感想に代えて ミニマル音楽の巨匠、スティーブ・ライヒ ミニマル音楽(反復音楽)を代表する巨匠、作曲家のスティーブン・ライヒの生誕80年を記念するアルバム「デュエット」が発表された。このCDは、人気指揮者クリスチャン・ヤルヴィによる名演、ライヒの名曲「ダニエル・ヴァリエーションズ」と「ユーアー(ヴァリエーションズ)」の管弦楽を世界初録音。また、代表曲「クラッピング・ミュージック」は、ライヒ本人とクリスチャンによる演奏が収録されていて、ライヒ自身が、最高傑作と称している。 ライヒの音楽は独特な個性による和声とリズムが並び、躍動感と緊張感、希望を感じさせながら、建築美のような世界を再開を展開し、輝きと調和を象徴的に伝えている。尽きることのない多様性を求めるこの2人が、音楽表現という接点で、人間としても強く結び付けられようといえると言えよう。 ライヒは米国ニューヨーク州に生まれ、大学で哲学を専攻、その後、音楽院の作曲を学んだ。ジャズや電子音楽などにより影響を受けて、「フェインズ・シフティング」と呼ばれるズレの技術を開拓した後、ミニマル音楽として多くの作品を発表。訳40年前<18人の音楽家のための音楽>がベストセラーとなり、評価が高まる。2007年にポーラー音楽賞をはじめ受賞多数。60年代から現在に至るまで、彼の音楽は「新たな音楽的合成パターンであり、まるでマクロ時間を冒険するような表現によって、様々なジャンルの音楽家たちに影響を与えたのである。 音楽と人間が一体となるためには、目を覚まし、魂を高めることが必要とされる。そのためには、音の内部に入って、また脱出することが重要だ。始まりも終りもないという「音の平等」が最良の音楽表現であると考えざるを得ない。ライヒの実験的精神と理想主義が人々に影響を及ぼす点がむしろ大事であると考えざるを得ない。ライヒの実験的精神と理想主義が人々に影響を及ぼす点がむしろ大事であると言えよう。 本CDに収録された<ダニエル・ヴァリエーションズ>は、オーケストラ版として初収録された。テロリストに命を奪われたジャーナリストの遺言と旧約聖書をテーマにした楽曲で、作曲や演奏の特殊性を重視しただけではなく、音楽を通じて、社会、宗教、言葉などを総合的に融合する意図を持つのである。作品は人間社会を反社する鏡のように、人間性や生命を賞賛するメッセージも込められている。 すべての「音」はあるがままのように、本来は自立している。その音における純粋さを反復させることは、音がむしろ感情から解放され、平等と自由の存在的に到達するのである。大事なのが人間たちの「生」を支えているように、すべての音が、音楽自体の「生命」を平等に支えているのだ。こうして、作品が断然として、存在し続けるのであろう。 (2017年1月29日) 「光と風のクリエ」金大偉著 和器出版 初版2017年7月7日 美術・音楽制作批評 P578ー579 スティーヴ・ライヒ メッセージ th-cam.com/video/QpAb-17G7l8/w-d-xo.html Steve Reich -Music for 18 Musicians- th-cam.com/video/IKxOfC1TX6o/w-d-xo.html Daniel Variations: My name is Daniel Pearl (I'm a Jewish American from Encino California) th-cam.com/video/zTYDuVBQk4E/w-d-xo.html Steve Reich - Clapping Music (Scrolling) th-cam.com/video/lzkOFJMI5i8/w-d-xo.html スティーブ・ライヒ:マレット楽器、声とオルガンのための音楽 th-cam.com/video/XW9Xy9nrf8U/w-d-xo.html
ほんとうにお上手ですね♡
大好きな曲です。ありがとうございます。
こんな古い曲をご存知とは、さすがプロ!勉強されているんですね。
シンガーソングキャスター頑張れ!!
大人の女性を感じさせるしっとりとした歌声。いいですねぇー。
sayaさんの歌唱は、まるで語り掛けられている見たいで、心に深く染みて来ますね、素晴らし歌唱有り難うございます。
いい曲ですね。
語りかけるようなきれいな歌声がしんみりと心に響きます。
今夜も良い歌をありがとう
ごく日常を切り取り「ささやかな良さ」を表現する日本語って素敵です。リズムと曲調へあわせ耳へ入る印象とは異なる、何気ない所作へ深入りできるのがこの国の特性と気付きます。配信ありがとうございます。
sayaさんが歌うと、どんな歌もステキになるのはなぜなんでしよう❤
この歌、好きだったんぁ。。。ありがとうございます!
彼女の声は人を幸せな気持ちに誘う魔力がある。今回カメラアングルがいつもと違うのも新鮮。
再生数10万位はいってもおかしくないと思う。本当、上手いよね☺
随分昔に聞きました。メロディも歌詞もいいですね。勿論sayaさんの歌唱力も。素敵な曲、思い出させて下さりありがとう。
楽しかった話・・今日カラオケで98点とりました~皆から拍手頂いて楽しかったです
・・って おいらの楽しかった話をしてもねぇ アハハ!^^;
凄く心にしみる さやさんの歌い方に つい 余分なことを書いてしまいました
こんにちは 札幌の詩人です あなたの歌声に本当に癒されました なんて優しいことでしょう 感動しました ありがとうございます😂
「ああ、こんな曲もあったな」と思い出しました。sayaさんはその曲を叙情豊かに歌ってくださいました。どうもありがとうございました🤗。なお、今度講演をなさるそうですね。私は地方の人間ですので参加出来ませんが、ぜひがんばってください😊。
81歳の爺さんです。40年以上前からカラオケではいつも「想いでまくら」を歌ってきました。大好きな曲です。声がいいとほめられることはあるけど、上手いと言われることはほとんどありません。sayaさん素晴らしい。心癒されます。
曲は知ってはいましたがあらためて詞の内容に触れた思いがしました。このsayaさんのチャンネルではしばしばそんなことがあります。大切に歌われている証拠ですね。
素晴しい!
懐かしく哀愁漂う一曲ですね。また今回はいつもと違うカメラの角度が斬新に感じました。
しんみりとしていい感じ。
TH-camでは初見です。当時は『ポプコン』が流行っていて、テレビでもラジオでもやっていました。sayaさんの優しい声にいつの間にか枕が『想い出まくら』になっていました。 by『おさかな』
何を歌っても引き込んでしまう歌声ですね😊
🌷さすがと言うか 何と言いましょうか? 妙音菩薩としか言いようがございません!
悲しい😢良い歌です❤
授業をサボったパチンコ屋で流れて
いた曲が、この曲と「池上線」でした。
いつもSAYAさんの声に癒されてます。是非山崎ハコさんの懺悔の値打ちもない、か織江の歌をSAYAさんの読解で歌って欲しいです。
山口さんとのyoutubeで初めてお会いしました。SAYAさんの唯一無二の曲作品にかえられるのですね。すばらしい。バックのオードリーヘップバーンさん似ですね。応援します。はまりました。
この、気持良くわかります、私もそう思います😢
さやさんが心をこめて歌って下さるのは、 聞かせて頂けるのは最高の幸せ、 いままでも色々聞かせて頂きました。 さやさんから覚えた(いちご白書)もカラオケで必ず歌います。 有難う御座います
初めてコメントします!
わたしも良くこの歌を唄います!いいですよね!詞が優しくて心結にグッときますね❤
最近、貴女の歌声にはまりました。素敵です。営業の車の中でいつも聞いてます。
チャンネル桜、文化人などsayaさんがキャスターの時はいつも見ています。
初めて歌声を聴きましたが、とても歌がお上手で声も落ち着いていてファンになりました。大好きな曲なので感激です。
👏 👏 👏 👏 👏
おー似合いますねぇ、曲調といい、歌詞といい、音色といい。
sayaさん、声の艶感と語尾の伸びが自然というか、とても滑らか。是非今後も歌ってください、恐らくもっと歌が成長する気がします。
ピアノの意味ある重さが実に心地良い。さすがです。
4/19金の講演会、がんばってください!
ホント 素晴らしい歌声! 大学生の頃友達が必ずカラオケでこの曲を歌っていたのを思い出します。
歌うにつれ少しずつ声が艶を増して、sayaさんの姿も魅力にあふれてきますね。いいね!! 最後は眠るのが良いでしょう!で締めくくりですか。
素晴らしい👏👏👏🎉!。この歌はわたしがまだ20歳位の頃の歌です。色々あった青春の時、この歌が流行っていて、特にわたしの生き方に大きく影響した歌です。今は違う女性と縁があり結婚していますが、この歌を聴く度に、昔を想い出し涙してます😢。素晴らしい歌声と歌をありがとうございました🙇👋🙂。
歌詞ほとんど覚えてました。
ユーチューブでは良く観ておりましたが…
今日何故か貴女の動画観まして、初めて歌声聴きました。とても綺麗な声で感動しました🛑チャンネル登録もしましたので又聴きたいと思います😊
ご自身の曲もお有りかとおもいますが…愉しみです。
小学生の時には分からなかった気持ちも
断捨離をする年齢にもなると
分かるようになるものですね…。
カメラワークかっけ!!!
(=゚ω゚)ノ(=゚ω゚)ノ
感想に代えて
ミニマル音楽の巨匠、スティーブ・ライヒ
ミニマル音楽(反復音楽)を代表する巨匠、作曲家のスティーブン・ライヒの生誕80年を記念するアルバム「デュエット」が発表された。このCDは、人気指揮者クリスチャン・ヤルヴィによる名演、ライヒの名曲「ダニエル・ヴァリエーションズ」と「ユーアー(ヴァリエーションズ)」の管弦楽を世界初録音。また、代表曲「クラッピング・ミュージック」は、ライヒ本人とクリスチャンによる演奏が収録されていて、ライヒ自身が、最高傑作と称している。
ライヒの音楽は独特な個性による和声とリズムが並び、躍動感と緊張感、希望を感じさせながら、建築美のような世界を再開を展開し、輝きと調和を象徴的に伝えている。尽きることのない多様性を求めるこの2人が、音楽表現という接点で、人間としても強く結び付けられようといえると言えよう。
ライヒは米国ニューヨーク州に生まれ、大学で哲学を専攻、その後、音楽院の作曲を学んだ。ジャズや電子音楽などにより影響を受けて、「フェインズ・シフティング」と呼ばれるズレの技術を開拓した後、ミニマル音楽として多くの作品を発表。訳40年前<18人の音楽家のための音楽>がベストセラーとなり、評価が高まる。2007年にポーラー音楽賞をはじめ受賞多数。60年代から現在に至るまで、彼の音楽は「新たな音楽的合成パターンであり、まるでマクロ時間を冒険するような表現によって、様々なジャンルの音楽家たちに影響を与えたのである。
音楽と人間が一体となるためには、目を覚まし、魂を高めることが必要とされる。そのためには、音の内部に入って、また脱出することが重要だ。始まりも終りもないという「音の平等」が最良の音楽表現であると考えざるを得ない。ライヒの実験的精神と理想主義が人々に影響を及ぼす点がむしろ大事であると考えざるを得ない。ライヒの実験的精神と理想主義が人々に影響を及ぼす点がむしろ大事であると言えよう。
本CDに収録された<ダニエル・ヴァリエーションズ>は、オーケストラ版として初収録された。テロリストに命を奪われたジャーナリストの遺言と旧約聖書をテーマにした楽曲で、作曲や演奏の特殊性を重視しただけではなく、音楽を通じて、社会、宗教、言葉などを総合的に融合する意図を持つのである。作品は人間社会を反社する鏡のように、人間性や生命を賞賛するメッセージも込められている。
すべての「音」はあるがままのように、本来は自立している。その音における純粋さを反復させることは、音がむしろ感情から解放され、平等と自由の存在的に到達するのである。大事なのが人間たちの「生」を支えているように、すべての音が、音楽自体の「生命」を平等に支えているのだ。こうして、作品が断然として、存在し続けるのであろう。
(2017年1月29日)
「光と風のクリエ」金大偉著 和器出版 初版2017年7月7日
美術・音楽制作批評
P578ー579
スティーヴ・ライヒ メッセージ
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Steve Reich -Music for 18 Musicians-
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Daniel Variations: My name is Daniel Pearl (I'm a Jewish American from Encino California)
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Steve Reich - Clapping Music (Scrolling)
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スティーブ・ライヒ:マレット楽器、声とオルガンのための音楽
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ミニマル・ミュージック
(Minimal music)は、音の動きを最小限に抑え、パターン化された音型を反復させる音楽[2]。現代音楽のムーブメントのひとつ。1960年代から盛んになった[3]。単にミニマルと呼ばれることもある。
歴史
ミニマル・ミュージックは、1960年代のアメリカで生まれた。この時期、テリー・ライリーの「In C」(1964年)やスティーヴ・ライヒの「It's Gonna Rain」(1965年)「Come Out」(1966年)などの作品が作られている。ラ・モンテ・ヤングの「弦楽三重奏」(1958年)をミニマル・ミュージックの始まりとする説もある[4]。
同時期にヨーロッパでは、ルチアーノ・ベリオ、ジェルジ・リゲティ、ヘンリク・グレツキらも単純反復による音楽語法を試みており、これらの作風はアメリカのミニマル・ミュージックと類似している。1968年には当時、音楽評論家として活躍していたマイケル・ナイマンがコーネリアス・カーデューの「The Great Digest」を評す際、当時は抽象絵画などを表現する時に用いられていた単語「ミニマリズム」を文中で用い、音楽評論で初めて「ミニマル」の概念を持ち込んだ[5]。
ナイマンは、1974年の著書『実験音楽 ケージとその後 (Experimental Music: Cage and Beyond)』のラ・モンテ・ヤングに言及した節で、ヤングのヴェーベルン聴取を取り上げ[6]、「ミニマルなプロセスの音楽」の起源をセリエリズムであると主張している。ヤングは、セリーが形を変えて提示されても同一音高が同一オクターブで演奏される傾向を「静的」と解釈可能であると見たのである。
エリック・サティの後期作品の一部(「ヴェクサシオン」「家具の音楽」など)は、執拗な反復によって曲が成り立っており、ジョン・ケージの初期作品に影響を与えているという点で[7]、ケージの後に続いたミニマル・ミュージックへと続く音楽史の脈絡に深く影響している。
日本における潮流としてはヨシ・ワダ、近藤譲、藤枝守らが、欧州における潮流としてはトム・ジョンソン、ジェルジ・リゲティ、ジョン・マクガイヤーらがミニマル・ミュージックに類似する反復語法を自身の語法に取り入れている。作曲家の久石譲は、自らのコンサートの一部において、ミニマル・ミュージックの語法で書かれた作品を上演している。また、反復を基本とするオスティナート語法での作曲を長年続けていた伊福部昭のもとへテリー・ライリーが表敬訪問した[8]。
代表的な作曲家
特に代表的な作曲家
テリー・ライリー - アメリカ合衆国
ラ・モンテ・ヤング - アメリカ合衆国
スティーヴ・ライヒ - アメリカ合衆国
フィリップ・グラス - アメリカ合衆国
著名な作曲家
ダニエル・レンツ - アメリカ合衆国
シメオン・テン・ホルト - オランダ
コーネリアス・カーデュー - イギリス
マイケル・ナイマン - イギリス
ギャヴィン・ブライアーズ - イギリス
デヴィッド・ベッドフォード - イギリス
ジョン・ホワイト - イギリス
マーク・フェル - イギリス
ジョヴァンニ・ソッリマ- イタリア
ジョン・アダムズ - アメリカ合衆国
フレデリック・ジェフスキー - アメリカ合衆国出身、在ベルギー
ジョン・マクガイヤー - アメリカ合衆国[注 1]
トニー・コンラッド - アメリカ合衆国
トム・ジョンソン - アメリカ合衆国出身、在フランス
グレン・ブランカ - アメリカ合衆国
マイケル・トーキー - アメリカ合衆国
アルヴォ・ペルト - エストニア
ヴィム・メルテン - ベルギー
ルイ・アンドリーセン - オランダ
シャンドル・カロシュ - ロシア
エロディ・ローテン - フランス出身、在アメリカ合衆国
ペーター・ミヒャエル・ハーメル - ドイツ
近藤譲 - 日本
坂本龍一 - 日本
久石譲 - 日本
藤枝守 - 日本
ヨシ・ワダ - 日本出身、在アメリカ合衆国[注 2]
関連項目
ミニマル
ミニマリズム
ポストミニマリズム
トータリズム[注 3]
民族音楽
現代音楽
環境音楽
テクノ
ハウス (音楽)
エレクトロニカ
ダンスミュージック
発車メロディ
鏡の中の鏡 / アルヴォ・ペルト
th-cam.com/video/Y0rbgdK5ntQ/w-d-xo.html
ペルト:アリーナのために Pf:高木早苗 Pärt:Für Alina Pf.Sanae Takagi
th-cam.com/video/WiQOOLyRtyA/w-d-xo.html
Arvo Pärt- Spiegel im Spiegel
th-cam.com/video/TJ6Mzvh3XCc/w-d-xo.html
Simeon ten Holt - Canto Ostinato (1979) - Original 1984 Live Recording
th-cam.com/video/SOZEZc_OGM4/w-d-xo.html
Simeon ten Holt - Méandres
th-cam.com/video/pe3x56M6aUk/w-d-xo.html
Horizon, Simeon ten Holt by Piano Ensemble
th-cam.com/video/vxFmCqwWQ3s/w-d-xo.html
Victor Herbert - 6 Piano Pieces (audio + sheet music)
th-cam.com/video/MuafL1PMdCY/w-d-xo.html
Tristan Murail: Gondwana (1980) for orchestra
th-cam.com/video/q6WXzOIsBuQ/w-d-xo.html
トリスタン・ミュライユ:『トラヴェル・ノーツ』、ラファエル・センド:『フュリア』より/サントリーホール サマーフェスティバル2018
th-cam.com/video/MUm6vYagjkU/w-d-xo.html
トリスタン・ミュライユ「夢」
th-cam.com/video/lExfxzmboSc/w-d-xo.html
・スペクトル楽派
(スペクトルがくは、フランス語: École spectrale)は、フランスを中心とする現代音楽の潮流の一つ。スペクトラル楽派、あるいはスペクトル音楽、スペクトラル音楽 (Musique spectrale) とも呼ばれる。
概要
音響現象を音波として捉え、その倍音をスペクトル解析したり理論的に倍音を合成することによる作曲の方法論をとる作曲家の一群を指す。音響分析や合成には、フランスの電子音響音楽研究施設IRCAMの果たした役割が大きいと言われている。
代表的な作例として、楽派の創始者と言えるジェラール・グリゼーとトリスタン・ミュライユの作品が挙げられる。グリゼーの代表作「音響空間」(詳しくはジェラール・グリゼーの項を参照)やミュライユの初期作品「記憶/侵蝕」では、一つの基音に対する倍音を加算合成していく。またミュライユの代表作「ゴンドワナ」では、FM合成の理論や、鐘の音など既存の音響をスペクトル分析して応用する。
グリゼーとミュライユがスペクトル音楽的発想へ行き着いた最初のきっかけは、イタリアの作曲家ジャチント・シェルシの影響が強い。一つの音を音響現象と見做し、その倍音成分を徹底的に聞き込むシェルシの音楽は、スペクトル音楽のプロトタイプとも言え、ローマ大賞を得て留学したばかりの若き2人の作曲家に多大な影響を与えた。そして2人はシェルシのアイデアを理論的に発展させ、スペクトル音楽の方向性を見出したのである。
このグリゼーとミュライユの2人をはじめ、ミカエル・レヴィナス、ユーグ・デュフールらが結成したアンサンブル・イティネレールにより、スペクトル楽派の音楽は広く紹介された。これらの作曲家が楽派の第1世代にあたる。当初はIRCAMの座付き演奏団体であるアンサンブル・アンテルコンタンポランやポール・メファノが組織したアンサンブル2E2Mは、諸事情からスペクトル楽派の作品を敬遠していたが、2013年現在はフランス現代音楽の主流としてこれらの団体でも取り上げられ、博士論文の題材としても取り上げられている。
影響
スペクトル楽派の影響はフランスという一つの国籍に縛られず、むしろIRCAMで学んだ多国籍の作曲家に与えた影響が大きい。先述のいわゆる楽派第1世代の作曲家とほぼ同年代に当たるホラチウ・ラドゥレスク、イアンク・ドゥミトレスクはルーマニア人でありながらフランスへ渡り、本家とはやや趣を異にした形で作曲している。その次世代にあたるフィリップ・ユーレル、フィリップ・ルルー、ジャン・リュック・エルヴェ(以上フランス)、カルロ・アレッサンドロ・ランディーニ(イタリア)、さらにそれに続くロザリー・ヒルス(オランダ)、アントン・サフロノフ(ロシア)、カタリーナ・ローゼンベルガー(スイス)など、楽派の影響は国籍を超えて発展した。オーストリアのゲオルク・フリードリッヒ・ハース、イタリアのマルコ・ストロッパ、イヴァン・フェデーレ、ファウスト・ロミテッリ、マウロ・ランツァ、イギリスのジョナサン・ハーヴェイ、ジョージ・ベンジャミン、フィンランドのカイヤ・サーリアホ、マグヌス・リンドベルイ、スイスのミカエル・ジャレル、その他南米の作曲家たちなどが、このスペクトラルな語法と自国の潮流や自分の個性をブレンドさせ、各国に影響を伝播している。日本の作曲家ではアンサンブル・イティネレールでピアニストを務めた野平一郎を始めとして、夏田昌和、金子仁美、後藤英などがIRCAMでスペクトラルな語法を学び自己の作風に応用し、また一部は日本でスペクトル楽派の理論を教え広めつつある。
IRCAMの三番目のCURSUSプログラム教習生の望月京はスペクトラルな理論に明らかな影響を受けながらも生み出す音響はスペクトラル典型にならない個性を持っている点で、IRCAM受講者として珍しい例であるとも言われている[1]。また、IRCAMのコースで研修を受けたが、その後、ピアニストとして全く別系統のレパートリーを身につけて独自の活動に到ったフランチェスコ・リベッタのような者もいる[2]。
指導
現在IRCAMはCURSUS 1とCURSUS 2の二つのカリキュラムで、スペクトル楽派に伴う諸ターム及びコンピュータの教習を行っている。 季刊『InteCommunication』では、野平一郎がスペクトル楽派について触れた文章が1994年に発表された[3]。