【アコギな話】江戸時代 Martin(マーチン) 【オダテツ3分トーキング】

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  • เผยแพร่เมื่อ 21 ม.ค. 2025
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    織田哲郎:
    今日紹介するギターはですね、こいつでございます。
    型番はよくわからないんです。作られたのが1850年頃っていうことで、要するに日本はまだ、いわゆる「江戸時代」ですね。安政とかなんか、そういうことらしいですけどね。
    感慨深いですよね。こっちがちょんまげしてる頃に、ギター弾いてたかと思うとね。
    別に俺、そんなに「マーチンマニア」とかなわけじゃなくって。
    楽器屋の人からね、「面白いものがあった」っていうことで、これを見せていただいて。
    別にそのマニアとして、コレクトしようとかいうことは、何もなかったんですよ。
    最初はこう「ふーん」って感じだったんだけど、スタジオでマイクを通して録ってみたんですね。そうするとすごい、いい音なの。「アラ!何だこれ」。
    やっぱりほら、もういい加減「おじいちゃん」もおじいちゃん。おじいちゃんというより「ゾンビ」近い。そういうギターなんで、最初ちょっと「ショボくね?これ」って思ったんだけど、しょぼいどころか。
    これがですね、やっぱり、音が派手だと、本当の音の芯の太さって、よくわかんないとこあるんだけど、マイクを通しちゃうとね、すごくよく分かるんですね。
    もうね、「なんだ、このキレイな音は!」ということで、びっくりして買っちゃったわけですね。
    私の曲で言うと、買った頃に作ってた「Songs」ってアルバムで「揺れる想い」のイントロでね。
    みたいなことを弾いているのが、本当にいいんです。
    このギターは、やっぱ「木の鳴り」がさすがにすごくて。
    鉄弦ですから「フォークギター」っていう要素と、でもなんかこう「クラシックギター」みたいな響きがあるんですね。
    こういうことを弾くと、ちょっと独特の音像として、持ってるギターでも、「これしか出ない音」っていうのが出るんですね。
    最近だと「W FACE」の「砂の城」か。
    「W FACE」、本当にいい曲ばっかりなんで、ぜひ買って聴いてください(笑)
    その「砂の城」っていう曲も、やっぱりチェロとかフルートと一緒に、このギターがやってるんだけど、そういう事やるとね、独特の、ちょっとクラッシックギター入った、そういう響きが、不思議な、たまらないで世界がありまして。
    で、これ買ったばっかりの頃はね、素敵だなと思ってね、調子に乗ってストロークも。
    ストロークもいい音するんですよ。でもストロークは後で聴くと、ちょっとなんだか、暗い…っていうのとはちょっと違うけど、やっぱ「若々しさはない」ですね。
    しかもあんま強く弾く意味がないっていうかね。
    弱く弾いてもね、木がよく乾いてるから、音がよく響くんですよ。
    そこらへん「すごいなー」って。
    で、1850年代、その頃のギターで、こんだけ状態がいいっていうのは、相当珍しいらしいんですよ。
    ていうか、こんな話をしてると「さぞかし、これ高いんじゃないの?」って思われるかもしれませんが、これがね、そんなことなかったんですね、ぶっちゃけ。
    D-45とかに比べたらもう、全然安い値段で買えたんですよね。
    それどういうことかって言うと、バイオリンとかだと、何百年も前のバイオリンでも、例えばストラディバリウスとか、そういうものは、ものすごい価値が今でもずっと同じくあるわけですね。
    ギターはそういう意味では、どっちかと言うとね、なんか扱いが「道具」なんですよ。
    なので、「実用に耐える年数過ぎちゃったんじゃない?」って言う、どっちかというと車みたいな感じですね。
    「古くて値打ちがある」というよりは、もう「そんな古いものは使いもんにならんでしょ値段」って、そういう感じだったんですよ。
    でもね、1回なんかのテレビの番組で、お宝鑑定的なあれで、これを買ってから10年ぐらいしてからかな、調べてもらったら、「今はちょっと値上がりしてる」って言われて。
    なんでかって言うと、「マーチンが博物館を作った。なのでたぶん博物館が欲しがるであろう」ということでの値上がり見込み、みたいなね。そんな感じなんですけどね。
    でもまあ俺は、やっぱこれしか出せない味わいっていうのがあるんでね。今後もずっと、実用として、きちんとこの子の出番には、この子しか出ない音があるんでね。
    「この子」じゃないですよ全然、この子どこじゃない(笑)、「このお方」にしか出せない味わいっていうのは、本当にあるんで。今後もね、ずっと使っていきたいなぁと思ってるんですよ。
    そういえばね面白いのが、これケースも一緒についてきたんですけど。ケースこれです。
    考えてみればね、1850年ですから、いわゆる、石油製品で作るようなケースとか当然ないわけですよ。
    木で作られた、このまあ…ドラキュラの棺桶的な。
    なんだろう。こいつらがね、どういう場面で、どういう人たちに弾かれて、どういう…なんかほら、うちらが映画でしか知らないような場面でね、使われたりしてたのかな〜みたいなこと思うとね。なにしろねぇ、こっちは、ちょんまげしてるのに。連中はこんな陽気なことやってたんだなあと思うとね。
    感慨深い物がありますが。そんな訳で今日は、“江戸マーチン”でした。

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