“日本最古”学生寮 退去めぐり対立激化

2018年10月21日放送・サンデーステーション
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京都大学の敷地内に学生寮である吉田寮がある。古き良き時代の空気を未だに残した木造2階建ての寮で、今までにノーベル物理学賞を受賞した赤崎勇さんや「檸檬」で知られる梶井基次郎など日本の誇る人材を排出してきた。京都大学は老朽化を理由に9月いっぱいの立ち退きを学生に要求したが、学生は反発し未だに100人が暮らすなど対立が続いている。大学としては不法占拠であると警告し、学生としては話し合いがしたいのに場を設けてもらえない状況だ。家賃は月2500円、入寮条件は京大生であることのみで、共有スペースも学生達の交流の場として機能している。新入寮生は最初の2ヶ月間、大部屋での共同生活をして交流を深める。築105年で、最古の学生寮とも呼ばれる吉田寮は昔から自治寮として寮生が寮の管理・運営を担ってきた。調査を行った建築家は「建築当時は優秀な生徒は北寮に割り振られ、バルコニーのある、一般人よりもモダンのある生活が出来ていたのではないか。」と語り、「今もなお寮として使われているという点も含めて建築学的にも貴重な建物だと」述べた。
そんななか、京都大学は去年12月に老朽化と耐震不足を理由に全寮制の退去を通告した。 退去期限は9月30日となっていた。寮生らは大学窓口に抗議をしたり、質問状を出したりしたが、基本方針で決まったことだからという言葉しか返ってことなかったとのこと。京都大学は退去後の寮の存続に対して明言を避けており、寮生は一方的な通告で寮の取り壊しもあり得ると危惧している。寮生らは一般市民にもその価値を知ってもらうために吉田寮の見学ツアーを開催。さらに、寮の耐震改修法や活用のアイデアを一般から公募するプロジェクトも立ち上げた。一方で不安から退寮という苦渋の決断をする寮生もいる。「大学側に一度寮に直接来てもらい、生活を見てもらった上できちんと話をしたい。」と1人の寮生はコメントした。スタジオでは大学側の意見を「これまでの交渉で、寮生の安全の確保という点について建設的な話ができなかった、今は話し合える状態にない。」と紹介した上で、双方の落とし所が見つかるような話し合いができればよい、と話した。