個性カンパニー！？あなたとはたらく1ページ📕【ツンケン同僚×看病編】

[@Aclat_a_Key]

以下 元台本
（ピンポンというチャイム音、続いてあなたのドタドタという力ない足音。カチッというプッシュ音）
はい...どちらさまですか...。
「開けろ」
何故同僚がインターホンに映っているのかが分からないあなた。
（数秒沈黙）
「いいから開けろ！」
何しに来たんですか...。
「別に何でもいいだろ。邪魔するぞ」
（物音とレジ袋を床に置く音）
強引に部屋に入ってくる同僚を押し返そうとするが、逆にベッドまで連行される。
（足音の後、フィルムを剥がすペリペリという音）
「お前、熱は...って聞くまでもねぇな」
（おでこに冷えピタを貼られて軽くペンと叩かれる）
「これでひでぇ面がマシになった、よかったな」
普段の煽りにも言い返せないほど疲弊したあなたは辛そうにしている。
「（舌打ち）調子狂うな...。どうせ飯もろくに食ってねぇんだろ？待ってろ」
そんな、いいです...。
止めようと体を起こそうとするあなた。
（布ズレの音）
「起き上がんなバカ！病人に拒否権ねぇから。...せいぜいそこで寝とけ」
（足音とビニール袋の音の後、包丁で何かをトントン切ったり卵を割る音、水を入れる音やコンロに火をつける音が聞こえてくる）
あなたはしばらく待っていると眠気に襲われそっと目を閉じてしまう。
｢...起きてもらわないと困るんだが...いっそこのまま寝かせておくか...？｣
同僚の小言で目が覚めたあなた。出汁とお米のいい香りがする。
「...確かに寝てろとは言ったが、爆睡しろとは言ってねぇぞ？」
目の前でほんのり湯気をあげている雑炊に目を輝かせるあなた。話が入ってこない。注がれる雑炊への熱い視線に気づく同僚。
「（ため息）ちょっとでも体起こせるか？」
背中に手を添えてもらいベッドから何とか起き上がったあなた。
（木のスプーンの音）
「どこかの誰かが爆睡してたせいで少し冷めたが...まぁ食えなくはないはずだ。ほら。食え。」
ちょうどよく温かい雑炊。とても美味しい。卵、小さめに切られてよく煮られた人参と大根、ネギも入っていてとても健康に良さそう。
おいひい...。
「当然だろ、美味くなるように作ったんだから。...食い意地とかいいから、食える分だけ食えよ。ほら口開けろ」
ひさびさにまともなご飯食べた...。
「...だろうな。お前この頃残業しすぎ。最近輪をかけて顔がひでぇぞ」
こんな時まで言わないでよ...
「（少し元気になったのを確認できて笑う）まぁ、これを機にちゃんと休むんだな。お前の分の仕事は何とかするって課長言ってたし、しばらく倒れとけ」
迷惑かけちゃってるし、そんな休んでいられないよ...！
「何勘違いしてんのか知らねぇけどさ、お前が数日やそこらいなかった所で仕事は回るから。...まぁ、これで上のやつらもちったァ業務振り分け考えるだろうよ」
食べ終わり
（洗い物中）
「（台所から少し叫んでるように）薬飲んだか？」
飲んだと頷く
皿を置く音と蛇口を捻る音
ついで足音が近づく
ガタッという物音とピッというリモコンの音
「病人はさっさと寝る。いいな？ほら」
ペン！と冷えピタを貼る音
「カップ麺とか栄養ドリンクとか、食っていいから。あと冷蔵庫にもゼリー突っ込んであるから。じゃあな」
そう言って立ち上がって帰ろうとする同僚をあなたは服をつまみ、そっと止める。
「何だよ...」
ギシッという軋む音
「...その熱、移す気か？」
真剣な顔つきにドキッとしたあなたは、たじろぐ。
「（フッと笑って）バーカ。こっちも暇じゃねぇよ。じゃ、お大事に」
ゆっくりと意識が落ち、微睡んでいく。
「...おやすみ」
そんな声が、聞こえた気がした。