【音楽ガチ分析】伊福部昭『ゴジラのテーマ』~ 日本音楽史の傑作。クラシックの常識をぶち壊す破壊神に迫る
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- เผยแพร่เมื่อ 7 ก.พ. 2024
- 作曲家のトイドラが、伊福部昭作曲の『SF交響ファンタジー第1番』からの抜粋で、「ゴジラ ‐ タイトルテーマ」を分析します。
「ゴジラ」シリーズのメインテーマ曲です。
質問・意見はコメントにて。
☆楽譜の動画→ • 【耳コピ楽譜】伊福部昭『ゴジラのテーマ』
〈伊福部昭〉
民族的な作風を特徴とする、日本音楽界の重鎮。
北海道に生まれて幼いころから民族音楽・芸術に触れ、ほぼ独学で音楽を学びながらもアカデミズムの頂点に上り詰める。
音楽教育者としても知られ、後世に大きな影響を残した。
☆☆☆追記☆☆☆
テーマ部がゴジラの神聖さを表現していると動画中で述べましたが、コメントで「ゴジラを表現しているのはイントロ部で、その後のテーマ部はゴジラと戦う自衛隊を表現している」とのご意見を複数いただきました。
もしソースなど知っている方がいれば、ぜひコメントでお教えください。
〈総評〉
【楽式】
・前奏の後、明確なテーマを何度も繰り返す。
→最初に反行形がある以外、音形は全く同じものの繰り返し。
【リズム】
・あからさまなオスティナート。
→きわめて表打ちのリズムを何度も繰り返すことで土俗的高揚感を得る。
→オスティナートと変拍子の相性が極めて良い。
・変拍子が印象的でキャッチー。
→どこか超然的で得体の知れない雰囲気も出ている。
・太鼓類を使い祭祀のようなビート感を出す。
【メロディ・和声】
・コード進行は平行和音だけでできている。
→Fを基準に上下にずれるだけ! 極端にシンプル。
→旋法性を感じさせ、厳か。
→西洋音楽的な解決進行は一切見られない。
→メロディと伴奏も平行移動(連続5度)。クラシックの常識を打破。
・重厚な空虚5度(パワーコード)で分厚い低音を作る。
→連続5度は積極的に使われる。
・コードの移り変わりが非常にゆったりしており、調的中心を感じにくい。
→FやEに解決感を感じる。
【オーケストレーション】
・厚みのある音響で満ちている。
→弦の中低音(チェロ・コントラバス)・木管低音(バスクラリネット・ファゴット)に加え、チューバやピアノの低音も重ねられる。
→ティンパニが中低音の厚みを出すためにとりわけ使われる。
→高音域の音がそもそもあまり出てこない。
・チューバやトロンボーン、ホルンのバリバリした低音により、怪獣映画らしい固く厳格な雰囲気を演出。
→金管のffによる音割れを効果的に使用。
・緊張した劇的な雰囲気は、トランペットが一手に担う。
→甲高い木管(ピッコロ・フルート・オーボエ)に細くトランペットを重ねる。
・木管は柔らかさではなく甲高さを出すために使われる印象。
→クラリネットの存在感が薄い。
→柔らかさは木管低音&弦の中音域で出す。
・ピアノのトーン・クラスターを打楽器として用いる。
【表現】
・テーマ部ではメジャーコードしか使われていない!
→ただ怖く不気味なのではなく、神聖で厳かな雰囲気の描写。
・西洋クラシックの逆を行く土俗的な音楽性。
→平行和音・オスティナート・12音技法の和声的使用など。
→高度経済成長期の西洋的発展に対するアンチテーゼ。ゴジラのメッセージ性とも一致!
・立脚しているのがアイヌ音楽なので、右翼でも左翼でもない音楽性に。
→弟子にも右翼・左翼共にいる。
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作曲家のトイドラ → tomita-haruki.studio.site/
#ゴジラ
#godzilla
#伊福部昭
#音楽理論 - เพลง
伊福部さん自身ストラヴィンスキーから影響を受けたり、ゴジラのメロディはラヴェルのピアコンからの影響があると言われてたり、クラシックの常識を破壊していると同時にちゃんとその文脈の中にも存在しているのが面白いですね。シンフォニアタプカーラなどの芸術作品も素晴らしいので沢山の人に聞いてほしいです…
ラヴェルのピアコン聴きましたが3楽章の道中のフレーズがまんまで笑ってしまった😂
確かに、クラシックの文脈自体には沿っているからこそ、アカデミズムに受け入れられたんですね。
ラヴェルのピアノコンチェルト3楽章聞きましたが、確かにメロディそっくりで面白いですww
ゴジラのテーマで見られる変拍子は同じく伊福部昭作曲の交響譚詩の第一譚詩にも出てきますね。その独特な音楽語法はファンから伊福部節と呼ばれていました。
『ゴジラ-1.0』の監督、山崎貴のインタビューによると、
本来なら、この動画におけるプリイントロの部分が「ゴジラのテーマ」、それより後ろの部分は自衛隊などの「戦う人たちのテーマ」だそうです。
それを踏まえると、ゴジラのテーマが半音階を使っておどろおどろしい感じになっているのも納得ですし、
戦人のテーマがメジャーコードだけで構成されているのも、どこか隊員の士気を煽っているような感じがするようにも思えてきます。
伊福部先生のことを、平成ゴジラシリーズのプロデューサーだった方は、「ハリー・ポッターの校長先生のような人で何でも知っている人」だったとおっしゃっていました。もちろん作曲家のバイブルである管弦楽法をお書きになっているくらいですから、楽器の奏法やオーケストレーションについては山のように知っている。だけれども、彼の音楽は、聞いてみると西洋オーケストラの反対をいくようで、しかもシンプルで分かりやすい。でも楽譜を見ると、丁寧な書き込み、こだわりがある。こういう人こそ、知っているのに、知識をばらまかず、誰でも書けそうで書けない音楽を書く、「本物の巨匠」である。PS昔、伊福部先生は音楽のことを何もわからず作曲しているとよく言われたそうです。
このような解説を聞くと、ゴジラのテーマがなぜ忘れられない曲になるのかわかったような気がします。12音であり、12音でない、変拍子となっているなど、実に興味深い曲です。
めっちゃ面白かったです! こういう系統だと鷺巣詩郎とか葉加瀬太郎の解説も聞いてみたいです。
Eを主音とするフリギア旋法で間違いないと思います。伊福部先生が19歳で書いた「ピアノ組曲」の「盆踊り」に、やっぱりE→Fの和声進行があるのですが、はじめて楽譜を見たときは、盆踊りにこんなスペイン風の和声を使うのか思いましたが、ピッタリって感じでした。
聞いてみましたが面白いですね!
Fに解決したと見せかけてすぐにF\Eへ落ちるのが印象的です。
以前投稿した日本和声の動画でも話したと思いますが、日本の民謡音楽はフリギア旋法に近い音階を用いているので、不思議と日本っぽさが出ますね。
バルトークの言葉、「12音を全部使っても調性が保てることを、シェーンベルクに教えてやりたかった…」を思い出してしまいました。 シェーンベルクにしたら「そういうことじゃないんだよな~」なんでしょうけど。(笑)
テーマソングの印象的な映画としてターミネーター2もありますのでそちらの分析も興味深く感じました
お疲れ様です。
このテーマ曲がフリジアンを中心ということはロック🎸⚡️に直すともっとすごい楽曲かなと思います。
あと、『モスラ』のテーマ曲はあの古関裕而氏が手掛けました。
こちらはかつて戦地だった南アジアを尊重しようとそちらの音楽性を中心としております。
『モスラ』×古関裕而氏も解説をお願いします。m(_ _)m
ゴジラの曲も良い曲ですよね。怪獣大戦争マーチとかも。
最初は 何だこの汚い音は と受け付けなかったんですが、聴くうちに良くなって、たまに無性に聴きたくなるスルメ曲になりました。
連続5度ですが倍音を考えると5度は常に鳴っているわけで、いわゆる声部の独立を考えると禁則ですが、音色のオーケストレーションとして考えて一声部の倍音と考えるとよくある禁則が現実に即してない問題が結構解決すると思ってるんですがどうでしょうか。
ボレロもそれぞれを個別の声部と考えると執拗に連続しますが、あれは連続ではなく一声部の音色を変えているという解釈だと思うのです。
このゴジラも空虚5度にしているあたりが一声部を響きとして補強しているようにも思います。
そして音色として倍音が重なった声部を含む四声体を考えたりすることでより様々な分析ができるのかなと考えてました。
とても鋭い観点ですね!
まさに同意見です。
オクターヴ重ねや完全5度重ねのヴォイシングは、音響学的には倍音が溶け合って音色の変化として知覚されるようなので、単一の声部を作るためのオーケストレーションとしてとらえると非常にしっくりきますね。
この動画を見ながら、ゴジラのテーマの断片を聴きながら、伊福部昭とムソルグスキーとの共通点がどうしても頭に浮かんできました。
正式な、本格的な音楽教育を受けていない点、アイヌの音楽とロシア音楽、いずれも民族音楽からの影響。
ゴジラのテーマを聞いていると「はげ山の一夜」が想起されて、共に土着的な響きを出していること。
単にこの二曲が私の中で似ていると感じたのでこじつけかもしれませんが ^_^;
「ゴジラ、ゴジラ、ゴジラがやってきた」とか「ゴジラ、ゴジラ、ゴジラとメカゴジラ」とかの歌詞が巷では勝手につけられていますが、
メロディーの「ドシラ」の音の繰り返しは「ゴジラ」から来ている説はあるかもしれないですね。
なるほど、シンプルながら面白い説ですねww
このメロディ自体はゴジラの前から様々な場所で使っていたので、その説にはちょっと無理があります。
@@pakulika そうなんですか?!
浅学にして知りませんでした。
もしよければ例など教えていただけると勉強になります。
@@pakulika そうなんですか!
浅学にして知りませんでした。
もしよければ、他にどこで使われているのか例を教えていただけると勉強になります。
同曲の別アレンジ版の昭和23年映画「社長と女店員」主題曲は(コメディ映画だったらしいですけど)、ピアノのグリッサンドが軽快な曲で、アレンジでこんなに雰囲気代わるんだなって思いました。ミニマルミュージックを始めて意識した曲です。
こんな別アレンジ版があったんですね!
あまりに直接的な同メロディで驚きです。
勉強になります。
イントロEコードからBbコードつまり裏コード移動。本体への移動は、Key in FのⅣ からⅠを利用 。本体は、Fリディアモードの主和音と特性音和音の移動。更にEフリジアンドミナントへの移動で場面転換。
伊福部作品に「土俗の乱声」ってあるけど、まさに伊福部サウンド自体が土俗なんだよなあ
2フラット7のF7からTonicのEmajorへの解決の繰り返し?
と解釈できないでしょうか?
動画中で解説しているE-フリギアンとする解釈が、その解釈に近いですね。
th-cam.com/video/3CJTA7gx7Ak/w-d-xo.htmlsi=XCv5CXQiPM7_z_Ta
このインタビュー動画の8:38あたりからゴジラのテーマについて語っているので参考になればと思います
これは助かる情報源です!
語られていて参考になりますね。
ありがとうございます。
土俗的というよりHR/HM的、という感じがする。
そういえばSymphony Xのマイケル・ロメオがカバーしてますね
むしろ自分は、ハードロック・ヘヴィメタルにも民族音楽的な高揚感とよく似たカッコ良さを感じます!
深い!音楽分析から見た、土俗性。西洋文明の破壊。ゴジラのメッセージ性。