みなさん,こんにちは!1999年の京大理系数学より,平面ベクトルの問題です。 平面上に 2 点 A, B が与えられているとき,ベクトル方程式が表す点 P の軌跡はどういうものか問われています。 良くも悪くもストレートに,点 P の座標を P(x, y) として x, y の方程式を求めるという手段ももちろんあって,まずはそれを紹介しています。 一方で,座標を設定せずとも答えを出すことができるというのがこの問題の面白いところです。 辺の長さが多く登場するので,それを文字でおけばシンプルな方程式になるでしょ,というわけですね。 座標でゴリ押す,というのは実戦的には大変重要なのですが,後半の解法のように素朴に問題を捉えることもできるようにしましょう!
おっしゃる通り,この動画では P, A, B が三角形をなさない場合について言及できておらず,それは本来好ましくないことです。(大減点ということはないと思うのですが,少々の原点であればされても文句は言えないという感じです。) どのようにこのケースに言及するかですが,"P, A, B が三角形をなさない場合においても,この (余弦定理の) 式は成り立つ。" と書き添えておくのが,実際の試験における現実的な逃げ方だと思います。
みなさん,こんにちは!1999年の京大理系数学より,平面ベクトルの問題です。
平面上に 2 点 A, B が与えられているとき,ベクトル方程式が表す点 P の軌跡はどういうものか問われています。
良くも悪くもストレートに,点 P の座標を P(x, y) として x, y の方程式を求めるという手段ももちろんあって,まずはそれを紹介しています。
一方で,座標を設定せずとも答えを出すことができるというのがこの問題の面白いところです。
辺の長さが多く登場するので,それを文字でおけばシンプルな方程式になるでしょ,というわけですね。
座標でゴリ押す,というのは実戦的には大変重要なのですが,後半の解法のように素朴に問題を捉えることもできるようにしましょう!
解法 2 すき
図形が聞かれる→楕円か双曲線っぽいなー→長さ置いてみよっかなぁで行ける気持ち良さ初見で気付いた時嬉しすぎましたね
京大らしい、シンプルで深い、良い問題ですね!
僕もそう思います。
解法1でした。簡単な問題ならこっちがオーソドックスかな。
楕円の定義に関しては、平面上での2定点からの距離の和が等しいものが楕円と考える人が多そう(?)なので、「PA+PB=√(2c+AB²)となる楕円」と答えても多分減点はされないんじゃないかな?と思いました。
「平面上での2定点からの距離の和が等しいもの」というのは楕円の定義なのか性質なのか、私もよくわかっていないです。...まぁ別にどっちでもいいんだけど...
まあ確かに,そうかもしれませんね。
大抵の数学的対象には、同値な定義が複数ありますからね。自然体数の底eや、対数関数ln()もそうですよね。
初見の時は①のように対称性を持った座標設定をして解きましたが、計算がとても大変でした。試験本番だと緊張して間違えそうです。②の解法はすっきりとしていて、大学への数学だとこちらが採用されそうだなと感じました。
できれば解法 2 で正解したいところですが,実戦的には解法 1 で攻略した受験生が多いように思います。
解法2が発想として出てくるような勉強をしている受験生は、問題の解法を方法論的に捉えられているなと思いますね。(解法1を否定しているわけではありませんが、個人的にはせっかく等式が与えられている問題でいきなりパラメータを新たに導入してしまうのがちょっと不自然で、これを正攻法とするのにはやや抵抗感があります)
与えられた等式から何か出来ないかと考えたとき、「与式の内積をバラして絶対値(共通因数)をあぶり出してみよう」という発想は極めて自然ですし、
そこから「cos が(余弦定理等で)見慣れた形ではないから、余弦定理と合わせて2通りで表して、等式を作ってみよう」と思うのも自然です。(もっと言うなら、これは「角度か辺の長さかどちらかに揃える」という処理方針にも合致します)
その後の処理も、「変数と定数は分離してみる」という鉄板の方針に従っています。
最後、「和が一定値ということは、楕円だ!」と連想する段階は、まさに勉強の賜物といった感じで、こういう知識のアウトプットが淀みなくできるような勉強を常日頃から心がけて欲しいなと思います。
大学側としては,双方の解法を(受験生が書いてくるという意味で)想定していると思いますが,京都大学の先生たちがどちらの解法を期待しているかと問われれば,もちろん根拠はないですが,やはり解法 2 じゃないかと思います。
長さ、又は角度で統一して表す。って言うのは確かに大切な発想ですね.ᐟ.ᐟ
受験では道順がはっきり見える①が出来ればいいですかね。やはり②のような解法があることが数学の面白さですね👍
解法①のx、yの条件の処理上手いですね!普通にグラフの概形から判断しちゃいそうです💦
この問題に関しては,座標を設定してもそこまで複雑な形にならないので,解法 1 でもそんなに損はないです。
角度が絡む問題だと,座標を設定してゴリ押す方法は大変になることが多い印象です。
(解)
大文字の式をベクトルと扱う。
題意より点A, Bは定点であるから、|AB| = |PB - PA| = d >= 0 ⇔ |PB - PA|^2 = |PA|^2 - 2PA・PB + |PB|^2 = d^2 …①
一方、点Pが満たす式の両辺を2倍すると、2|PA||PB| + 2PA・PB = 2c > 0 …②
①と②の和を考えると、|PA|^2 + 2|PA||PB| + |PB|^2 = (|PA| + |PB|)^2 = 2c + d^2 ⇔ |PA| + |PB| = √(2c + d^2) = const.
∴線分PA, PBの長さの和は常に等しいから、点Pの軌跡は点A,Bを焦点とし、2焦点からの距離の和が√(2c + |AB|^2)である楕円を表す。
(発想)
正直、サムネイルを見た瞬間は点P(x, y), 点A(-d, 0), 点B(d, 0), d>=0とおいて、ゴリゴリ脳筋で行こうと思っていました…ですが、サムネイルが別解があることを示唆していたのでちょっと考えてみました。
すると、一見して座標で表示すればx, yの二次式となるので、二次曲線かなと思いました。この時点では楕円、放物線、双曲線が候補です。
さらに、与えられた式はPAとPBのなす角をΘとして、|PA||PB|(1 + cosΘ)= c = const.となるので、|PA||PB|はΘ = 0(A, B, PかP, A, Bの順に3点が一直線上)のとき最小、Θ = π(A, P, Bの順に3点が一直線上)のときに最大(∞)になりそうです。ところが、点A, Bは定点なので|PA||PB|は有限になるためどうもΘ = πは実現しなさそうです。従って、距離∞にはならないため、楕円では問題ないですが、放物線と双曲線ではなさそうです。
そこで、楕円の定義から、2定点を焦点として |PA| + |PB| = const. ⇔ |PA|^2 + 2|PA||PB| + |PB|^2 = const.を示すのが目標になります。この式と与えられた式の2倍の差(足りない部分を確認)を取ってみると、|PA|^2 - 2PA・PB + |PB|^2 = |PB - PA|^2 = const.から|PB - PA| = |AB| = const.となり、ああ、点A, Bは定点だったな、OKと。
解法2で余弦定理を使うのであれば、Pが直線AB上にある場合を分けて考える必要がありますね
確かにその通りですね!
軌跡を求める問題のため座標で楕円を導く解法しか思い浮かびませんでしたが、ベクトルの内積の三角比による解法が斬新的に感じられました。
私が高校生の当時には文系でも必須の「代数・幾何」で、楕円方程式とベクトル、行列をセットで学んだので、1996年以前の入試問題では文系数学の入試の範囲内だったと思われます。尤もベクトルは三角比も未知の高校1年の初めに物理の時間の力学の単元で教わったため、数学の時間のベクトルの内容との隔たりが感じられ、難しく感じられ当時は苦労しましたが。
来年からはベクトルが数学Cに移されて文系数学の範囲外になるとのことですが、ベクトルは大江健三郎のエッセイでも言及があり、文学部でも必須の教養と思いますので、高校で物理が基礎を含めて必須でないことを踏まえと新学習指導要項の線形代数の位置付けには問題があると感じます。
いやーほんとそうなんですよ。
一応我が国は AI 人材を育成したいはずなのですが,ベクトルや行列といった線型代数の学習が高校でなされない,または後回しにされることになり,正直迷走していると言わざるをえません。
解法2かっけー!!
いいですよね。僕も好きです!
A(l、0) B(-l、0)とする考えがありませんでした……
自分で置いた文字を解答に使ってはダメと勝手に思い込んでいたので新たな発見が出来ました
面白い問題ですねぇ
解説されてみると大したことはないのですが,自分でゼロから答案を組み立てる力が問われますね。
本番だと座標で解けそうなので、そっちに走っちゃいますね。
そうなんですよね。この問題はそこまで苦労せずに解けるのですが,こんど紹介する東大文系数学の角度の問題とかは,何も工夫せずに座標設定をすると大変な思いをします。
解法2において、3点P,A,Bが三角形を作らない場合についての言及はしなくて良いのでしょうか。もし必要があるならば、その部分の答案がどんな感じになるのか、ざっくりで構いませんので、教えていただけると幸いです。
おっしゃる通り,この動画では P, A, B が三角形をなさない場合について言及できておらず,それは本来好ましくないことです。(大減点ということはないと思うのですが,少々の原点であればされても文句は言えないという感じです。)
どのようにこのケースに言及するかですが,"P, A, B が三角形をなさない場合においても,この (余弦定理の) 式は成り立つ。" と書き添えておくのが,実際の試験における現実的な逃げ方だと思います。
他の方のコメントで見て考えてみたのですが、余弦定理という名を用いると三角形を前提とするのでPがAB上にある時を考えなければならないと思いますが、ベクトルの関係式として同じ変形を行えばその必要が無くなるのではないでしょうか。
ベクトルの差の大きさを 2 乗する,ってことですよね!
ありがとうございます
いつも難しそうな問題を解説されてますが、神戸大の標準レベルの問題は解説しないんですかね?
今のところ扱う予定はありません!東大・京大が中心で,今後もしばらくこれらの大学の入試問題解説が続きます。
@@884 なるほど!!やっぱり東大レベルの問題の方が解くの面白いんですかね~?
難易度という意味では取り組みがいはあると思います。
僕個人についていうと,最難関大学に絞ったほうが自分らしさを発揮しやすいと考えているので,こういったラインナップにしています。
(神戸大学の入試問題解説を希望されていたのであれば,ごめんなさいね💦)
ありがたい動画です
同値変形記号を書く勇気がありません笑
"同値記号は書くな" と指導する先生もいらっしゃいますし,その気持ちはよくわかります。
定数cが変数だったら…?通過しない範囲って無いかな?
任意の点 P に対して,逆に左辺の値に合うように c を定めればよいので,平面上の任意の点が通過領域になります。
もちろん,c > 0 の範囲なら線分 AB 上は答えに含まれませんが。
こんにちは
高3文系で数強を目指しているのですが、このチャンネルの問題を毎日解き切ったら相当な力がつきますか?
東大や京大の入試問題を扱っているので,大学入試で数学を得点源にするには十分だと思います!
ありがとうございます
毎回取り組んで身につけていこうと思います
はい,頑張ってください🔥
数学をガッツリ鍛えれば,国公立入試や私立の難関入試で大きな武器になるはずです!
なんか知らんけど喋り方が癖になるww
一応喜んでおきます笑
ベクトルだけど...
数Bの範囲で合ってる?
ベクトルは 数学B の範囲です。
今回の問題の答えである楕円は二次曲線と呼ばれる曲線の一種で,二次曲線は 数学III で扱います。
@@884
返信ありがとうございます
数3の範囲も跨がるのか...
どうりで理解できないわけだ
@@dimitrovniko608 数学III の範囲かどうかは,インターネットで「数学 楕円」などと検索することにより,自身でも調べられますよ!