佐藤先生のこの動画を見て、燃えよドラゴンのセリフを思い出しました。 「It’s like a finger pointing away to the moon. Don’t concentrate on the finger, or you will miss all the heavenly glory.」 訳すると「月を指さすようなものだ。指先にとらわれてはいけない。栄光を見逃してしまう。」 こんな感じなのですが、要は見るべきものを見なさいという事だと思うわけです。 この動画もガルやカインについての説明をされているわけですが、物理学の世界や地震工学の世界の話としてかぶさっている部分がどうしてもあるわけなので、難しく感じる事もあるのだと思いますが、もっと身近な事柄に置き換えると簡単な事だと思います。 車で話をすればもっと身近なものになると思います。 カインは速度と置き換えると、時速10kmと時速60km。衝突したら被害が大きいのはどちらですかと言えば、60kmと誰もが答える事でしょう。また、ガルは加速度と置き換えると、ゼロヨン、あるいはシグナルグランプリ、車やバイクを持った人は誰もが一度は行っていると思いますよ。ゼロからの加速を競う、信号で横にならんだ車やバイクと競争するなどは、若い頃、誰もが行ったことでしょう。これが加速度なのです。ドラッグ・レースはまさにそのものでしょうね。車体が軽くて、トルクの太い馬力のある車が有利な競争ですが、その分、運転技術が必要となる競技でもあります。加速してゆくと当然ながら速度も上がって行き、車のコントロールも困難になり、事故をすれば大きな事故になるわけです。これが破壊力なのですね。 これと地震の破壊のメカニズムはよく似ていると考えるとガルとカインに関しても理解できると思いますよ。 それよりも、佐藤先生がいつも言われている事が大変重要なのです。耐震強度を上げましょう、構造計算を正しくして、耐震等級であれば3を取った建物を建築しましょう。 この理由は、先ほどの車に置き換えるともっと分かりよくなると思います。 例えば、最近の車には、車載カメラが搭載されるようになってきました。防犯の意味だけではなく、運行中の安全の確保と事件・事故が起こった時の証拠にもなるわけです。 10年前の社会では考えられなかったことです。 また、今は当たり前ですが、エアーバックもそうです。 30年前の車には、エアバックが運転席以外にもつけられているなど考えも及びませんでした。 シートベルトもそうですよね。 車の車速性能は当時も今も実用的なレベルではまったく変わってはおりませんが、車が人を守るという観点においては大きく進歩しているわけです。 住宅建築も同じ事がいえるわけです。 今できる最良の事を今しなければならないということだけなのです。 地震対策に関して、最良と思われるのが耐震等級における最大レベルなのですから、それを実現することが肝心だという事だけなのです。 事が起こってからでは遅すぎるのですね。 この動画に関しても、言葉や題名にこだわっていてもダメなのです。 その裏側にある本音の部分に気がつき、何をすべきかを再認識するための動画だと私は思います。 「指先にこだわるのではない。その先にある栄光をつかみ取るのだ。」 これが佐藤先生が一貫して話されている事だと私は思っております。
いくつかの動画を拝見させていただいていたんですが、チャンネル登録を忘れていたので今日登録しました。
この動画を見て二点疑問に思ったことがありましたので、もし可能でしたらご教示いただけると幸いです。
1) 平屋と耐震等級
平屋は地震に強いというイメージがありますが、平屋なら耐震等級が低くてもよい、という考え方は間違っていますか。
2) 地盤と耐震等級
7:00あたりのスライドで、固い地盤の場合は「強度型」の耐震等級3が必要だということで、地盤が固い場合でも耐震等級3が望ましい、と受け取りましたが、正しい認識でしょうか。
よろしくお願いします。
コメントありがとうございます
チャンネル登録、ありがとうございます!
1)平屋は2階建てに比べ、地震で倒壊しにくいと言えますが、耐震性能が高いわけではありません
わかりにくいですが、地震被害は①地震で揺れる、②建物が損傷し傾く、そして③倒壊する、
こんな流れです
③に関しては、2階建ての2階の重さにより1階が倒壊するため、2階建てが倒壊しやすくなります
①、②は平屋も2階建ても一緒です
ということで、平屋建てでも耐震等級3は必要です
2)固い地盤でも耐震等級3が必要です
固い地盤は固有周期が短く、耐震等級3も固有周期が短いため共振しますが
振幅の小さい同士の強震は、大きく揺れないため問題なしです
逆に、強度が必要な固い地盤に耐震性能を低くすると、被害を受ける可能性ありです
話は戻りますが、固い地盤での強震を避ける方法として、壁倍率のない制振装置の設置が有効です
@@構造塾チャンネル木造住宅の お返事ありがとうございます。 よくわかりました。「壁倍率のない制振装置」なるほど、これが「【みんなの住宅研究所】推奨仕様リスト(構造)」に書かれていた話なんですね。 ありがとうございました。
どういたしまして
ガル?ガル?ガル?
久しぶりの動画だったので、振り返りの画像が出てようやく思い出しました!
世の中、数字のマジック多いですよね。
コメントありがとうございます
久しぶりの動画でした!!
最近、珍しく忙しいので、動画作成時間が取れませんでした
世の中、数字のマジック多いですよ・・・
消費者を混乱させていますよね
というか、多くの場合
誤情報として発信している人も、誤情報と認識していません・・・
1週間前にハウスメーカーの展示場に赴いたときに、阪神大震災は900ガル>耐震等級3は600ガルという事を知りました。
「ということは、耐震等級3の消防署は阪神大震災で壊れてしまうのですか?」と担当者様に質問してみたのですが、曖昧な答えのみでモヤモヤとしていました。
答えを探して右往左往していたのですが、本動画でようやく、そんな単純な話ではないという事が分かってスッキリしました。
ありがとうございました!
コメントありがとうございます
なんと、リアルタイムな内容でしたね!!
そう、耐震等級3は600ガルの営業トーク、よくあるんです・・・
困ったもんですよね
先日カインの件について要望させていただきましたが、取り上げていただきありがとうございます!
納得しながら聞けたので「高校物理ちゃんとやっててよかったなぁ」と思いました(笑)
変形しない物体の初等物理しかやってない身としては目からウロコでした・・・!
コメントありがとうございます
ようやく動画完成です!!
当初は、加速度ガルだけの解説と思ってのですが、
カインの話まで踏み込むことで、より深い内容になったと思います!!
ありがとうございます!!!
僕も高校物理を再勉強し行く中で
目からウロコの連続でした(笑)
佐藤先生のこの動画を見て、燃えよドラゴンのセリフを思い出しました。
「It’s like a finger pointing away to the moon. Don’t concentrate on the finger, or you will miss all the heavenly glory.」
訳すると「月を指さすようなものだ。指先にとらわれてはいけない。栄光を見逃してしまう。」
こんな感じなのですが、要は見るべきものを見なさいという事だと思うわけです。
この動画もガルやカインについての説明をされているわけですが、物理学の世界や地震工学の世界の話としてかぶさっている部分がどうしてもあるわけなので、難しく感じる事もあるのだと思いますが、もっと身近な事柄に置き換えると簡単な事だと思います。
車で話をすればもっと身近なものになると思います。
カインは速度と置き換えると、時速10kmと時速60km。衝突したら被害が大きいのはどちらですかと言えば、60kmと誰もが答える事でしょう。また、ガルは加速度と置き換えると、ゼロヨン、あるいはシグナルグランプリ、車やバイクを持った人は誰もが一度は行っていると思いますよ。ゼロからの加速を競う、信号で横にならんだ車やバイクと競争するなどは、若い頃、誰もが行ったことでしょう。これが加速度なのです。ドラッグ・レースはまさにそのものでしょうね。車体が軽くて、トルクの太い馬力のある車が有利な競争ですが、その分、運転技術が必要となる競技でもあります。加速してゆくと当然ながら速度も上がって行き、車のコントロールも困難になり、事故をすれば大きな事故になるわけです。これが破壊力なのですね。
これと地震の破壊のメカニズムはよく似ていると考えるとガルとカインに関しても理解できると思いますよ。
それよりも、佐藤先生がいつも言われている事が大変重要なのです。耐震強度を上げましょう、構造計算を正しくして、耐震等級であれば3を取った建物を建築しましょう。
この理由は、先ほどの車に置き換えるともっと分かりよくなると思います。
例えば、最近の車には、車載カメラが搭載されるようになってきました。防犯の意味だけではなく、運行中の安全の確保と事件・事故が起こった時の証拠にもなるわけです。
10年前の社会では考えられなかったことです。
また、今は当たり前ですが、エアーバックもそうです。
30年前の車には、エアバックが運転席以外にもつけられているなど考えも及びませんでした。
シートベルトもそうですよね。
車の車速性能は当時も今も実用的なレベルではまったく変わってはおりませんが、車が人を守るという観点においては大きく進歩しているわけです。
住宅建築も同じ事がいえるわけです。
今できる最良の事を今しなければならないということだけなのです。
地震対策に関して、最良と思われるのが耐震等級における最大レベルなのですから、それを実現することが肝心だという事だけなのです。
事が起こってからでは遅すぎるのですね。
この動画に関しても、言葉や題名にこだわっていてもダメなのです。
その裏側にある本音の部分に気がつき、何をすべきかを再認識するための動画だと私は思います。
「指先にこだわるのではない。その先にある栄光をつかみ取るのだ。」
これが佐藤先生が一貫して話されている事だと私は思っております。
コメントありがとうございます
加速度ガル、速度カイン、それによる衝撃力の話
まさに、車の例えがわかりやすいですよね!!
それにしても、ブルース・リーの言葉
かっこいいですね!!!
完全に物理学ですね。インチキ物理学がなぜか幅を利かす建築業界。前提が多いからわかりやすくした結果へんな方向になってんですかね。
コメントありがとうございます
地震力、地震ねネルギーなど完全に物理です・・・
中途半端に数値を比較することがよくあります
結果、消費者を惑わすことに繋がっています・・・
いつも動画拝見し、勉強させていただいております。
私も今までガル=震度と認識していました。
今回も大変勉強になりました。
ここで1点ご質問したいのですが、
地震の基準がガルでもカインでも震度でもないというお話でしたが、現在の耐震基準である、ごく稀地震(関東大震災クラス)の地震力は何に指すものなのか教えていただけると幸いです。
これからのご活躍も楽しみしております。
宜しくお願い致します。
コメントありがとうございます
地震の基準は一般的には震源のマグニチュードと場所ごとの震度です
建築で耐震設計する際は、
基本、加速度ガルで地震力の算定を行います
木造住宅だと、ガルでの地震力のみですが
大型の建物になると、カイン加え、建物の固有周期なども
考慮しているようです
質問のごく稀地震の基準は、今まで通り加速度のはずです
ガルの話とは違いすみませんが
ハウスメーカーで壁量計算で耐震等級3を実現と書いてありましたが、それは許容応力度計算で耐震等級3とは全く別と考えてよろしいですよね?
壁量計算で耐震等級3は許容応力度計算で表すとざっくり耐震等級2くらいかと、わかるものですか?
それも、ちゃんと計算を行わないと壁量計算の耐震等級3は許容応力度計算で耐震等級1になるとこもあり得ますか?
コメントありがとうございます
壁量計算で耐震等級3・・・不思議な言い方ですね・・・
最低基準の建築基準法施行令第46条壁量計算(仕様規定)であれば
それは耐震等級3ではなく、壁の量が1.5倍なだけですね
許容応力度計算で言えば、耐震等級1レベルの壁の量です
それでも、壁の量だけの話で、
水平構面、接合部、部材、基礎など
他の部分が耐震等級3として計算されていないと、
許容応力度計算の耐震等級1にも達していません・・・
車に例えて
アクセル開度orエンジンパワー=ガル
アクセル踏む時間=振幅距離
最終速度=地震力 で良いですか?
カインは何にあたるかわかりません。
地震力=カインと考えてもいいんですか?
それとも振幅距離=カインですか?
ガル=加速度はある程度理解できましたが、カインがわかりません。
地震力を表す単位は何になるんですか?
コメントありがとうございます
・アクセル開度orエンジンパワー=ガル →OKです
・アクセル踏む時間=振幅距離 →OKです→踏む時間で進む距離ですね
イメージとしてはこんな感じです
・最終速度=地震力 で良いですか? →これがカインです
加速度ガルの単位は(m/s2)←二乗
速度カインの単位は(m/s)
移動距離が振幅で単位は(m)
地震力は、「車の重量×アクセル開度orエンジンパワー」です
単位は(kN)
ここに、アクセルを踏み込む時間と進む距離(振幅)、
進む距離時点での速度(カイン)情報がないと
どれくらいのエネルギーなのか全くわかりません
ということなんです
ジェットコースターとか遊園地の乗り物の設計してますが、僕たちはgalは使わずにgかm/s^2ですねぇ
ちなみに国内では遊戯施設はどんだけでかかろうが工作物扱いです
コメントありがとうございます
なんと、ジェットコースターや遊園地の乗り物の設計ですか!
動的荷重や衝撃荷重など、設計が難しそうですね・・・
galってあまり使いませんよね・・・
g、m/s^2の方が馴染みがあると思います
驚いたのは、
あれだけデカイジェットコースターやお城も工作物とは!!
そもそものお話なのですが、このガル値の"最大"加速度というのは波形の上支点と下支点、つまり揺り返しの部分をゼロ点にしての数値ではないでしょうか?それとも左右の振り返し時をゼロではなく、つまり+波とー波のエネルギーのギャップとして計算した際の最大加速度も含めての最大加速度なのでしょうか?
つまり例えば加振台にGセンサーを置いて計測した場合、あらゆる加速度の揺れを加えても当然それぞれ一番Gが掛かるのは揺り返しの時、波形でいえば山頂と谷底の上下支点の部分です、加速度として見た場合にこの瞬間をそれぞれ0とするかどうかで全然違ってくると思うのです、キラーパルスが作用するのは左右どちらかに揺れてる時ではなくこの揺り返し部分においてですから。
コメントありがとうございます
おっしゃるとおり、上支点と下支点で速度はゼロになる考えです
よって、固有周期が長く振幅が大きくないと速度は上がらないため
加速度だけで語ってもさほど意味がないということです
(質疑の答えになっていますかね??)
(下田さんより僕のほうが理解度低いかもしれませんから)
追加事項として
キラーパルスは、1~2秒の固有周期のことで、
この振幅と時間の1/2だけ、速度は増します
キラーパルスによる最大速度と建物の質量、変形による運動エネルギー最大部分は
上支点と下支点の中間部分、
左右の揺れであれば、ちょうど中間地点(元の位置)となり
その先は、慣性力が働きます
なので、できるだけ建物を硬くする(剛性を上げる)ことで、変形させない
ここが重要です
と、どんどん難しくなるので、できるだけ簡略して話そうとしましたが
まだまだ話が長いので、後ほど超短縮簡略版を作成予定です
@@構造塾チャンネル木造住宅の詳しくご回答頂きありがとうございます。
やはりgalとはそういう単位なんですね、しっかり質問の答えになっております。
gal値は硬いRC造などのほうが重要な気がしますね、逆に重いので停まった状態から無理やり高加速度が加わると振幅が小さくてもクラックが入りそうなので...
超短縮版、楽しみにしております。
答えになっていて良かった!!!
RC、影響ありそうですね
再度、自分なりに頭を整理して
短縮版、作成します
動画更新お疲れ様です
良く理解しないままそんな単純計算で耐震等級3でも結局耐えられないよ意味ないよと言う人がいる事自体が驚きでした‥。
今までは自分の中では最大震度くらいしか比較する要素が無かったのですが、この動画をみて理解度がグッと深まりました。
佐藤さんのお話はいつも分かりやすくて素晴らしいと思います。
3月11日のセミナー頑張ってください!
本当はとても聞きたかったのですが日程的に厳しそうなので‥。
コメントありがとうございます
いるんです・・
ガルの数値だけで耐震等級3でも耐えられないという話をする人
いるんですよ・・・
3/11のセミナー、後日録画も見れるはずです!!
いつも返信ありがとうございます!
アーカイブ見れるんですね!
楽しみにしております、絶対見ます!笑
以前のセミナーだと、アーカイブありました
多分、見れると思います!
ハウスメーカーはガルでいうこと多いですよねー
コメントありがとうございます
ガルのセールストーク多いですよね・・・
数値の大小だけ語っても、さほど意味なしです
じっくりと見ました。Co=1.0が1000ガルとグレ-本からCo=0.2で適切に計算されているならば二次設計を満足してますと読んでました。つまりCo=0.2の5倍。等級3の時Co=0.2×1.5=0.3、二次設計は、勝手にCo=1.5と解釈してます。
少し行き過ぎかもしれませんが、それよりも変形量が大事だなと改めて痛感しているところであります。
構造計算にとって重量、強度、剛性、偏心どれもおろそかに出来ない項目であり制覇しないと成立しないのですね!
ガルが小さい所は、比較的地盤が弱く振幅が大きいので倒壊等被害が多く震度階は7になるの認識ですね。
コメントありがとうございます
木造の場合、弾塑性体で計算するので一次設計時点で二次設計も同時に考えます
勝手に塑性域の想定までする感じですね・・・
構造計算はOKになることだけに注目しがちですが、
おっしゃるように、全項目の意味を理解し、バランスを保つ必要があります
当然、施工性重要です
ガルが小さいところは、軟弱地盤で振幅大、そのような状況が多いですよ
建物の最強は核シェルターかトーチカです、一般人には無理なので壁式鉄筋コンクリート造を建てるのがBEST。
コメントありがとうございます
壁式RC造はかなり頑丈ですからね!!!
変形量が木造の桁違いに少ないですよね