武士道Bushido100(522)

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  • เผยแพร่เมื่อ 20 ต.ค. 2024
  • (522)武士道Bushido100「武士道ルネサンス」
    「 『宇宙の話』  野田祥代著   (草思社) より抜萃 No.8 」武士道ルネサンス
    COSMOS(黄花)
    ・「●水と空気と命のあたりまえ 1
    ○水
    人類で初めて宇宙に行ったガガーリン宇宙飛行士は、地球の美しい色や薄い大気の眺めについて語りました。その後の宇宙飛行士たちも、宇宙から見た地球の輝きや、水や空気の不思議、そこに暮らす生命の不思議を感じてきたようです。
    いっぽうで、私たちは水も空気も生命も日常生活であたりまえに目にしています。
    では実際のところ、これらはどれくらい『あたりまえ』で、どれくらい『あたりまえじゃない』のでしょうか。
    ○水のあたりまえ
    まず、水をみてみましょう。
    断水を経験すると、バケツなどに溜(た)めた水で、ちゃぷちゃぷと食事のしたくや片づけをし、トイレをちょろちょろと流したりして、ふだんどれほど水を贅沢(ぜいたく)に使っていたか痛感します。たった数時間の断水でも蛇口(じゃぐち)から水がジャーと出るのはなんとありがたいことかと、あらためて気づくものです。
    実は、水は宇宙空間にもたくさんあります。でも、ほとんどは氷なのです。ふだん私たちがあたりまえに使っている『液体の水』は、宇宙ではすごく珍しいようなのです。
    太陽系は中心に大きく重い太陽がデンとあって、そのまわりを8個の惑星がくるくるとまわっています。
    太陽から近いか遠いかで、8個の惑星の特徴はそれぞれ大きく違います。
    地球はごつごつした『岩の惑星』(岩石惑星がんせきわくせい)に分類されます。
    太陽に一番近いところをまわる水星と、2番目をまわる金星と、4番目で地球のひとつ外側をまわる火星は、地球と同じ『岩の惑星』です。
    火星の外側をまわる木星と土星は『ガスの惑星』です。
    さらに外側の天王星と海王星は『氷の惑星』です。
    岩の惑星の地球にたっぷり豊かな水があるように見えるのは、『液体の水が表面を覆(おお)っている』からです。
    表面を覆う液体の水、つまり海です。
    『水の惑星』ともいわれる地球の表面は、70%が海で覆われています。もし、海や山のデコボコをなくして地球の表面を平らにしたら、地球全体が水深2000m(2km)以上の海になるのだそうです。
    川や湖もたくさんあります。そもそも人間の体は60~70%が水分でできています。そんな私たちの文明は、川の近くなど、水のあるところで始まりました。人間にとって水は、生活するにも生物として生きるためにも、どうしても必要なものです。
    木星や土星の衛星の中には、地下に液体の水がありそうなものも見つかっています。
    でも、『表面に液体の水』があるのは、私たちが知るかぎり今のところ地球だけです。
    とすると、どうして地球は表面に液体の水をもっているのでしょうか。
    たとえば、地球のひとつ内側をまわる金星は、大きさも重さも地球と似ている双子のような惑星です。
    ところが、金星は灼熱(しゃくねつ)の惑星です。
    なにしろ表面の温度は400度を超えています。400度というと鉛(なまり)がドロドロに融(と)ける高温です。上空では時速400kmにもなる暴風が吹き荒れ、硫酸(りゅうさん)の雨が降りそそぎます。
    金星の分厚い大気は二酸化炭素です。気圧は90気圧。地球の海なら、90気圧は深海900mの水圧に相当します。人間の素潜(すもぐ)り(フリーダイビング)の世界記録は100m強だそうですから、それを大きく超える900mともなれば、私たちの鼻や喉(のど)、胸などは水圧でギュウとつぶれてしまうことでしょう。
    そんな金星の水はといえば、大昔に宇宙に逃げてしまったといわれます。
    金星のようにすぐとなりの惑星でも、環境は地球と大きく違っていることが感じられるのではないでしょうか。
    ○水はおもしろい
    考えてみると、水というのはおもしろい物質です。
    水を冷凍庫で0度以下にキンキンに冷やせば、氷(固体)になります。
    やかんや鍋でぐつぐつと100度に沸騰(ふっとう)させれば、水蒸気(すいじょうき)(気体)にもなります。
    つまり、水は、液体(水)にも固体(氷)にも気体(水蒸気)にもなることができる物質です。
    ただし、液体の水でいるためには、『1気圧なら0度から100度まで』という厳しい条件があります。でもこれまたおもしろいことに、地球で私たちが暮らす場所の多くは1気圧前後で、気温もだいたいこの条件をうまく満たしているのです。
    いっぽう、宇宙ではぜんぜん様子が違ってきます。
    宇宙空間は、ほぼマイナス270度の極寒(ごっかん)で、ほとんど空気がない真空(しんくう)です。液体の水は一気に凍(こお)ってしまいます。
    宇宙飛行士のラッセル・シュワイカート氏によると、宇宙船から見える最高にきれいな景色に、『キラキラ七色に輝く氷の粒』というのがあるそうです。七色の氷が輝きながら、はらはらと暗黒空間に散っていくのをイメージすると、幻想的(げんそうてき)で神々(こうごう)しい風景が頭に浮かんできませんか。
    七色の氷の正体は、船外に出された宇宙飛行士たちの『おしっこ』。
    液体は宇宙空間に出たとたんに凍りついて、たくさんの氷の粒になります。それが夕暮れどきには太陽の光を反射して、『信じがたいほど美しい』のだそうです。
    少しがっかりしたかもしれませんね。
    でも私は、それを知ってますます美しい風景だと思うようになりました。だって、生命のない暗黒の空間に、生命の証拠たる液体が解き放たれて、輝きながら宇宙の一部になっていくのです。もし宇宙空間に意識があって、私がその宇宙空間だとしたら、永遠の暗い時間の中で一瞬だけぱらぱらと七色に散る命の氷は、たとえようもなくロマンチックで麗(うるわ)しく見える気がするのです(ちょっとマニアックかもしれませんね)。
    さて、熱い金星や、宇宙空間の『おしっこ』。
    宇宙に目を向けてみると、気づくことがあります。
    地球の『水の惑星』の秘密は、温度と気圧のなんとも絶妙なバランスにありました。
    蛇口からジャーと水が出るのも、そもそもあなたの体が水分たっぷりな状態なのも、実はぜんぜんあたりまえではなく、宇宙では珍しい地球独特のハーモニーが支えていたのです。
    理科年表という自然科学のデータブックによると、地球上の水の総量は、約14億㎦。数字だけ見ると『たくさんありそう』くらいしかわかりませんが、このうち、たとえば私たちが使える水はどれくらいあるのでしょうか?
    調べてみると、全体の97%以上はどうやら海水のようです。
    ほとんどがしょっぱい水。しょっぱくない淡水(たんすい)は残りの3%弱で、地球上の水のほんのわずかです。さらにその3%の淡水のほとんどは、氷河(ひょうが)や、深いところにある地下水です。
    いろいろ差し引くと、地球全体の水のうち川や湖など私たちが利用できそうな水は、たった0.01%になってしまいます。
    『0.01%』は、ざっくりいうと、
    『家のお風呂にはった水が地球全体の水なら、私たちが手にできそうな水は、大さじ1杯くらい』
    ということです。
    今晩にでも、お風呂に大さじをもっていって1杯すくってみてください。
    私たちは、この本当にちょっとだけの量をみんなで分けるしかないのです。
    しかも『みんな』といっても、私たち人間だけではありませんね。」武士道ルネサンス

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