第1209回「『無門関』に学ぶ」2024/4/29【毎日の管長日記と呼吸瞑想】| 臨済宗円覚寺派管長 横田南嶺老師

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  • เผยแพร่เมื่อ 22 ต.ค. 2024
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    横田南嶺 / 無門関に学ぶ
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    ■管長日記「『無門関』に学ぶ」
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    最後に一日のはじまりを整える、呼吸瞑想がございます。
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    はじめて禅の書物に触れたのが、『無門関』でありました。
    忘れもしない小学生の頃でありました。
    市内にあるお寺の坐禅会に参加して、そこで和歌山県由良町の興国寺の目黒絶海老師が『無門関』を御提唱なさるのを拝聴したのでした。
    夏の坐禅会でした。
    絶海老師は茶色い麻のお衣で、太鼓の合図で本堂に出て見えたのを覚えています。
    なんとも小柄な老僧でありました。
    その絶海老師がご提唱の前にご本尊に焼香して礼拝なされました。
    これがなんとも神々しく思われました。
    こんな尊い世界があるのかと、子供心に身震いするような感銘を受けました。
    その礼拝のお姿に心ひかれて、坐禅に通うようになったのでした。
    「仏語心を宗とし無門を法門となす」という『無門関』の序文や、「趙州和尚因みに僧問う、狗子に還って仏性有りやまた無しや、州云く、無」という言葉など、『無門関』にある文章に初めて触れたのでした。
    幼少の頃に身内の死に接して、死に対して疑問を抱えていた私には、この禅の世界に生死の問題を解決する道があるのではないかと思ったのでした。
    そうしてお寺に通って坐禅しているうちに、お寺の和尚様から、ただ坐っているだけではだめだから、老師のところに独参に行ってきなさいと言われて、由良の興国寺まで行って相見して、参禅させていただきました。
    まだ中学生だったかと思います。
    絶海老師は当時興国寺の老師でありました。
    興国寺は実に『無門関』を日本に伝えた心地覚心こと法灯国師が開創されたお寺でありました。
    老師は、法燈国師から百五十代目のご住職でもありました。
    小学生の頃にこの『無門関』の提唱を初めて聞きましたが、難しい漢文の内容はとても理解できるものではありませんでしたが、その漢文の持つリズムに感動しました。
    お寺では地元出身の高僧である山本玄峰老師の『無門関提唱』の録音テープも拝聴させてもらいました。
    中学の頃には自分で『無門関』の本を購入して学ぶようになりました。
    私が初めて書店で注文した書籍が、山本玄峰老師の『無門関提唱』でありました。
    そしてその『無門関』全文を書き写して自分のノートを作ったりしていました。
    中学生の頃から禅問答の修行を始めていましたが、問答の修行においてもはじめは『無門関』の公案について参究します。
    第一則の「趙州狗子」には年数をかけて参じます。
    趙州の無字は、大学に入って白山道場の小池心叟老師について参禅したのでした。
    更に大学を出てから修行道場に入ってからも再び無字の公案について参究させてもらってきました。
    「無」の一字には何年もかけて参究させてもらったものでした。
    『無門関』にある、そのほかの公案についても、大学生の頃から参究していました。
    更に修行道場に入ってからは、本格的に『無門関』の公案に参究しました。
    『無門関』の全文はみな暗誦していました。
    今でもすらすら出てくるものです。
    三十五歳で円覚寺僧堂の師家となって修行僧を指導する立場になり、まずはじめに講義をしたのは、やはり『無門関』でした。
    それから居士林でも『無門関』を提唱したことがありました。
    四十六歳で管長になって、円覚寺の夏期講座を担当するようになってまず『無門関』の講義を始めました。
    一年で四則ずつ講義して、十二年かけて四十八則の公案をすべて講じたのでした。
    小学生の頃に出会ってから今日に到るまで『無門関』は私にとって最も馴染みの深い禅籍であります。
    その『無門関』を致知出版社のセミナーで五回にわたって講義をしたのでした。
    五回で『無門関』の公案すべてを講じるのは無理でしたので、それぞれのテーマに合わせて『無門関』の中から公案を選んで講義してみたものです。
    第一講 一度自己を無にしてみる
      
    第二講 真実の自己を確立する
    第三講 主体性を持つ
    第四講 生死の一大事
    第五講 理想を掲げて現実を生きる
    という内容に構成を考えました。
    それぞれに三つほどの公案を選んで講義をしたのでした。
    『無門関』を日本に伝えたのが、法燈国師、心地覚心禅師であります。
    生年が承元元年(一二〇七年)ですから鎌倉時代初期の人です。
    信州のお生まれです。
    十九歳でお坊さんになって、ずっと高野山で真言密教の修行をなさっていました。
    密教を学びながら禅にも関心を持って四十三歳のときに南宋の国に渡りました。
    当時、中国の禅宗の第一人者は無準師範禅師という方でした。
    この方は諡を仏鑑禅師といいます。
    京都の東福寺の開山円爾弁円禅師の勧めもあって、心地覚心禅師は無準師範禅師のところに行って修行をしようと南宋を目指したのです。
    ところが、中国に行ったときにはもう無準師範禅師はお亡くなりになっていました。
    それで杭州護国寺の無門慧開禅師について参禅をすることになりました。
     
    そのときに心地覚心禅師は四十七歳で、無門慧開禅師は七十一歳でした。
    無門禅師のもとで修行して悟りを認められて建長六年(一二五四年)、日本に帰国しました。
    日本に帰るとき、心地覚心禅師は無門慧開禅師の書いた『無門関』を授けられました。
    そして今の和歌山県日高郡由良町に興国寺というお寺を開山しました。
    心地覚心禅師は弘安八年(一二八五年)、七十九歳のときに京都の宇多野に妙光寺というお寺を開き、ご皇室の帰依も受けておられます。
    そして鎌倉の終わりの頃の永仁六年(一二九八年)十月十三日に、九十二歳でお亡くなりになり、法燈国師という諡を贈られています。
    また、心地覚心禅師は日本に帰ってくるときに、金山のお味噌の製法を伝えたことでも知られています。それが金山寺味噌です。
    また、由良町の傍にある湯浅は醤油の原産地ですが、これはお味噌を作ったときの溜まりが醤油となったもので、やはり心地覚心禅師が伝えたものです。
    お味噌やお醤油という私たちにとってなくてはならないものを心地覚心禅師が日本に伝えてくれたのです。
    この『無門関』の講義は、コロナ禍の最中である二〇二一年に行われたことも印象深いものです。
    思うようにならない、困難な状況でも如何に生きるか、禅の教えから学んでみようと思って講義したものです。
    私が講義したものをこのたび致知出版社の方が本にしてくださったのでした。
    ようやくできあがりました。
    また五月の日曜説教の折には、その内容について話をしてみようと思っています。
     
     
    横田南嶺
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    臨済宗大本山 円覚寺山内
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    #管長日記, #呼吸瞑想, #毎日更新

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