前代未聞の長崎刺繍 次の100年を紡ぐ職人技 嘉瀬照太さんの万屋町「鯨の潮吹き」船頭衣装
ฝัง
- เผยแพร่เมื่อ 26 พ.ย. 2024
- 4年ぶりとなる長崎市の諏訪神社の秋の大祭、長崎くんちの奉納。
今回すべての踊り馬場でトリをつとめる『鯨の潮吹き』万屋町は3着の船頭衣装を新調。
長崎くんちを次の100年へと導く前代未聞の長崎刺繍が今、清らかなうぶ声をあげています。準備は整いました。令和5年長崎くんち『万屋町』の船頭衣装、初お披露目の人だかりです。訪れた人:
「めちゃくちゃ可愛い」
「すごい…わー…すごい」
「すごいですよね。素晴らしいね」新調されたのは背中に一頭、垂れにもう一頭。
2頭の鯨を泳がせた新しい親船頭の衣装です。一頭で七浦潤う──命がけの鯨漁天高く潮をふくセミクジラ。銀細工に真珠を施した“特注の潮”が飛び出しています。『一頭で七浦潤う』と言われた命がけの鯨採りです。自然へのおそれ命への感謝金色(こんじき)の波がしぶきを上げおこぼれを狙う浜鳥が空を飛ぶ大海原の物語。万屋町が演じる、唐津呼子の古式捕鯨を描いています。手掛けたのは長崎刺繍職人、嘉勢照太さんです。長崎刺繍職人 嘉勢照太さん(71):
「昨日からバタバタ…ぎりぎりまでね。いやーやっとここまでこぎ着けましたけどね。まだ明日人数揃い…それでまた(トラブルが)出るか…」たった一人の職人に課せられた町の大プロジェクト万屋町 総監督 池上淳一さん:
「やっとお披露目ができてね。3年遅くなりましたけどね。実際に作られたのは嘉勢さんですけどね。うちの(義理の)父の遺品というか…」 21年前、今回 総監督を務めている池上さんの義理の父、樋口弘之さんが会長を務めていた頃、万屋町は嘉勢さんに町の威信をかけた“大プロジェクト”を依頼しました。『まちじるし』の傘鉾の垂れ──長崎刺繍『魚づくし』の新調です。150年間、ブンブンくるくる振り回し、手の施しようがなくなってしまった『刺繍の魚たちをよみがえらせて欲しい』万屋通り町会 元会長 樋口弘之 さん(2016年逝去):
「惜しいんですよ。これこのまま置いとくと。ぼちぼちでも(代金を)払っていってでも、何とかしてやり替えようという風な…ちょっと横着な感情ですけども。でも今やっとかんとですね」鯛だけで1年半 29匹の復元に丸11年嘉勢さん、この時50才。長崎刺繍職人 嘉勢照太さん(2003年):
「(職人の)気持ちが入っているというんでしょうかね。怖いくらい気持ちが入ってまして。せっかくのチャンス頂きましたから精一杯やるしかない」江戸時代に作られた万屋町の『魚』たちは絵師と縫師の合作でした。たった一人の職人になってしまった嘉勢さんは、江戸期の絵師と同じように生きた魚を触って下絵を描き、江戸期の縫師の糸を追いながら、一針一針、忠実に再現していきました。鯛だけで1年半。29匹で丸11年。丸々鮮やかに新調された魚尽くしは 前回の奉納で初披露され、次の100年へとこぎ出しました。町は嘉勢さんの仕事を大いに認め、この奉納の後、すぐに新しい衣装の製作も依頼したのです。新調する親船頭衣装 画題を探し生月・呼子へこれまでの親船頭のトッポは夫婦岩に日輪が輝く神々しいデザインでした。
これに負けないモチーフは何か…?長崎刺繍職人 嘉勢照太さん(71):
「これがね最初のイメージの起こしなんですよ。鯨の潮がここからバーッと出てきたらさぞ面白いだろうと思ったわけね」忠実な再現の仕事から一転、なんでもありの開拓者の旅路へ。
博物館に通い、勇猛果敢な鯨漁を学びました。「これはね親父の本なんですよ」北斎の絵で、ずしんと不気味な鯨に心惹かれました。「この不気味さ、これが面白いなと思ってね」不気味で勇壮でユニークで…。
でもどこかもの悲しい鯨採りの『神髄』を衣装にしたい。鯨は桐の板でがっしり作り、背中のポケットに『ひも』でつないで肩回りの動きやすさも追求しました。着るのは諏訪小学校5年生 浅野正宗さん、10才です。
初めて衣装に袖を通します。「…かたい」
「…かたい…おろしたばっかりやけんね。どうしても硬かさ」
「かたい…」
「腕ばこうしてみて?あがらん?」
「…いたっ」(襟首の)潮が、刺さる…。「こうやって柔らかくしてよかけん。これが邪魔…そこは何とか我慢して。なかよーなって鯨と」親船頭 浅野正宗さん(10):
「ここら(背中)辺が重くて…あれで(演技)できるか不安でした」歴史家 故 越中哲也さんが命名『萬鯨招福』衣装には『萬鯨招福』という名前がつけられています。万屋町の鯨が福を招く。郷土史家の越中哲也さんから贈られた名前です。越中哲也さん(2021年逝去):
「長崎くんちと言うのは一人がやるんじゃないんですよ。みんなの気持ちが出てきて出来るんですよ。その気持ちがね、長崎くんちのいい所なんですよね。これ見せてもらっただけで私涙が出ます。ありがとうございました」ガラスの目を持つ可愛い『千鳥』のこの船頭衣装も「いいみたいですね」衣装を披露する庭見せでは長蛇の列エビとカニと鯛が傘鉾から抜け出した赤い衣装も、嘉勢さんが手がけた今回、初お披露目の衣装です。万屋町の魚たちが温かな福を運びます。訪れた人:
「これが見たくて来ました」
「(親船頭を)狙ってきました。すっばらしいですね。すごいきれい」
「素敵ですね」長崎刺繍職人 嘉勢照太さん(71)
「ありがたかったですね。開国の時から今みたいなパンデミックとか全部抜けて(長崎刺繍)があるわけですからね。なんか長崎の魂みたいなもんだと思いますよ。かっこよく言えばね。そうあって欲しい」豊かな長崎、平和な世の中を願った先人達の思いものせて、親船頭のトッポ『萬鯨招福』は10月7日、諏訪の舞台に登場します。
詳細は NEWS DIG でも!↓
newsdig.tbs.co...