りならやれるわい。
    バザル  老いぼれてもまだくたばるには早いわい。仕事を始めよう。
    ミャダグ ドルジさん。どうしてトラクター持ってこなかったの?
    ドルジ  運転する人間がいないんで置いてきたんだ。
    ミャダグ 私が運転できるでしょう。