統合失調症の心理社会的治療を解説 

แชร์
ฝัง
  • เผยแพร่เมื่อ 8 ก.พ. 2025
  • 01:05 統合失調症
    05:28 心理社会的な治療
    08:03 治療の例
    10:37 家族への心理社会的教育
    本日は「統合失調症の心理社会的な治療」というテーマでお話しします。
    統合失調症という病気は、ドパミン系の異常で幻覚妄想が出ると考えられています。
    薬物治療だけではなかなか良くなりません。
    薬物治療がメインですが、症状が重く残ってしまったり、なかなか社会復帰が難しいという側面があります。
    良くなる人は良くなる人でいますが、長引いてしまう人がいるのも事実です。
    薬以外の治療法として、心理社会的治療というものがあります。
    今回は、心理社会的な治療について、ざっくり解説します。
    ■統合失調症
    まず統合失調症について解説します。
    統合失調症というのはどういう病気かというと、ドパミン系の異常、グルタミン酸系の異常と考えられていますが、まだ原因は良く分かっていません。
    症状は主に二つあります。
    「陽性症状」と「陰性症状」です。
    ・陽性症状
    陽性症状は何かというと、いわゆる派手な症状、幻覚や妄想です。
    主にあるのは幻聴です。
    幻聴も怖い幻聴が多いです。
    殺してやるぞ、死ね、といった怖い声が聞こえます。
    男性だったり女性だったりしますが、結構はっきりした声が聞こえると言われています。
    妄想も被害妄想が多いです。
    ヤクザにつけられているんじゃないか、常に監視されているんじゃないか、インターネットで悪口を言われているんじゃないか、そういう妄想が出ます。
    ・陰性症状
    陰性症状は何かというと、暗い症状、目立たない症状です。
    うつっぽさ、不安で落ち込んでいたり、死んでしまいたいという気持ち、無気力、元気が出ないということがあります。
    まずは統合失調症の病気になってきて、急性期は陽性症状がメインです。
    幻覚妄想に支配されてウワーッとなって、その後グッと落ち込んで、陰性症状がメインになります。
    落ち込んだり無気力になって、段々と元へ戻るのが統合失調症のリズムですが、これが繰り返されるのが統合失調症です。
    ・薬物治療
    薬物治療として抗精神病薬というドパミン系を抑える薬を使います。
    ただドパミン系の薬をどんどん入れていっても、すべての症状がなくなるわけではありません。
    だからドパミン系だけの問題ではないということがわかっていますが、まだメカニズムはわかっていません。
    抗精神病薬は完璧ではありませんが、使い続けた方が良いです。
    再発予防のためにも飲み続けた方が良いです。
    予防効果もあるので飲み続けた方が良いし、たとえ発症したとしても飲んでいれば症状は重くなりにくいので、やはり飲んでいた方が良いです。
    ただ副作用が多いです。
    抗精神病薬の副作用として有名なのは、パーキンソン症状です。
    ドパミンを抑えるのでパーキンソン病のような症状が出てしまいます。
    手が震えたり、仮面様顔貌、歯車様固縮と言って曲がりにくかったり、小刻み歩行というものが出ます。
    アカシジアというむずむず感が起きたりするのも副作用として有名です。
    脂質代謝異常、糖尿病、太りやすいという副作用もあったりします。
    メインはパーキンソン症状です。
    ・何が起きるか
    この病気の結果どういうことが起きるかというと、幻覚妄想に支配されてしまって家族とトラブルが起きたり、家族に暴力を振るってしまうということがあります。
    妄想に支配されて、家族が自分を攻撃しようとしているんじゃないか、家族が悪口を言っているんじゃないか、家族が自分のご飯に毒を盛ろうとしてるんじゃないか、と思ったり、そういう幻聴が聞こえたりします。
    本人は必死なのです。
    殺されないようにと思って家族に手を出してしまう、逃げ出そうとしてしまう、ということがあります。
    陰性症状ではうつっぽくなって働けなくなります。
    コミュニケーションをとるのも苦手になってしまって、社会に出て行けない、引きこもりのような状態になってしまいます。
    薬物治療に関しては、副作用も多いので薬が飲めなくなってしまいます。
    薬をきちんと飲むことをアドヒアランスと言うのですが、それが不良になったりします。
    幻覚妄想に支配されているので、薬をそもそも飲んではいけないという幻聴や妄想に囚われます。
    だから飲めなくなってしまう。
    その結果再発してしまったり入院に至るということも結構あります。
    ■心理社会的な治療
    統合失調症の治療というのは薬物治療だけではダメで、本人や家族に対する「心理教育」がすごく重要だと言われています。
    これが今回のテーマです。
    心理社会的な治療の1つは、きちんと病気の説明をする、ということです。
    心理教育を行うということです。
    統合失調症とはどんな病気か、薬はどんな効果があるのか、そしてどんな副作用があるのか、ということを何度も何度も説明する必要があります。
    これは結構忘れてしまうのです。
    患者さんも忘れるし、治療者も一回説明したら患者さんがわかったつもりになって説明しなくなってしまいます。
    でも統合失調症は細かい症状が色々あります。
    だから、これは幻聴だね、こういう幻聴もあるんだよ、こういう妄想もあるんだよ、ということを一個一個説明する必要もあり、本人だけではなくて家族にも説明する必要があります。
    そうしないとトラブルも増えてしまいます。
    家族もよくわからなくて、これは本人の甘えなのか性格なのか、それが病気によるものなのかもよくわからなかったりするので、きちんと説明してあげる必要があります。
    働けない、コミュニケーションが困難な人に対しては、ソーシャル・スキル・トレーニング(SST)と呼ばれる治療が有効です。
    統合失調症は10代や20代で発症することが多く、10代、20代の1~2%が発症する病気と言われています。
    だから本来身に付けなければいけない社会的な常識やコミュニケーションのやりとりが、病気のせいですっぽりと抜けていることがあります。
    そういうことはもう一回トレーニングし直す必要があり、病気によって人格水準が下がるというか、できないことが増えたり頭の回転が悪くなってしまって苦手なことが増えたりするので、そのリハビリも兼ねてSSTや作業療法をするのが良いと言われています。
    これが心理社会的な治療です。
    患者教育、家族教育、生活技能訓練が重要です。
    ■治療の例
    具体的にどんなものがあるかというと、例えば被害妄想
    「誰かが自分の悪口を言っている」
    「ヤクザが自分を狙っている」
    「誰かが自分の体内にチップを入れてしまった」
    そういう妄想が出てしまったときに、その妄想が強固でなければ
    「いつ(チップを)入れられたんだろうね」
    「そのチップはどれくらいの大きさなんだろうね」
    「どうしてそれを入れる必要があるんだろうね」
    と話していくと、
    「確かに自分にチップを入れる理由はないな」
    「自分には傷跡がないからチップは入ってないな」
    「そう言えばどこにも行ったことがないし、寝ている間にそんなことできるわけがないな」
    と思って、ちょっと安心します。
    それで、「あ、これは以前に益田先生に聞いていた統合失調症の妄想なんだな」とわかって安心するというやり方があります。
    認知を訂正できるパターンです。
    妄想が酷いと訂正ができないことがあります。
    「そう言うけど僕にはチップが入っていることを確信しているんです」
    「先生はそう言いますし、自分でもいつ入れられたかわかりませんが、何かある感じがするんです、だから助けてください」
    と言ってくることがあります。
    その場合は妄想を否定するのではなく、
    「大丈夫だよ、チップが入っていたとしても誰も追いかけてきてないでしょ」
    「入っているかもしれないけどどこからも情報は出てないよね、ネット上でもあなたの悪口は言われてないんだよ」
    と言ってあげることで、
    「確かにそうだな、とりあえず少し安心できるかもしれないな」
    「今はそんなに危機的な状況じゃないんだな」
    ということが共有できると少し安心してもらえます。
    その人の妄想に合わせて訂正する部分を変えてあげるのが心理社会的な治療だったりします。
    こういう訂正のやり方を認知行動療法的にやるのか、集団精神療法の中でやるのかは色々パターンがあります。
    普通のカウンセリング、診療の中でやることもあれば、それが色々なところに妄想が広がっている場合は、認知行動療法をしたりします。
    ■家族への心理社会的教育
    家族に対しての心理社会的教育は重要と言われています。
    それはなぜかというと、元々統合失調症の発症原因は「High EE」なのではないかと、今は否定されていますが、疑われていた時期がありました。
    High EEとは「感情の爆発」です。家族がすごく感情的になって本人を責めてしまったり、本人に対してすごく批判してしまったりする家族のことを指します。
    確かにこの病気の不可解さや奇妙さから家族も混乱してしまうこともあります。
    概要欄続きはこちら(字数制限のため)
    wasedamental.c...
    ---------
    統合失調症について解説します。実は身近な脳病です。
    • 統合失調症について解説します。実は身近な脳病...
    ---------
    『精神科医がこころの病気を解説するChとは?』
     一般の方向けに、わかりやすく、精神科診療に関するアレコレを幅広く解説しています。動画における、精神分析や哲学用語の使用法はあくまで益田独自のものであり、一般的(専門的)な定義とは異っているところもあります。僕がもっとも説明しやすいとたまたま感じる言葉を選んだだけなので、あまり学術的にとらないでいただけると嬉しいです。
                     早稲田メンタルクリニック院長 益田裕介
    『自己紹介』
    益田裕介
    防衛医大卒。陸上自衛隊、防衛医大病院、薫風会山田病院などを経て、2018年都内で開業。専門は仕事のうつ、大人の発達障害。といいつつ、「なんでも診る」ちょっと変人よりの町医者です。
    趣味は少年ジャンプとお笑い。キャンプやスキーに行きたいです。
    2020年6月5日より断酒継続中。
    【参考】
    厚労省みんなのメンタルヘルス www.mhlw.go.jp...
    カプラン 臨床精神医学テキスト第3 www.medsi.co.j...
    倫理規定について note.com/menta...
    【コメントについて】
    ・コメントは承認制です
    ・コメントは益田が目を通していますが、手が回らず、質問にはお答えできません。ご理解よろしくお願いします。
    ・(のちのち)自分や他人を傷つける可能性のあるものは承認されません
    ・他の人への返信も原則禁止です。共感的なもの、相手に役立つものは一部、許可しています。短い時間で判断しているので「どうしてこれがダメなの?」みたいなものもあると思いますが、それはこちらのミスであることも多いです。ご了承ください。
    【取材対応。テレビや雑誌、Webメディアの人へ】
    気軽にご相談して下さい。 toiawase@wasedamental.com
    方針についてはこちら  • テレビや雑誌、WEBメディアなどの取材対応に...
    【公認の切り抜き動画はこちら】
    / @ch-rf2ss
    【動画制作の裏側はこちらから】
    / @wasedamasuda

ความคิดเห็น • 106