ขนาดวิดีโอ: 1280 X 720853 X 480640 X 360
แสดงแผงควบคุมโปรแกรมเล่น
เล่นอัตโนมัติ
เล่นใหม่
おもしろいと思ったら動画への高評価、チャンネル登録、通知登録もぜひお願いします。 各動画の備考欄に問題と解答を準備しています。是非とも,腕試しにお使いください。TH-camの講義を楽しむために,目次を用意しております。tomonolab.com/2022/01/22/class_page/
5:30 あたりのHOMO,LUMOの軌道がC側に寄っている、というところが分かりません。両者の2pを比較した時、Oの原子軌道の方がエネルギー的に近くないですか?
八木さん コメントありがとうございます。どこのことでしょうか? 炭素の2sと酸素の2pのことでしょうか?一応、2s2pは色々なダイアグラムを見て参考にしています。www.researchgate.net/figure/left-Simplified-MO-diagram-of-CO-with-electronic-occupancy-in-the-ground-state-The_fig3_221846847/amp
@@tomonoLab すみません、勘違いを起こしていました。丁寧に返信、ありがとうございます。
大丈夫であればよいのですが,今週来月と学会で返信が遅くなりますので,早々に論文の紹介だけで回答しましたが,問題ありませんでしたか? もし、わからない場合はご質問いただければ幸いです。
ヘモグロビンのお話めっちゃ納得で面白かったです😂ありがとうございます。
それはよかった。本書いてるので📕お楽しみに!
わかりやすい動画ありがとうございます。異核二原子分子の2sと2pのエネルギーの高さはどのように考えれば良いでしょうか?今回の場合、左: C、右: Oですが、Cの方が2S、2p共にOより高エネルギーであるのは何をもとに考えれば良いのでしょうか?
ちゅんたろうさん エネルギー準位に掲載されています。ちょっと太めの専門書に各原子のエネルギー準位の図があるはずです。 例えば、こちらの8:57もコットンウィルキンソンかシュラーバーから作製したような記憶があります。> th-cam.com/video/7H0YKyk61V8/w-d-xo.html 何はともあれ原子番号が増えるにつれてどんどん下に行きます!
お忙しい中お返事いただきありがとうございます。イオン化エネルギーを考えて、イオン化するのに沢山エネルギーが必要なのはC
配位結合の問題に詰まっていたのですか、よく理解できました。COをイオン化してCO+とした場合、結合は弱くなりますか?
配位の話ではなく、単純に炭素原子と酸素原子の結合エネルギーです。
@@ラック-w1q COだけの話に限るということですね。ちょうど、執筆中の本で配位の話を書いていたので、そちらと勘違いしそうでした。一酸化炭素(CO)と一酸化炭素から1個電子を抜いた一酸化炭素イオン(CO⁺)の結合の強さを比較するためには、結合次数や結合エネルギーを考慮する必要があります。一酸化炭素(CO):一酸化炭素分子は三重結合を持ち、結合次数は3です。これは非常に強い結合ですよね。一酸化炭素イオン(CO⁺):一酸化炭素イオン(CO⁺)では、一つの電子が失われることで、結合次数が変わります。CO⁺は形式的には二重結合となり、結合次数は2です。結合エネルギーはCOより低くなります。結論として、一酸化炭素(CO)の方が一酸化炭素イオン(CO⁺)よりも炭素と酸素間の結合が強いと考えられます。ご回答になっていますでしょうか?
@@tomonoLab ありがとうございます。もしよろしければ、配位の強さはどのように変化するのか教えていただけますでしょうか。
@@ラック-w1q 配位の強さは様々な要因で決まります。ちょうど執筆でまとめていたので参考人されば幸いです。以下は、配位結合の強さに影響を与える主な要因です。 1. 金属イオンの特性電荷: 金属イオンの正電荷が高いほど、配位子との静電的引力が強くなり、配位結合が強くなります。たとえば、Fe³⁺(鉄(III))はFe²⁺(鉄(II))よりも強い結合を形成します。イオン半径: 金属イオンのサイズが小さいほど、配位子との距離が短くなり、結合が強くなります。小さいイオンは電子雲の重なりが大きくなりやすいです。d軌道の構造: 金属イオンのd軌道の電子配置や空き軌道のエネルギー準位も結合の強さに影響します。例えば、低スピンと高スピン状態では結合の強さが異なることがあります。2. 配位子の特性電子供与能: 配位子がどれだけ金属イオンに電子を供与できるかが重要です。強い電子供与能を持つ配位子(π受容性配位子)は強い結合を形成します。例えば、CO(カルボニル)は強い電子供与能を持ち、強い結合を形成します。HSAB(Hard and Soft Acids and Bases)則:硬い金属イオン(高電荷密度を持つ)と硬い配位子(高電荷密度を持つ)は強い結合を形成し、柔らかい金属イオンと柔らかい配位子も同様です。例えば、Cu⁺(柔らかい酸)はPPh₃(トリフェニルホスフィン、柔らかい塩基)と強い結合を形成します。3. 配位子の数と配置配位数: 一つの金属イオンに結合する配位子の数が増えると、錯体の安定性が増すことがあります。これを「配位安定化効果」と呼びます。配位子場効果: 配位子が金属イオンのd軌道にどのように影響を与えるかも重要です。例えば、配位子場理論(Crystal Field Theory)によれば、強い配位子場を形成する配位子(NH₃、CN⁻など)は、金属イオンのd軌道のエネルギー分裂を引き起こし、結合の強さに影響を与えます。4. 溶媒の影響溶媒の極性: 極性溶媒はイオン間の静電的相互作用を遮蔽し、配位結合の強さに影響を与えます。極性溶媒では、配位結合が弱まることがあります。溶媒和: 溶媒分子が金属イオンや配位子と相互作用することも結合の強さに影響を与えます。溶媒和によって金属イオンや配位子の電子分布が変化し、結合の強さが変わることがあります。5. 熱力学的要因エンタルピー: 配位結合の形成や解離に伴うエンタルピー変化が結合の強さに影響します。結合形成時に大きなエンタルピー変化(発熱)がある場合、結合が強くなります。エントロピー: 配位結合の形成に伴うエントロピー変化も重要です。例えば、多数の小さな配位子が一つの金属イオンと結合する場合、エントロピー的に不利になることがあり、結合が弱くなることがあります。上記がたぶんすべてだと思いますが、どれが効いているかは実際に系統的な研究を立案実施して、可能性が高いモノを考える必要があるかと思います。どれが効いて、どれが効いていないというよりは、全部が効いているうえで偏りがあるイメージです。 参考になりましたでしょうか?
@@tomonoLab すごく丁寧な解説ありがとうございます。無機はこれからさらに勉強していく予定なので、理解出来るよう頑張ります。
5:45 HOMO由来の電子が炭素の非共有電子対なのでしょうか?もしそうなら、この軌道の書き方では三重結合になる電子もHOMO由来になるように思えるのですが、いかがでしょうか。
あきさん コメントありがとうございます。私の書き方が悪いみたいですね。一応、コチラを参考に書いています。> www.researchgate.net/figure/left-Simplified-MO-diagram-of-CO-with-electronic-occupancy-in-the-ground-state-The_fig3_221846847/ampHOMO由来の電子は,CとOの原子軌道による分子軌道の結果ですので,炭素の非共有電子対だけではないかと考えています。黄色い線が混乱をまねいているかもしれません。酸素側からも白い線が出ています。明後日の回答をしていたら申し訳ありません。アキさんが間違えていると思う箇所をもう少し教えていただけますか? 今後ともよろしくお願いします。
ご返信ありがとうございます。低エネルギー側から考えて、最初のσと次のσ*に電子が入ってるのでここの電子は結合に関与できない。次のπに4つの電子で2つの結合、次のσの電子2つで1つの結合にやって三重結合ができると思ってます。そうなると、C上の非共有電子対はどこのエネルギー準位由来なのでしょうか?またはどこの準位の性質が強いのでしょうか?無理矢理に分けるなら、炭素と酸素の非共有電子対は低エネルギー順位のσとσ*由来なのでしょうか?そうなるとHOMOにはならないので矛盾してしまいますが。まとまってない質問になりますが、よろしくお願い致します。
@@あき-n7h さん 返信ありがとうございます。質問がわかりました。あきさんの疑問に思うのも致し方ありません。COのヘモグロビンへの配位に注力するあまり,三重結合部分の板書については説明が足りてなかったですね。尚、この類似問題は2006年度の筑波大学数理で出題されています。サムネイル画像のエネルギー準位図が見やすいかと思います。あるいは、前回回答したURLのエネルギー準位図の方がアキさんにとっては理解しやすい準位となっているかと思います。ただ,URLのエネルギー準位の場合,炭素の2sと酸素の2pがエネルギー準位が近いにもかかわらず何も分子軌道を形成しない理由を説明は出来ません。さらには,筑波大の回答も含めて,分子軌道のエネルギー準位図は色々と提案されているのが困ったものです。>最初のσと次のσ*に電子が入ってるのでここの電子は結合に関与できない。そんなことはありません。希ガス元素が分子を形成して結合性軌道と反結合性軌道が同程度に分裂する場合,エネルギー的な利得がないために分子ではなく原子として存在することを定期試験では問われますよね。分子軌道も人間が考えた方法ですので,実際どうなっているかは神のみぞ知るですが,例えば原子番号が大きくなるにつれてs軌道による分子軌道のエネルギー準位がどんどん下がっていることからも,結合に関与していないわけではなさそうであることが報告されています。また,今回のCO配位子は炭素と酸素の結合ですので,等核二原子分子と異なり,結合前のそれぞれの原子軌道に比べてエネルギー準位が変化していることから炭素と酸素を結び付ける結合があるとも考えられます。> C上の非共有電子対はどこのエネルギー準位由来なのでしょうか?COのCの非共有結合電子対は,もともとのCのエネルギー準位に近いですよね。サムネイルでも板書でも示しているようにHOMOもLUMOもいろいろな軌道が関与しているようです。>またはどこの準位の性質が強いのでしょうか?COのCがヘモグロビンに配位する際には,炭素側が配位していることから,炭素側の準位の性質が強いとわかります。>炭素と酸素の非共有電子対は低エネルギー順位のσとσ*由来なのでしょうか?そうなるとHOMOにはならないので矛盾してしまいますが。低エネルギー準位による分子軌道はHOMOにもLUMOにもなりません。また,質問お待ちしております。
丁寧な解説ありがとうございます。貴重なお時間を割いていただきありがとうございます。動画内でもおっしゃっていた「COのCの非共有結合電子はもともとCのエネルギー準位に近い」とはどういうことなのでしょうか。私の学が足りず、理解できておりません。ご解説お願いいただけますでしょうか。(おそらく他のコメントの方と同じ質問かと思います)。私のイメージですが、非結合性軌道に酸素から電子2つ(非共有電子対)とさらに他の非結合性軌道に炭素から電子2つ(非共有電子対)が来ている。後者の炭素側からの非結合性軌道の電子がHOMOになっている。つまり、下からの準位がσ、酸素由来の非結合性軌道、π、炭素由来の非結合性軌道(HOMO)、π*(LUMO),σ*になってる方がCOの三重結合と非共有結合をうまく説明できているように思えるのですが、いかがでしょうか。説明が上手くできるのと、実際の結合をどれだけ反映しているかは別だとは思っておりますが。
@@あき-n7h さん コメントありがとうございます。>「COのCの非共有結合電子はもともとCのエネルギー準位に近い」この疑問の回答はシンプルです。先日紹介したURLのページで見られるエネルギー準位やサムネイル画像のエネルギー準位については、すでにイメージがつかめているかと思います。また、有効核電荷やイオン化エネルギーに関する内容についても理解されたかと思います。一酸化炭素の配位に関わるHOMOやLUMOの電子は、酸素にとって非常にエネルギーが不安定な位置に存在することがわかります。実際に計算したことはありませんが、HOMOの電子の位置は、酸素にとってはイオン化(電子が完全に離れる)するには適した位置かもしれません。そのため,電子にとってはより安定に存在できる炭素のエネルギー準位を利用していると考えられますし,妥当な論理展開と思います。>私のイメージですが・・・わかりやすい説明だと思います。せっかくなら,アキさん自身がTH-camを始め、アウトプットを通して自分の興味や学びたいことに関する情報を今以上に見つけることができるかもしれません。また,私自身がTH-camを通して質問されることで自己学習にも非常に役立っています。あきさんもぜひTH-camrデビューをお試しください。一緒に,科学好きを増やしましょう
NO(酸素分子などと同様の分子軌道)やCO(窒素分子などと同じ分子軌道)などでsp mixingによって軌道の順番が入れ替わるかどうか見分ける方法はあるのでしょうか?
まつたけさん 無いですね。計算するとわかるようですが、手計算では当然無理ですし、それぞれの原子の軌道の数値を覚えておくことはあまり意味がないですよね。sp mixingというものがあるとわかっていることと逆転した場合、どうなるかがわかることが大事ですね
@@tomonoLab ご返信ありがとうございます。試験や問題というレベルの話になると、分子軌道を描けと問われることもあるので問われる程度の常識的な範囲(例えば、第2周期の二核分子等)があるのかなと一つ納得しました。ありがとうございました。
一酸化炭素のCとOの2s軌道同士では分子軌道を形成しないと習ったのですが、どうなのでしょうか?また、混成軌道を用いた異核2原子分子の解説や、多原子分子の分子軌道法を用いた解説もできればお願い致します…炭素原子の配位の理由が理解できて、とてもよかったです!
松迅さん コメントありがとうございます。> 一酸化炭素のCとOの2s軌道同士では分子軌道を形成しないと習ったのですが、どうなのでしょうか?両方あるようです。2s同士のエネルギー準位が遠いために形成しない場合と,そんなの関係なく形成する場合とです。そのあたりは,今後の計算科学の進歩によって,「より正確な軌道計算」が報告されるかと思います。>また、混成軌道を用いた異核2原子分子の解説や、多原子分子の分子軌道法を用いた解説もできればお願い致します…現在、量子化学の授業動画を作成中です。後半部分では絡んでくると思うので解説できればと思います。すぐには対応できないかと思います。すいません。>炭素原子の配位の理由が理解できて、とてもよかったです!うれしい限りです。動画を更新するモチベーションになります。今後ともよろしくお願いします。
おもしろいと思ったら動画への高評価、チャンネル登録、通知登録もぜひお願いします。
各動画の備考欄に問題と解答を準備しています。是非とも,腕試しにお使いください。
TH-camの講義を楽しむために,目次を用意しております。
tomonolab.com/2022/01/22/class_page/
5:30 あたりのHOMO,LUMOの軌道がC側に寄っている、というところが分かりません。両者の2pを比較した時、Oの原子軌道の方がエネルギー的に近くないですか?
八木さん コメントありがとうございます。
どこのことでしょうか? 炭素の2sと酸素の2pのことでしょうか?
一応、2s2pは色々なダイアグラムを見て参考にしています。
www.researchgate.net/figure/left-Simplified-MO-diagram-of-CO-with-electronic-occupancy-in-the-ground-state-The_fig3_221846847/amp
@@tomonoLab
すみません、勘違いを起こしていました。丁寧に返信、ありがとうございます。
大丈夫であればよいのですが,今週来月と学会で返信が遅くなりますので,早々に論文の紹介だけで回答しましたが,問題ありませんでしたか? もし、わからない場合はご質問いただければ幸いです。
ヘモグロビンのお話めっちゃ納得で面白かったです😂ありがとうございます。
それはよかった。本書いてるので📕お楽しみに!
わかりやすい動画ありがとうございます。
異核二原子分子の2sと2pのエネルギーの高さはどのように考えれば良いでしょうか?今回の場合、左: C、右: Oですが、Cの方が2S、2p共にOより高エネルギーであるのは何をもとに考えれば良いのでしょうか?
ちゅんたろうさん エネルギー準位に掲載されています。ちょっと太めの専門書に各原子のエネルギー準位の図があるはずです。 例えば、こちらの8:57もコットンウィルキンソンかシュラーバーから作製したような記憶があります。> th-cam.com/video/7H0YKyk61V8/w-d-xo.html 何はともあれ原子番号が増えるにつれてどんどん下に行きます!
お忙しい中お返事いただきありがとうございます。
イオン化エネルギーを考えて、イオン化するのに沢山エネルギーが必要なのはC
配位結合の問題に詰まっていたのですか、よく理解できました。COをイオン化してCO+とした場合、結合は弱くなりますか?
配位の話ではなく、単純に炭素原子と酸素原子の結合エネルギーです。
@@ラック-w1q COだけの話に限るということですね。ちょうど、執筆中の本で配位の話を書いていたので、そちらと勘違いしそうでした。
一酸化炭素(CO)と一酸化炭素から1個電子を抜いた一酸化炭素イオン(CO⁺)の結合の強さを比較するためには、結合次数や結合エネルギーを考慮する必要があります。
一酸化炭素(CO):
一酸化炭素分子は三重結合を持ち、結合次数は3です。これは非常に強い結合ですよね。
一酸化炭素イオン(CO⁺):
一酸化炭素イオン(CO⁺)では、一つの電子が失われることで、結合次数が変わります。
CO⁺は形式的には二重結合となり、結合次数は2です。
結合エネルギーはCOより低くなります。
結論として、一酸化炭素(CO)の方が一酸化炭素イオン(CO⁺)よりも炭素と酸素間の結合が強いと考えられます。ご回答になっていますでしょうか?
@@tomonoLab ありがとうございます。もしよろしければ、配位の強さはどのように変化するのか教えていただけますでしょうか。
@@ラック-w1q 配位の強さは様々な要因で決まります。ちょうど執筆でまとめていたので参考人されば幸いです。
以下は、配位結合の強さに影響を与える主な要因です。
1. 金属イオンの特性
電荷: 金属イオンの正電荷が高いほど、配位子との静電的引力が強くなり、配位結合が強くなります。たとえば、Fe³⁺(鉄(III))はFe²⁺(鉄(II))よりも強い結合を形成します。
イオン半径: 金属イオンのサイズが小さいほど、配位子との距離が短くなり、結合が強くなります。小さいイオンは電子雲の重なりが大きくなりやすいです。
d軌道の構造: 金属イオンのd軌道の電子配置や空き軌道のエネルギー準位も結合の強さに影響します。例えば、低スピンと高スピン状態では結合の強さが異なることがあります。
2. 配位子の特性
電子供与能: 配位子がどれだけ金属イオンに電子を供与できるかが重要です。強い電子供与能を持つ配位子(π受容性配位子)は強い結合を形成します。例えば、CO(カルボニル)は強い電子供与能を持ち、強い結合を形成します。
HSAB(Hard and Soft Acids and Bases)則:硬い金属イオン(高電荷密度を持つ)と硬い配位子(高電荷密度を持つ)は強い結合を形成し、柔らかい金属イオンと柔らかい配位子も同様です。例えば、Cu⁺(柔らかい酸)はPPh₃(トリフェニルホスフィン、柔らかい塩基)と強い結合を形成します。
3. 配位子の数と配置
配位数: 一つの金属イオンに結合する配位子の数が増えると、錯体の安定性が増すことがあります。これを「配位安定化効果」と呼びます。
配位子場効果: 配位子が金属イオンのd軌道にどのように影響を与えるかも重要です。例えば、配位子場理論(Crystal Field Theory)によれば、強い配位子場を形成する配位子(NH₃、CN⁻など)は、金属イオンのd軌道のエネルギー分裂を引き起こし、結合の強さに影響を与えます。
4. 溶媒の影響
溶媒の極性: 極性溶媒はイオン間の静電的相互作用を遮蔽し、配位結合の強さに影響を与えます。極性溶媒では、配位結合が弱まることがあります。
溶媒和: 溶媒分子が金属イオンや配位子と相互作用することも結合の強さに影響を与えます。溶媒和によって金属イオンや配位子の電子分布が変化し、結合の強さが変わることがあります。
5. 熱力学的要因
エンタルピー: 配位結合の形成や解離に伴うエンタルピー変化が結合の強さに影響します。結合形成時に大きなエンタルピー変化(発熱)がある場合、結合が強くなります。
エントロピー: 配位結合の形成に伴うエントロピー変化も重要です。例えば、多数の小さな配位子が一つの金属イオンと結合する場合、エントロピー的に不利になることがあり、結合が弱くなることがあります。
上記がたぶんすべてだと思いますが、どれが効いているかは実際に系統的な研究を立案実施して、可能性が高いモノを考える必要があるかと思います。どれが効いて、どれが効いていないというよりは、全部が効いているうえで偏りがあるイメージです。 参考になりましたでしょうか?
@@tomonoLab すごく丁寧な解説ありがとうございます。無機はこれからさらに勉強していく予定なので、理解出来るよう頑張ります。
5:45 HOMO由来の電子が炭素の非共有電子対なのでしょうか?
もしそうなら、この軌道の書き方では三重結合になる電子もHOMO由来になるように思えるのですが、いかがでしょうか。
あきさん コメントありがとうございます。私の書き方が悪いみたいですね。一応、コチラを参考に書いています。> www.researchgate.net/figure/left-Simplified-MO-diagram-of-CO-with-electronic-occupancy-in-the-ground-state-The_fig3_221846847/amp
HOMO由来の電子は,CとOの原子軌道による分子軌道の結果ですので,炭素の非共有電子対だけではないかと考えています。黄色い線が混乱をまねいているかもしれません。酸素側からも白い線が出ています。
明後日の回答をしていたら申し訳ありません。アキさんが間違えていると思う箇所をもう少し教えていただけますか? 今後ともよろしくお願いします。
ご返信ありがとうございます。
低エネルギー側から考えて、最初のσと次のσ*に電子が入ってるのでここの電子は結合に関与できない。
次のπに4つの電子で2つの結合、次のσの電子2つで1つの結合にやって三重結合ができると思ってます。
そうなると、C上の非共有電子対はどこのエネルギー準位由来なのでしょうか?またはどこの準位の性質が強いのでしょうか?
無理矢理に分けるなら、炭素と酸素の非共有電子対は低エネルギー順位のσとσ*由来なのでしょうか?そうなるとHOMOにはならないので矛盾してしまいますが。
まとまってない質問になりますが、よろしくお願い致します。
@@あき-n7h さん 返信ありがとうございます。質問がわかりました。あきさんの疑問に思うのも致し方ありません。COのヘモグロビンへの配位に注力するあまり,三重結合部分の板書については説明が足りてなかったですね。尚、この類似問題は2006年度の筑波大学数理で出題されています。
サムネイル画像のエネルギー準位図が見やすいかと思います。あるいは、前回回答したURLのエネルギー準位図の方がアキさんにとっては理解しやすい準位となっているかと思います。ただ,URLのエネルギー準位の場合,炭素の2sと酸素の2pがエネルギー準位が近いにもかかわらず何も分子軌道を形成しない理由を説明は出来ません。
さらには,筑波大の回答も含めて,分子軌道のエネルギー準位図は色々と提案されているのが困ったものです。
>最初のσと次のσ*に電子が入ってるのでここの電子は結合に関与できない。
そんなことはありません。希ガス元素が分子を形成して結合性軌道と反結合性軌道が同程度に分裂する場合,エネルギー的な利得がないために分子ではなく原子として存在することを定期試験では問われますよね。分子軌道も人間が考えた方法ですので,実際どうなっているかは神のみぞ知るですが,例えば原子番号が大きくなるにつれてs軌道による分子軌道のエネルギー準位がどんどん下がっていることからも,結合に関与していないわけではなさそうであることが報告されています。
また,今回のCO配位子は炭素と酸素の結合ですので,等核二原子分子と異なり,結合前のそれぞれの原子軌道に比べてエネルギー準位が変化していることから炭素と酸素を結び付ける結合があるとも考えられます。
> C上の非共有電子対はどこのエネルギー準位由来なのでしょうか?
COのCの非共有結合電子対は,もともとのCのエネルギー準位に近いですよね。サムネイルでも板書でも示しているようにHOMOもLUMOもいろいろな軌道が関与しているようです。
>またはどこの準位の性質が強いのでしょうか?
COのCがヘモグロビンに配位する際には,炭素側が配位していることから,炭素側の準位の性質が強いとわかります。
>炭素と酸素の非共有電子対は低エネルギー順位のσとσ*由来なのでしょうか?そうなるとHOMOにはならないので矛盾してしまいますが。
低エネルギー準位による分子軌道はHOMOにもLUMOにもなりません。
また,質問お待ちしております。
丁寧な解説ありがとうございます。貴重なお時間を割いていただきありがとうございます。
動画内でもおっしゃっていた「COのCの非共有結合電子はもともとCのエネルギー準位に近い」とはどういうことなのでしょうか。私の学が足りず、理解できておりません。ご解説お願いいただけますでしょうか。(おそらく他のコメントの方と同じ質問かと思います)。
私のイメージですが、非結合性軌道に酸素から電子2つ(非共有電子対)とさらに他の非結合性軌道に炭素から電子2つ(非共有電子対)が来ている。後者の炭素側からの非結合性軌道の電子がHOMOになっている。つまり、下からの準位がσ、酸素由来の非結合性軌道、π、炭素由来の非結合性軌道(HOMO)、π*(LUMO),σ*になってる方がCOの三重結合と非共有結合をうまく説明できているように思えるのですが、いかがでしょうか。
説明が上手くできるのと、実際の結合をどれだけ反映しているかは別だとは思っておりますが。
@@あき-n7h さん コメントありがとうございます。
>「COのCの非共有結合電子はもともとCのエネルギー準位に近い」
この疑問の回答はシンプルです。先日紹介したURLのページで見られるエネルギー準位やサムネイル画像のエネルギー準位については、すでにイメージがつかめているかと思います。また、有効核電荷やイオン化エネルギーに関する内容についても理解されたかと思います。一酸化炭素の配位に関わるHOMOやLUMOの電子は、酸素にとって非常にエネルギーが不安定な位置に存在することがわかります。実際に計算したことはありませんが、HOMOの電子の位置は、酸素にとってはイオン化(電子が完全に離れる)するには適した位置かもしれません。そのため,電子にとってはより安定に存在できる炭素のエネルギー準位を利用していると考えられますし,妥当な論理展開と思います。
>私のイメージですが・・・
わかりやすい説明だと思います。せっかくなら,アキさん自身がTH-camを始め、アウトプットを通して自分の興味や学びたいことに関する情報を今以上に見つけることができるかもしれません。また,私自身がTH-camを通して質問されることで自己学習にも非常に役立っています。あきさんもぜひTH-camrデビューをお試しください。
一緒に,科学好きを増やしましょう
NO(酸素分子などと同様の分子軌道)やCO(窒素分子などと同じ分子軌道)などでsp mixingによって軌道の順番が入れ替わるかどうか見分ける方法はあるのでしょうか?
まつたけさん 無いですね。計算するとわかるようですが、手計算では当然無理ですし、それぞれの原子の軌道の数値を覚えておくことはあまり意味がないですよね。sp mixingというものがあるとわかっていることと逆転した場合、どうなるかがわかることが大事ですね
@@tomonoLab ご返信ありがとうございます。試験や問題というレベルの話になると、分子軌道を描けと問われることもあるので問われる程度の常識的な範囲(例えば、第2周期の二核分子等)があるのかなと一つ納得しました。ありがとうございました。
一酸化炭素のCとOの2s軌道同士では分子軌道を形成しないと習ったのですが、どうなのでしょうか?
また、混成軌道を用いた異核2原子分子の解説や、多原子分子の分子軌道法を用いた解説もできればお願い致します…
炭素原子の配位の理由が理解できて、とてもよかったです!
松迅さん コメントありがとうございます。
> 一酸化炭素のCとOの2s軌道同士では分子軌道を形成しないと習ったのですが、どうなのでしょうか?
両方あるようです。2s同士のエネルギー準位が遠いために形成しない場合と,そんなの関係なく形成する場合とです。そのあたりは,今後の計算科学の進歩によって,「より正確な軌道計算」が報告されるかと思います。
>また、混成軌道を用いた異核2原子分子の解説や、多原子分子の分子軌道法を用いた解説もできればお願い致します…
現在、量子化学の授業動画を作成中です。後半部分では絡んでくると思うので解説できればと思います。すぐには対応できないかと思います。すいません。
>炭素原子の配位の理由が理解できて、とてもよかったです!
うれしい限りです。動画を更新するモチベーションになります。
今後ともよろしくお願いします。