Boutry : Divertimento Yuki Yoshio & Yukihito Otake

R.Boutry : Divertimento pour Saxophone alto et Piano
Saxophone : Yuki Yoshio saxophoneyuki.com/
Piano : Yukihito Otake yuki-take.com/
2022/08/14
吉尾悠希サクソフォンリサイタル
＠彩の国さいたま芸術劇場
　ロジェ・ブードリー（1932-2019）はフランスの作曲家であり、ピアニスト、指揮者、音楽学者として活躍した。
1954年にはローマ大賞を、1958年には第1回チャイコフスキー国際ピアノコンクールのファイナリスト選出と、多くの権威ある舞台に登場し、国際的な名声を獲得した。多くの管楽器奏者にとって重要なレパートリーを残し、本日演奏する「ディヴェルティメント」もサクソフォン奏者にとって重要なレパートリーの一つとなっている。
　第1楽章においては、特にジャズの要素がインスパイアされており、表現力の高いテンションノートを含む和声帯の上に、サクソフォンはペンタトニックスケールを主体としたメロディが展開されていく。中庸な速度で楽曲は進んでいくが、実際に演奏されるリズムはフェイントとトリックの連続だ。
　第2楽章では、フランスの気怠さの象徴である「アンニュイ」な空気が音楽全体に広がり、楽曲全体の雰囲気はジャズ音楽のブルースを想起させている。
呻きのような叫びはだんだんと大きくなるが、やがて虚になり消えていき、やがて内に秘めた禁忌を暴露するような、叫びに近い技巧的なカデンツァが急速な第3楽章への始まりを誘う。
　切れ目なく始まる第3楽章、8分音符の反復をベースに、サクソフォン、ピアノともに技巧的でリズミックなパッセージが目まぐるしく現れる。小さなロンド形式の楽曲。
終結部では、第1楽章の副主題をピアノとサクソフォンの両者が再現し、耳で追えないような速さの(!?)サクソフォンのパッセージと、３拍子を5つに割る(!!??)ピアノのメロディがフィナーレを誘う。