忍足謙朗 元国連WFPアジア地域局長 「国連と日本人」④ 2016.3.3

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  • เผยแพร่เมื่อ 2 มี.ค. 2016
  • Kenro Oshidari, former World Food Programme (WFP) Regional Director for Asia
    国連世界食糧計画(WFP)アジア地域局長など、人道支援の現場を中心に30年以上国連で勤務した忍足氏が会見し、記者の質問に答えた。
    司会 秦野るり子 日本記者クラブ企画委員(読売新聞)
    www.jnpc.or.jp/....
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    記者による会見リポート
    世界の不平等をもっと知ってほしい
    世界食糧計画(WFP)は年間300万トンの食糧を飢えた人々に届ける世界最大の人道支援機関だ。忍足さんは35年間、国連で働きWFPアジア地域局長のポストで昨年退職した。国際協力のプロとして「情熱大陸」「プロフェッショナル 仕事の流儀」「世界一受けたい授業」など日本のテレビでも紹介されている。
    国籍欄のない国連レセパセ
    「国連と日本人」と名付けたシリーズ企画のゲストだが、ポケットから赤い小型ノートを取り出していった。「この国連のパスポート、レセパセ(laissez-passer、国連が発給する渡航文書)っていうんですが、35年前にもらった時、中を見ると国籍が書いてない。その時、これからは日本人としてではなく、無国籍の国際人として仕事をするんだ、と考えたんです」
    2006年、WFPのスーダン代表を務めた時、部下の国際スタッフは77カ国から集まった。「国籍が違うから大変だったでしょ、とよく聞かれるが、大変だと思ったことはない。いろんな国の人と同じゴールをめざす。それが国連の喜びなんです。生まれ変わったら、もう一回やると思います」
    語り口は穏やかだが、国籍を超えた生涯の仕事への誇りと自信はだれにも負けないのだろう。
    メディアの仕事 何とかならないか
    久しぶりに日本で暮らすと、いくつもの疑問がわいてくるらしい。ひとつはマスメディア。
    「紛争地を回って出くわすのはCNNやBBCです。われわれより先に入っている場合もある。そのバイタリティーが、日本のメディアには少なくなってきた気がする。日本でニュースを見ていると内向きですね。世界の不平等、不公平を日本の人にもっと知ってほしいし、それはメディアの仕事ではないでしょうか。もう少し何とかならないか、というのがぼくからのお願いです」
    日本記者クラブで話す以上、これだけは言っておきたかったのかもしれない。
    もうひとつは日本のNGOが日本政府の方針で紛争地から撤退していくこと。「南スーダンでもアフガニスタンでもほかの国のNGOは活動しているのに、日本政府が撤退させる。現地の人や国際社会からどう見られるか心配です」
     
    毎日、飛行機50機、船30隻、トラック5000台で食糧を運ぶ
    WFPの仕事は「大きな輸送集団です」と意外な表現を使った。「毎日、飛行機50機、船30隻、トラック5000台が世界で動いている。そうやって必要な人たちに支援物資を届けるのがわれわれの使命です」
    戦争、地震、津波、気候変動。理由は違っても、貧困と飢餓は次々に人々を襲う。「栄養不良のため死んでしまう5歳以下の子どもは年に300万人もいる。一日あたり8500人です。いまこうやって話している間に世界で子どもが死んでいる。われわれはサイレント・エマージェンシーと呼んでいます。報道されない緊急事態、ですね。そのセーフティーネットにならないといけない」
    具体例として「北朝鮮の現場に支援食糧は届いているか」と質問が出た。「北朝鮮には私も10回行った。WFPには『ノーアクセス、ノーフード』のポリシーがあるのです。われわれが学校、幼稚園、病院、家庭に入りモニタリングができない場合は支援しない。基本的には届いている、と確信しています」
    国際機関で働く人々を束ねるリーダー像を聞かれると「自分の仲間、部下の意見をよく聞いて判断する。ぼくは上を気にしないで、下を気にして仕事してきたんですね。なので、上からは嫌われるかもしれない」。最後は会場を笑わせた。
    日本記者クラブ専務理事
    中井 良則

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